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2014年04月14日 イイね!

春の1200kmツーリングスタート編

春の1200kmツーリングスタート編今年の彼岸は行事が多く忙しい上に
出掛ける気候ではなかった。
そこで春4月の2週目になり、消費税の変更や
人心が少し落ち着いた時期を見図り、
旅に出ることにした。

予定は4日間、水曜日までにほったらかしの
雛人形をやっと収納して、伸びて汚くなった
髪をカット。

木曜日はその他の片付けや用事を済ませて、家を出たのは午後3時半であった。

宝塚市に停めているアルトの駐車場に寄ってから高速に乗り、
最初の休憩場所を淡路島を渡った北淡のサービスエリアにした。



淡路島で日が暮れたので、夜間走行は高速にして、徳島県から香川県方面へ。
高松市はパスして、善通寺で下りて丸亀に宿を取ってみた。

いつもの安宿情報で何となくよさげな宿を見つけて電話する。
応対が普通だったら多分良い。駅前に8時半に着き周囲を走ったが見つからず
もう一度電話をして、自転車で迎えに来てくれた女将さんの後を着いて
アルファで追いかける。

いい雰囲気の路地裏の奥に、古風な宿というより旅籠のままの旅館が
建っていた。





もう9時近いが、到着後「ちょっとビールでも」というと、門限も気にせずに
ああどうぞと、いう。
場所柄なのだろうが、気風が自由でよい。
出たらすぐの所になんと営業中の銭湯があった。タオルを取って来て
そこに飛び込む。



風呂を出て9時半くらいから飲める酒場があるだろうかと、見渡すと
何軒かある。カラオケをがなり立てているような酒場はパスだ。
ちょっと外れに小体な肉料理の専門店を見つける。少し高そうだが
人の話す声もしていたので、初日の夜は、ここに入った。







歴史話の好きな店主と、バイト従業員経験のありそうな女性客と、彼女は
殆ど無口だったが、親爺と丸亀藩の歴史と、高松との文化の違いで話が
とても盛り上がる。なぜなら私は梅田のお初天神に行きつけの丸亀出身の
ママのいる店があり、「高松何するもの」の気風を知っているからである。

この小藩は京極家が兵庫の龍野から転封して、移って300年。未だに
丸亀は食文化が四国風でなく、白味噌の雑煮でないことを教えてくれた。
また赤穂の塩つくりを導入して小藩ながら、お金を稼いだこと。大石内蔵助
のつま、りくの妹が丸亀に嫁いでおり、人の行き来が多かったこと。
文芸春秋の取材の一行が店に来たことなどを、自慢して長い話になった。

親爺の手掘りのマテ貝の一品などまで食べて飲み食いの代金は2000円、
半額近く、親爺の話に付き合ってのサービスだったのだと想像する。

翌朝起きて、障子を開けて、縁側のカーテンをはらい、窓を開けると
寒ぅ〜。しかし窓の外を見て中庭の風景に驚く。この宿屋は江戸時代
からの店であろう。





7時を過ぎて、ようやくちゅんちゅんと雀の鳴く朝になった。散歩に行って来る。
表から見ると屋根瓦の厚さが本瓦で、これはすごい。



築80年でミシミシ言う私の長屋と違い、ビシとも床が鳴らないのは、
100年級以上の木造家屋でも、土台と途中の手入れがきちんとして
土壁もメンテしておれば、不安感が全くないということなのだ。


丸亀駅の付近には1980年から数度訪れている。
中でも1991年、瀬戸大橋が出来、線路が電化され高架になった直後、
この駅の近くを歩いて、ある物を見かけて驚いた。







これらは遊郭の跡である。
20数年ぶりに来たので、もう残っていないと思うが、散歩中に何かないか
期待する。駅裏の元遊郭は、殆ど更地であったが、少し残っていた。





この場所は明るい時間に初めて歩いてみて判ったが、旧丸亀港の船着き場の
すぐ近くである。
上陸後、まず女郎家に直行したのは往年の船乗りばかりではあるまい。
金比羅詣での男性参拝客、集団で「旅の恥」とお金をかき捨てて行ったのは
いつの時代までであったのだろう。



こんぴらさん、というのは明治の廃仏毀釈で危なかった時期があったと
昨夜の料理店の親爺が歴史を教えてくれた。

元々は象頭山という真言密教の寺院で88カ所にも入っていない。
熱狂的な人気を集めるのは、旅が自由でなかった江戸時代からで、
やっぱり歓楽街を経由して、船旅や道中の安全を祈願する、建前と本音の
スケベ心を満たすレジャー聖地だったのではないか。

私は古い車や珍しい車が好きなのは、希少価値より道路を走る時に
少しだけ、「こんな古いクルマに」といった、後ろめたさを肯定したくて
いや、普通のクルマ以上にこれだけ走れるのだ、みたいな、強がりな
心理があるのかもしれない。

明治の改変で、金刀比羅宮になり神格、神社化する。
しかも大久保利通という当時の権力者に、怪し気な男がすり寄って。
大神宮にもなれずその下の地位にこんぴらはとどまった。

鎮護国家や、航海安全を存在に謳うのだが、海の大鎮守は、隣の伊予の国、
大三島にある大山祇神社が、遥か昔からあるので、分が悪い。
そこで海事や海軍の守り神であることをことさら強調した。

しかし庶民信仰、場合に寄れば象頭(荼枳尼天や象の形のインドからきた
神様はSEXの象徴)だった信仰の対象が、いきなり国家宗教になっては
しもじもは白けるであろう。
だから年代とともに金比羅信仰は、熱気が冷めた。

高松、坂出、多度津らとともに、一番の船着き場を競った丸亀の港には
もう殷賑だった賑わいは残っていない。

後に残る遊郭街の外れの弁財天(厳島神社)に、廃墟と成った江戸時代の
ような狭苦しい遊郭の残骸と、命落として骸となった名も無き遊女たちを
弔ったであろう境内の石積みの小山に気付き、私は哀れな感情を催した。





太い力の籠った、寄進の石柵の寄進者名に残る男たちの名に、もしかしたら
女衒で儲けた荒くれたちのことをそっと想像したが、風が渡るだけであった。



Posted at 2014/04/14 11:25:51 | トラックバック(0) | オンザカー | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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