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2013年09月28日 イイね!

リクルートの本作りから

リクルートの本作りから本屋に置いてある雑誌を買って来たら
半年以上前に出たのだった。

まあ期限切れだったら悲しいけれど、
タイトル的には及第点かな。

しかしカーセンサーを出している
版元のことを思い出してみよう。

ここは元々出版業は後発だったし
先行組と同じことはやらなかった。

元々は就職活動の情報媒体から始まり、
様々なビジネス分野に、展開して行った。


1970ー80年代は、就職活動の際に、男子学生は長髪を切って
紺色スーツに身を固めて、企業訪問する。
俗にそれを“リクルート”スーツというのが、私は許せなかった。

あれから30年以上か。
そんな旧態が未だに延々と続いていることに、いまの日本の
息苦しさの一端も、垣間見るのだが、そろそろ変わって欲しい。
あれは人に依っては地獄のようなものだと思う。


ところでカーセンサーは、今でも基本は変わらないが、出て来た時に
面白いと思った。

それまでの雑誌というのは、編集方針があり、主観があり、サイド記事がある。
マガジンとブックは、欧米では売っている店が違うのだけど、日本では
どちらも本屋である。

日本の自動車雑誌というのは、少し高尚なところがある。
きっと売文業という仕事に本当は、忸怩たる部分があるのを、明治以降、
もったいぶった「啓蒙」という文明の香りをトッピングして、糊塗してきた
のを、引きずっているからであろう。

ところが、新興企業だったリクルートは、割り切っていた。
最近亡くなった創業者の江副浩正が、学生バイトの副業から発展させた
情報ビジネスだったからである。
だからそこが出した自動車情報誌は、とてもユニークであった。

それまでの自動車雑誌の概念にない、中古車相場と物件価格情報が9割で
記事ページは、申し訳程度についているものであったからだ。

「読む所が無い」といって、古いタイプの本読みは、忌避したと思う。
本屋によっては、今で言う無料のニッセンの通販カタログと同等に思った
書店主人も多かったのではないか。

これは1980年代の前半に登場して、関東首都圏の情報しか、最初は載って
いなかった。
京都の書店で、ある日、電話帳のように分厚いのにやたらと安い、この媒体
を手に取った私は、新鮮な興奮を覚えた。
いや、これこそ読者の力を試している雑誌だ!。

これまでの自動車知識を総動員して、出来るだけマイナーな自動車を探して
いく喜び!。
変態という褒め言葉は、このあたりから、濫觴したのではないか。

80年代、90年代と、カーセンサーは破竹の勢いで、全国を網羅して行った。
類似やそれまでにあった、地方の自動車情報誌の広告を吸い上げ、それらを
駆逐して、日本中が、カーセンサー帝国になった。
今は、Gooと拮抗か、やや押され気味であるが、このGooというのは、
おそらく2番煎じだが、元カーセンサー社員がやめて作った「もどき」から
始まったのかもしれない。

それはさておいて、
リクルートという若い会社は、時代に少し翻弄された。
1988年に子会社のリクルートコスモス社の未公開株式に端を発した
リクルート事件で、思い切り叩かれたからである。

こんなことも、若い人に説明しないと判らない「歴史」になってしまった。
最近の検察の、「初めに犯罪ありき」図式が、ようやくコンセンサスに近い
概念になってくると、リクルートは、ライブドアの先例だというのが
判ってくる。
考え方に時代が追いつくというのは、こんなことである。

さて、無駄な記事が無いのが、カーセンサーと出しているリクルート社の
強みであった。反対に言うと、小林彰太郎のようなエディターもいないし
抱える必要もなかったのである。
その割り切り感に、20代の私は、快哉を叫んだ。だがしかし。

50代からのクルマ選びと題されたこの雑誌に、その面影は無い。
カーセンサーから、エッジという高級車路線の別媒体を出し、それを
フォーシニアと銘打ち、スペシャルエディションと題したこの本に
かつてのリクルート社の、若さはみじんもない。

いや、いい本だと思いますよ。

だが、今の僕ら、50代にいつの間にか、なってしまったが、求めるものは
1000万以上の年収と、ジャガーやもしかして、ベントレーだろうか。
もっというと、ヴィンテージやヘリテージと称する、プレミアムな旧い
クルマを別に所有して、建築家に建てさせた、特製ガレージから引き出して
自慢することが、人生の目標なのだろうか。

私は考え込んでしまった。
日本人は、坂の上の雲がそれだったら、周辺国の国民や財布の中身ばかり
気にしなければ、眠れない。
どうなんだろうなあ。

あの頃の私が考えていた未来は、もっと違った形のようだった気がする。
一部はネットなどで実現したので、私も受け入れている。
しかしリクルート社が古くなり、昔の雑誌に戻ってしまったら、
カーセンサーの斬新さと、全く違って、退行ではないのか。

もっと実情を言うと、カーグラフィック/NAVI等の、この10数年に
消長した雑誌の書き手や編集者の仕事も、おそらく今のリクルート社は
吸い込んでしまっている。
それが、この旧来方式の、見た目は美しいが、何の新しさもない、
50代雑誌に象徴されているのではないのか。

ボクも50歳代半ばになり、そりゃ、肉体も精神も疲れた。
しかし、出版不況や低迷を言う前に、この感覚では、日本は数年後に
アイデアもない国にならないかと心配になった。
体裁の問題もあるが、この歳のボクが、これは新しくて面白いというような
内容や提案が読みたいのである。

最後に乗るクルマなんて、新型車でも、旧車でも、
どちらでも良いようなものなのである。



Posted at 2013/09/28 06:29:42 | トラックバック(1) | オンザカー | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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