2014年01月17日
多くの人が、未だに輸入車に抱くイメージは「壊れる」というものだと思います。
しかし、これは過去のイメージに過ぎないと言えます。
最大の理由は、急速に進むグローバル化。エンジン本体をはじめ、トランスミッションなど、自社あるいは自国製とは限らないのです。例えば高性能車BMWのATの多くは、日本のアイシン精機のものを使っています。プジョー・シトロエンのエンジンの大半はBMW製。官能性が売りのイタリア車のエンジンも、クライスラーやGMのものが使われていたり、ボルボの人気車種のプラットフォームはマツダ車がベースだったりと、企業の合従連衡に伴うグローバル化がかなり進んでいます。さらに、カーナビをはじめとする電装部品も日本製を使うメーカーが多く、気候や使用環境の違いからくる故障は軽減されているのです。
一方で、都市部の慢性的な渋滞による発熱や頻繁なブレーキ、また四季の寒暖差など、輸入車が対応しきれないものがあるのも事実。ラジエターやベルト類の寿命は、短いクルマが多く、ブレーキはパットとローター双方を摩耗させているので、効きがいい代わりにダストが多く短命。また、外観に使用されるメッキやゴム類なども傷みが早いと言わざるを得ません。
翻って、それでも輸入車を買い続ける人がいるのはなぜでしょう?約10年で輸入車5台(ゴルフ・プジョー・フィアット・シトロエン2台・ほとんど中古)を保有した者として感じるその優位性は、第一に所有する喜びではないかと思います。欧米国は、アパレルに代表されるようにそのブランディングに長けています。自動車も例外ではなく、多くの輸入車はブランド品として受け入れられています。高級車でなくてもイメージがおしゃれ。乗っている人が3割増しで魅力的に映ることが多いです。あと、走る・曲がる・止まる基本性能がハイバランス。日本車は①走る②曲がる③止まるですが、輸入車は優先順位が逆。スピードレンジが高く、シビアな環境では、クルマは止まってなんぼです。また、高速使用で燃費が悪化しにくく、社内ノイズも極端には増えません。日本車は、流行れば、ボディを極端に低くしたり高くしたり、パワー競争に負けじとピークパワーだけ追ってみたり、燃費が注目されると、遮音材を削りアクセルレスポンスを犠牲にしてまで、その値を追求します。輸入車は、乗用車としての基本性能を必要以上には犠牲にしません。また高い速度域での安心感や安全性の確保など、自動車づくりの考え方が大人です。言い換えればトリッキーでない。運転して楽しく、所有して長く満足できるのです。家屋や家具など、いいものを長く使う人たちなので、流行りものを頻繁に消費する国民とは、重視するポイントが違うと思います。
壊れるというネガは随分解消され、個々の個性がはっきりしている輸入車。もっと多くの人が支持し、日本車と自動車文化の発展に寄与することを願っています。
Posted at 2014/01/17 18:02:01 | |
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