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2013年11月25日 イイね!

オペルとタルボ

オペルとタルボまた東京に行って来た。
直前までアルファの遠征を考えていたのだが、
引きっぱなしの風邪がぶり返すと
運転がしんどかろうと思い、新幹線で行くことにした。

このところ少しどころか忙しくなって来た。
車に乗る時間はまだあるのだが、
気持ちが今始めかけている“仕事”の方に向いているので
なかなか、車に埋もれている時間がとれない。

この秋も今週で終わる。
夏以降、拍車がついたように徐々に忙しくなり、
車のイベントに行くことが、ほとんど無くなった。

レストア長期入場の850クーペが手元にないこともある。
アルファ75TSでも、十分にエンスー車だと思ったら、そうなのだが
22年前の車だからといって、実感的にそう思えない。

車に対する情熱はある。



一例を言えば、75TSにCD、MDデッキを850クーペから移設した。
コンソールボックス以下、ダッシュボードの下半分も外して付ける
大掛かりな作業であったが、素人工作に見えない出来映えに満足している。

それから、この年で恥ずかしいのだが、アルファ75で初めて車内で
クラシック音楽をまともに聴ける車両に巡り会えた。

75でも結構排気音やエンジン音はアグレッシブだが、パワーウインドを
一旦閉めると防音性がよく、これまで自動車に乗る時は、持ち出さなかった
クラシックの音楽が、今の50代の自分にぴたりと合うのである。

昨日も、CDを持っていたのを忘れかけていた、J.シュトラウスを聴いていた。
F.ショパンもしょっ中懸けている。

今までクラシックの音楽を身嗜み程度に聴いていたが、車に乗る時まで
聴きたいと思わなかった。
この変化と発見には、驚いている。自分でも新しい発見が身近にあるとは、
思っていなかったので、嬉しい。




さて、なんでイベントが楽しいと思わなくなってきたのであろう。

自分の内なる感受性が変化して、新鮮な喜びが見出せなくなったのがひとつ。

もう一つは、旧車イベント等の「非日常性」が、かなり後退して、
ありがたみが薄れるのと、そこに自分が参加する意味が、あまり見つからなく
なってきたのではないだろうか。


つまり、850を大昔に入手した頃は、その車に乗り、エントリーする
行事も限られていた。
しかし徐々に行動範囲が広がり、ヨコハマで開催されていた頃の
ニューイヤーミーティングに参加した時などは、大きな達成感を感じていた
こともある。

達成感、満足感とともに、珍車を次々と手に入れて、さりげなく普段使いし
たまに、人を驚かせようと、集まりに乗って行く。
するとトーシローは判らないが、コアな自動車通は私の愛車に驚く。

そういった“嬉しがり”だった時代が、私の中では、1990年代後半から
2000年代半ばで、年齢で言えば30代から40代の、いちばん体力の充実した
10年間であった、




私の人生はたぶん、下り坂である。
もう、レアな車を探し出して来て、人前に乗って行って得意げになる
そんな時期は卒業してしまった。

それから、時代の空気もある。

もうそんなことに、嬉しがっている時代ではないことは、みんな承知だと思う。
それでも車が好きなことは、否定の意思は無いだけに、複雑な様相でもある。

雑誌を見て、インスパイアされて、行動に走る、そんなことは今は殆どない。
メディアがネット経由の情報源になってきた。
そこに残念や惜しい気持ちも少しあるのだが、最大公約数的な、ペーパー雑誌は
厚すぎるし、読みたくない広告も多い。

だから私は先日行って来たCGデイで、小林彰太郎の霊に触れたのか
雑誌でなく倶楽部の方に入会してみることにした。
ナローな価値観だけで、得るものは十分だろう。




よく皆さんは、「ざんまい」というひらがな言葉を用いることがある。
三昧と漢字で書くと、少しニュアンスが商業的ぽくなって、皮肉なコピーに
聞こえるからだろう。

もうでも、自動車、旧車“ざんまい”の人生が、どれだけ幸福か、もしかして
そうでないのか。
いつまでも傷をなめ合うようなほめ殺しの時間でも続いていないだろうと
気配は察している。

それに変わる魅力/アトラクトが、見出せないだけであるから、
代わるものが流行り出すと、退潮する波打ち際のようにそれは一気に時代を
塗り替えて行く価値観なのかもしれない。

幸福な車と過ごす時間は、あとどのくらいあるのだろう。
夜行列車の廃止が決まり、いつかはブルートレインに乗って、日本中を
旅することが夢であった少年たちが、その歳になれて、自由を手にしたが
もうどこにも走っていない時代に、変わっている。

変化というのは始まり出したら早いものである。
「いかないで」と叫んでも、変わり始めた時代の渦は、あっという間に庶民の
暮らしを呑み込んで、塗り替えて行くことがある。

私はしみじみと、850の無い秋を見送りながら、イベントに明け暮れた時代の
ことを考えている。
もう手元にあった珍しい車たちとも再び巡り会うことは無いだろう。





モノクロの、古いフィルムに写された、記憶の中の情景を、久しぶりに
スキャンしてパソコンに広げてみた。

遠い記憶の中で、小さかった子供たちが、懸命に生活している傍らに、
私の乗った愛車たちが、脇役として登場していたことに、
ようやく私は気がついた。



Posted at 2013/11/25 03:07:05 | トラックバック(0) | 思うこと | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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