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2014年05月20日 イイね!

アジアから日本を見る

アジアから日本を見る5月15日から19日まで、東南アジアのタイに
行きました。
ほとんど居たのは北部のチェンマイです。
帰国したとたんに戒厳令が出たりしましたが、
私の居た場所は平穏でした。

今回はアジアのクルマと人々の生活に着いて
書いていこうと思います。

まず21年前のタイって、こんなクルマが
走っていました。





コルチナ・ロータスで有名なフォードコルチナ。1960年代初期のモデルです。

下はフィアット初の本格FF車、128セダン。その前を走る白いクーペは
2代目プレリュードでなく、サニーベースのRZ1だと思います。
こういう60−70年代のヨーロッパ製オールドタイマーがいくつでも見られた
のが、1993年の訪問時でした。

今回の旅して思ったことは、そうした旧い車が殆どいなくなったことです。
以前は中心地のバンコクでも、こんなクルマが普通に使われていました。



お分かりですか、プジョー504の前の時代になる中型サルーン、
404のごく奇麗な個体が、王宮寺院の駐車スペースに停まっていました。

その頃でも日本車の躍進は著しく、現地ガイドの若いタイ女性は
働いて貯金をして、マツダのピックアップを買うのが夢だと、
話してくれました。



これらヨーロッパの車種は、私には好物の時代のものばかりで、
最新型のクルマは、日本車に置き換えられており、今回はそのときの
予測をさらに肯定するような事実を、見せつけてくれました。

日本車は右ハンドル、左側通行のタイやインドネシアでは強い。
こうやって自動車界の盟主は代わって行くのですが、この20年間に
タイ人の経済力は着実に上昇し、前のようにどんな古いクルマでも
直して使うと言う美点は後退し、戦後の日本経済の歩みのような
新しいものを旺盛に買うのが良いに、なってきたと思います。



これは今回見たワーゲンです。
やはりタイ社会のクルマ好き事情、エンスーについてレポートします。

北部チェンマイは、3、4番目くらいの町で、札幌や博多に該当するの
かもしれません。新設のショッピングモールも出来ました。
一概に運転は飛ばしますが、タイ人の気性は荒くないので、交通トラブルは
無茶は少ないと思いますが、信号が少なく、一方通行やロータリー
合流も珍しく有りません。

旧い車はこの20年でうんと減りました。
大きな駐車場に行くと、10年前後の新しい日本車ばかりでした。
ヨーロッパ車はかつてのプジョーやルノー、フィアットの御3家が
退場して、最新型は全く走っていません。





90年代のルノー19と初代フィアット・プント。このあたりが生存確認
できた最後のヨーロッパ車だと思います。

そうすると、鏡のように見えてきた、今の日本って、どんな国なのか。

そこが今回旅を通じて得られた、一番大きな収穫だったと思う。



まず、日本はアジアの中で突出した物質文明国であるということ。
エンスーみたいな感性や、趣味は、贅沢な国民の国でしか味わえない。

日本もかつては、先進国を追い掛け、追い越せで、いろんな套衣を脱ぎ
捨てて来た。
それでも日本には、真贋の美を見抜く力が有ったし、1000年以上の国の
民衆史があったので、独自の感性や文化が育まれていたと思う。

近代以降の150年は、普通の感覚では生きて行けない体勢変化もあったが、
器用な日本人はカルチャーショックを何度も乗り越えてきたと思う。
きょうの文体にやや国粋的な臭いがしたら謝る。私は民の文化と歴史の
擁護者だ。

日本には今、大変な幸せがまだ残っているのだが、なんとなく不幸感に
取り憑かれて長い。
ちょっと簡単に言えないので、エンスー談義に戻る。

タイ人から見れば新しい、新車に近い日本車を乗ることが、今のサクセスだ。
日本人はそれなのに、中流はプジョーに乗りたがり、やがてBMW、
メルセデスやジャガーに憧れる。これは、半分間違って半分正しいと思う。

プレミアム化とブランド志向は、この15年くらいの日本人の消費動向の
KWだと思う。
じゃあ、世界の中で「より金持ち」「より贅沢」をみんなが目指しているか
というと、それは正しくもないが、無意識に動向しているところはある。



日本には過去に買い貯めたたくさんの「お宝」がある。
人によってはくずやゴミであろう。しかしエンスーと呼ばれるような
ビョーキの人たちには、とっても珍重なものがあるのだ。

タイで20年前に走っていた、古いフィアットやプジョーは、価値観の
相克の前に脆くも捨てられてしまった。
まあ、当たり前に言えば、耐久、消費期限が来ただけである。

今回の旅で一番心に残ったクルマは、出来たばかりのショッピングモール
駐車場で見かけた、黄金色の古い1台のフィアットセダンであった。



日本名でいう132、もしくはアルジェンタ。
おそらくは華僑当たりのおじいさんが、普通の国民が買えなかった時代から
大事に乗っている縁起のいいクルマなんだろう。



私は実は、1993年にタイに行ったのが初めての海外で、その頃は売春
ツアーみたいなのが多くて、業務とは言え嫌で嫌でしようがなかった。

しかし空港に着いて送迎のバスに乗り込んで、窓の外を走っている古い
フィアット、そう132アルジェンタを見てから、海外の見聞を楽しむ
ことを知った、忘れられない1台なのである。

しばらくはこんなシリーズで書いて行こうと思う。

Posted at 2014/05/20 14:08:48 | トラックバック(0) | うんちく | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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