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2018年05月16日 イイね!

この国のかたち

この国のかたち最近、若い編集記者の人と、コンビを組んで取材対象を回る機会が出来た。

私は、いつの間にか、普通に会社勤めを続けていれば、定年まで1年と2ヶ月の年齢になりました。

私が、愛車を駆って地方の田園を巡りながら、助手席の助手に指示を出したり、受けたり、相談しながら、対象を絞り込んでいき、こんな楽しい仕事が出来るようになれたことは、長年の夢だったのかもしれない。




まあ人間はどこまでが目標の人生なのかは設定するものでもなく
結果が行くところが、その人の人生のように思える。

若い頃、功名心はもちろんあった。
何かで、有名になりたいとか。矢沢永吉のストーリーに代表されるまでもなく
「ビッグ」になりたいとかの、軽い上昇志向とか。

自分が若くて社会に出た、1980年代が、まさにそんな時代の体現であった。
そこから様々な野望と野心が現れて、現実の生活の前に、泡として消えては
現れて、いつしか現実の壁の前に、夢も幻想も、残像すら残らない小さな光の
点となり消えて行く。

いつしか青年は、中年となり、初老のオヤジとなり、もう吠えたり
牙をむき出すことはしなくなり、そのうちに繋がれた人生に諦めて行った。



私はいっぽうで、クルマという機械が、文化の一端であることを
偶然手に入れた古い1台の外国車から知り、それは次から次から湧き出て来る
泉のように汲めども尽きない興味の対象となり、30年の星霜が過ぎた。

この国も若くて、私たちの上に回っている星座は、無限の可能性があり
自分が世の中を動かしている一員かのように、毎日空を見上げていた。



結局それから30年経ち、私は20代後半から、60歳の手前になった。
そのクルマは30年乗り続けて、今も手元にある。

変わったこと、変わらなかったこと。間にあるのは、私が家庭を持ち、生活を
維持して来た長い年月だ。だがそれは数年前に、幕を閉じた。


クルマは今も正直に走ってくれる。家族の思い出の染み込んだ個体だが、
新しい仕事にも、けなげに長い道中の往復に応えてくれた。


この国に、政治があり、私たちは有権者として、期待もして投票もしたが、
あんまり世の中の流れは、思ったほど民主主義にもならなかったし、
古い車は1年車検こそ2年に伸びたが、反対にペナルティーのごとくに
税金が15%も割り増しになり、早く廃車して新しいのに買い替えろと、
言われ続けている。
この国の、どこに自動車を文化の対象として取り上げる
制度や機関、団体が残っているのだろう。





抵抗と言うのはエネルギーが要るものだが、私は金銭含めてエネルギーが残っていない。

新しい仕事に、マイカーを使うのは、一流企業に勤めていたら、抵抗があっただろう。
しかし、今の私は、少し考え方を、和らげてみた。
マイカーも自分を売り出す(売り込む)タレント性の一部として、色を添えてくれれば良い。

デモをして、ストライキをしても、誰も着いて来なくなった、この40年の流れに
思い当たるので、ならば私のクルマを使い、仕事をやり、
その先に、この国のおかしなところが、少しずつ露わにならないか。

古い車がなぜ少ないのか。なぜ機械としての性能より、社会の流れとして
共生しにくいのか。
これを説明することは、多元に渡るので、ビギナーには説明しにくい。


私のような、ベテラン・ジャーナリスト(元の仕事に完全に戻ればであるが)は、
その説明しにくい経緯、長い時間の変遷のことは語れ、理解できている。

今、若い編集者と仕事を組んでやっていると、教えることだらけである。
しかしこの人は有能で、責任もあるポジションに就くだけの理解能力は高い。

私は、久しぶりに仕事をしている気になっている。

もうとっくに引退した気分になっていたのが、余計だと思いつつ、あれこれ
錆び付いた武器を磨き直し、もう一度闘いの場に向かおうとしているのかも
しれない。

ロートルが出る幕はあるのだろうか。そんな心配を他所に若い編集者は
ちゃんと仕事の段取りを考えてくれている。





今日の話は、クリント・イーストウッドみたいな世界になってしまった。

このタイトルは、私が在席していた会社の、先輩にあたる大作家の随想から
あやかって借りてみた。
私が1983年に、仕事を駆け出した場所は、現役当時の作家先生も在席した
新聞社の京都支局である。

遼かに及ばないが、最近の仕事は、少し面白くなってきた。












Posted at 2018/05/16 05:37:32 | トラックバック(0) | 思うこと | 日記

プロフィール

「「自動車趣味人」38号に取り上げていただきました。」
何シテル?   06/14 14:37
車は殆ど処分して、1971年登録のフィアット850クーペに 1987年以来、乗り続けています。 住居は昭和4年築の、古い日本家屋に、現状で住んでいます。
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