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2014年07月08日 イイね!

還暦番長

還暦番長今年の7月も七夕過ぎて、私はもう少しすると
55才になる。
子どもの頃から難しい性格と虚弱な体質だったが
ここまで生きて来られたので、あとはスキーで
滑るように生きていたい。

人生を大きく変えたのは小学校時代以来の
クルマ好きが再び目覚めた20代の何年間である。

初代ランサーと初代セリカLBには、今の若い人なら
文献的知識だけでも憧れるだろうが、私には全然
面白くなかった。



それは自分の中でクルマに対する姿勢が、未発達だったこともある。
頭で理解しようとしていた。
そりゃ本はよく読んだし、DIYを実践してランサーもセリカも
よくいじっていた。
発刊当時のカーボーイと老舗のオートメカニック誌は、
いつも寝床の横にあった。

でも「それだけ」だったのだと思う。

他の遊びや人との交流も深めながら「なるほど、こういうやり方も
あるのだ」という世界観を広げること。20代はそれに尽きるのではないか。

私の好きな音楽世界でも、最初だけ才能で耳目を集めて、華々しく売れても、
30代40代以降さっぱり話題にならない人も多い。
こじんまりまとまってしまうか、木で言うとあとで伸びなくなった
樹木のようなパターンである。

私の場合は、27才のときの850クーペとの出会いが、大きく変える原因に
なったが、その前からあちこちの輸入車関係の場所、お店からポンコツ置き場
まで、のぞき見ることで好奇心を膨らませていた。
準備があったから、はじけることも、理解することも、その後の苦労を
何度でも乗り切れたのだと思う。

普通、手間のかかることにお金と情熱は、かけにくい。
また現代センスで言うバランスシートで言えば、コスパに見合わぬ
不合理性は、頭の中だけで計算してしまう。

情熱や感性の前に理性があると、その世界に行ってしまう前に引き返す。
それが大多数の原則なのだと思う。

現代のように情報と言う「添え木」があって、趣味世界に参入することは
ずいぶんハードルが低いと思う。
ただ、火傷をしてから好きになるのと、手袋をしてから熱いものを掴むとの
違いだ。
現代は後者の選択しかできないのだから、比較をするのは適当でない。

そんな試行錯誤は、誰のため、何のためと問われれば、自分がやりたかった
以外には答えは見つからない。
だから先行することの面白みだけで残りの25年以上は、走ってこれた。



趣味道と一般人生活は、両立するものなのか。
これには若い頃より、全身で腐心してきた。
一番良いのは柳宗悦の蒐集物語とか、民藝の本を読んで欲しい。
同じむねよしでも、田中でなく柳の方も読まなければ駄目である。

好きでしょうがないものとか、まだ一般世界や古美術の世界でも
評価の全くないものに、手を出すことのためらいとその後の大分経って
からの感想に満ちあふれている。
柳宗悦は、白樺派系の名家の跡取りであっても、あんまりお馬鹿なことを
周囲は望んでいなかったはずだ。

私はもっと普通にサラリーマンディレッタントの道を目指していた。
出来る出来ないは周囲の理解だろうし、本人の意欲次第である。
それと変なものに手を出し過ぎて、後悔や、自滅する道もある。
目利きになるには、柳の本を読んで心構えから入って欲しい。

クルマをみて欲しく成るのはクルマ好きの本能だと思う。
しかし、4割の情動と3割の煩悩、あとは現実感覚と最後に1割足らずの
これって俺に必要だろうか?を考えて欲しい。
実は一番大切なのはその最後の砦である。

苦労して得たものが満足感に変われるか、その一線は大きい。
収入とか年収とか、自由裁量できるお金がどれだけあるかで、コースは変わる。
それとエンスーのヒエラルキーは、連関しているようで一律ではない。
私はその喫水線を、いつも苦労しながら泳いできた。
溺れそうになると浮き輪を出す友人もいる。
近年は随分泳ぎ出すことを怖れるようになっていたのかもしれない。

クルマは保管する場所に苦労すると、折角手に入れた情熱も一気に下がる。
数年前にリトモアバルトを手放して、今度は850スパイダーを手に入れ
自分で陸事でユーザー車検を通して、登録までやってみた。
50才過ぎて我なりに頑張ってみたのである。

ところがこの車は最初は権利を譲渡してもらい、元の持ち主の所に置いてもらい
年に数度くらいの訪問でこっそり乗ろうと思っていたのが、当てが外れて
関西にやってくることになった。
それからが苦労の連続である。野ざらしは出来ない。
私の住む大阪の郊外から兵庫県の片田舎に置ける所が見つかるまで
随分友人らにお世話にもなった。

私も気を取り直して、一回長距離ツアーで仲間と信州まで行ってみたこともあった。
しかし元々の個体が、不動の時期も長くあったので、ギアのシンクロが悪く、
さらに伸び切ったチェーンがチェーンケースを割ると言う、それまでの私の自動車
歴にない、傷んだクルマであったことも、出費を増やすことを重ねた。
一つずつのダメは修理してもらい、何とか維持しようとつとめた。
いろんな意味での恩人の元愛車であったからだ。

しかしタダで置かせてもらっていた工場が、配置換えするので置けなくなり、
たった数ヶ月。行くのはたまにであったが、行く度に気を遣いお土産も持参して
特に交通が無い時は片道、自宅から乗り物を電車で4回以上乗り換えて、最後は
田畑のなかを2km以上歩いて行っていたが、もういいだろうという気になった。

実はスパイダーを手放したのはそのような裏話があったのである。




だけど私は誰のせいにもしたくない。自分の力不足でもう一台の850生活を諦め
たのである。しかし良い思い出の残らないクルマだってあることもある。
そう言う時は傷心する。置き場所さえ何とかなればこんなに苦労はしなかったと
思うが、自分の能力不足と縁が無かったのである。

このところ運のなかった私であるが、今年に入り少し気運が上昇しかけて来た。
あちこちから私に声が掛かり出来ることをやって欲しいとオファーが来るように
なった。そのうちのひとつが、自宅から50km離れた場所で、農家と畑を共同区分で
借りれるようになったことがある。

発起人の2人にあと2名加える中に、私のアイデアマンとしての招聘があったからである。
私は早速、農家の方の別荘使用でブッキングが重ならないように、メーリングリストを
作った。あと、友人らと使う時は「あゆみの箱」でひとり1000円とか今後のあらゆる
展開に対応出来るよう、企画展開も私がすらすらアイデアを出し全員が了承してくれた。

こちらのプロジェクトのボスは、元ボクシングのアマチュアチャンピオンである。
この人が、選ぶ人選は、個性と能力と、裏切らないことだと思う。
私が農業に興味を持ったのは、一昨年からの長い傷心期間に、活路を別の方に向けた
ことがある。そこで里山で体験や活動する、別のグループの先輩たちに歓迎されたことが
きっかけだ。

この歳になり、住んでいる場所も都市と山野のエッジみたいな所まで後退して来た。
しかしそのお陰でこんな里山人脈もでき、あれだけ困り続けた自動車の置き場も見つ
かった。

きょうの夕方はその「還暦番長」に会い、飲むほどに、今後の土地利用と展開のことで
かなり私に権限を委ねてもらえるのと、地主さんとの交渉は、何でものんでもらえるよう
その方がそちら方面を引き受ける。農家に私が住むのも構わないとまで、言っていただき、
心強いところまで来れたことを感じた。

「亀岡にトライアルランドがあり、そこの方がクルマ好きで、輸入キットガレージも
扱っている。これを例えば空き地に我らの手で建てて、愛車を保管してもいいだろうか?」
「大丈夫でしょう。工事さえ自分らでやっていただければ、何なりと家主と談判します」

私は郊外に、ガレージと生活の拠点も持てそうだと言う所まで来てるのだろう。
夢のガレージライフも近いのだろうか。いや私には、雑誌のグラビアページは似合わない。

簡単にのぼせないのが、年齢のいった男の有り様である。
しかし、人生はこういうこともあるのである。
今後の、年金も当てに出来ず、難問題を多数抱えるネオシニアの生き方の中で、明るい
材料を少しでも探す。それが自分の活路に繋がるのだろうと思った。

結局最後は、人が人を呼び、人によって助けられる。
趣味の世界も、尽きる所は人付き合いが上手くいっているか、それ次第では
ないだろうかと、思った。







Posted at 2014/07/08 01:37:16 | トラックバック(0) | オンザカー | クルマ

プロフィール

「暴論と思うが日産をトヨタが救済することは無理だろうか http://cvw.jp/b/176891/48492730/
何シテル?   06/18 16:04
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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