ｋｏｔａｒｏのブログ一覧

４月１日を過ぎて、新しい一年がほんとうに始まろうとしている。

今回は、いろいろと詮議の多いスタートであった。
1997年以来、まる17年ぶりの消費税が３％アップ、
最初のスタートは、1989年であったので、平成の歴史は
消費税から始まった、暗い時代なのかもしれない。

しかし私はこの20年くらいの間に、社会の構造は変わり
進化と深化は、かなり進んで来たのだと思う。
中でも「情報」というものは、昔は無闇に垂れ流される広告CMも
無意識に大衆は吸収出来た。

今は空気中の花粉やたばこの煙に敏感な人が、拒絶やマスクをしないと
外にも出られない。
同じことが、情報ソースにも言える時代となったと思う。
だから、「バイアス」というものがかけられた報道やニュースに
ものすごく人々が敏感に嗅ぎ分けるようになった。

私は昔のマスコミにいて、15年くらい前から、このままでは
この仕事は、とんでもないことになる、と思い５年前に職を辞した。
その後、何をやって喰って行こうか試行しているうちに、月日は経った。
大体の予測は当たり、頭を角にぶつけたマスコミはもがいている。
出口はあると思うし、一緒に探しても良かった。

ただ、私は卑怯呼ばわりされるかもしれないが、傍観者でいられるなら
外からそれを眺めてみたい気持ちがあった。
沈みかかった船に一緒に乗るのは、案外楽だ。
「これは沈みません」という船長の言葉を信じれば良いだけなのである。

その船から降りて、波間に小さな小舟で漂っている私の方が、
いつ海に沈むか、何の保証も無い。
ただ自力で生き長らえる方法を、手探りで泳いでいるに近かった。

その“漂流”も、５年目に入った。
あのまま船に乗り続けていれば、無用の混乱と、信じた者の裏切りや
讒言めいたことに巻き込まれたかもしれない。
だから、私の小舟の旅は、いつか無人島に上陸できるかもしれない。
そう、信じるしか無いのである。

さて、朋の死と言う重いテーマを盟友が書いて１ヶ月が過ぎた。
寒かった季節も終わり、今年も春が来た。
私は月の変わる前日に、東京に向けて旅立った。
やっぱり何かを始める時期なのだと思うし、怖がっていては何も始まらない。



値上げも始まるのだったら区切りのいい日に、東京に旅立った。

東京では受講するようになり１年になる、ジャーナリストの師範の講義を
聞きに行った。

冷戦終結当時の国際情勢と、日本とドイツの国際影響力、それが今
比較にならない程、低下した近年の日本。
また、古い時代の自民党と社会党の２大政党時代の、政治の裏側。
金に汚かったのはクリーンを標榜する政治家の方で、人物を見抜く力とは。
本当は社会党の方が、金満呼ばわりされた政治家より金に汚かった。

歴史を遡れば、鎖国と言うのは重商帝国主義政策の17世紀に、日本が
唯一植民地化から国を防御出来た、練った体制システムであったかも
しれない。しかし船（大型）を禁じたことが、幕末の黒船に驚き、
慌てて外国の船を買って来た、海舟の時代。

しかしそれから50年後には、列強相手に海戦で勝利するくらいの海軍力が
持てて、日本は国際序列を駆け上がっていった。興味の尽きない話に
私は２次会まで、同席して酒だけでない話題に一晩中酔ったのであろう。



朝起きると、ホテルの部屋の窓の下の、桜が満開であった。
寒い季節に、心を閉ざしていた人にも、いつの間にか春がきたのである。
どうも今年は、時代が変わる潮目の年になるんじゃないか。
偉大なジャーナリストの先輩以上にこの私も感じている。

個人と企業体は全く乖離した存在になって、今は属することがあっても
別々の利益や、ベネフィットの追求になっていると思われる。

個人生活の実入りは全く増えないが、企業は何年も前より、第2バブルだと
私は思う。
途方も無いスケールのビルや建築物が、富みある所に立ち並ぶ。
私は、無縁だが、自由だ。
夜中にこんな文章を書き、自由に物事を考え、構築する。
その権利だけは、やっと勝ち取った、成果なのかもしれない。



東京は、比較にならないほど大阪より、機能が集中している。
その現実は、30年大阪で働いて、小さな幸福で生活出来た私にも
痛いくらいわかる。
おそらく東京に出て来て働いていたら、今に至るまでの何倍かの
掴むもの（収入や人脈、いやもっと違う形のもの）があったと、思う。

しかし守るものは、家庭とエンスーな生活を、充実・堪能しきれていた。
そこらで考えれば、私は転換期で、今年55歳。これからの30年は、
これまでの30年と違う生き方をしたって良い。
「余暇」の30年を航海して行こうと思った。
変に意識せずに、ニュートラルに東京が見られてきたのは、最近だ。

朝から議事堂をなぜか見学して、その後で丸ノ内線に乗り、地下鉄を乗り継ぎ
自由が丘で下りて、この沿線に住む娘と会って来た。



国会議事堂を見に来たのは中２の時以来40年ぶりである。
その時は、国会議員のロビー活動をしていた祖父が、急死したので東京に出て
霞ヶ関の議員会館に、別の秘書連中に報告するのに着いて行った。
高校の修学旅行で、見に行く生徒もいたが、生意気盛り、誰が行くものか。

それと前夜の講師が国会と政治分析のプロ中のプロなのである。
前夜の酒にどうやら私は、触発されてしまったようだ。

新宿まで乗った赤い地下鉄から、副都心線に乗り換え、スルーで
自由が丘までいく。
昭和の初めに「自由」「丘」とくっつけて名乗るのは、
さぞかしキラキラネームな駅名であったであろう。

新学期から高校2年になる末っ娘の成長を見に、たまに会いに行く父親。
品川まで戻って、また熱海行きアクティーのグリーン車2階席、いつもの
４号車に乗り、缶ビールをあける。

窓の外には、湘南、大磯方面の海。
私の春は、今年は心の中の、穏やかな海に溶け込んでいるようであった。



2014年春４月　記す