
メルセデス・ベンツ日本が、1990年頃に小ベンツと言われていた190Eをレストアしたとニュースで見ました。
部品300店を交換し、50時間300万円を費やした大手術。
メルセデスでは20~30年くらい前のクルマをヤングクラシックと位置づけ、新車販売したいところをグッと抑えて、「自社製品を長く愛してくれるお客様に安心のカーライフを提供する」という新しい価値に挑戦しています。
今でも世界3位の経済力を持つ日本ですが、世界一平均走行距離が短いのにコロコロクルマを買い替えてきた価値観に、疑問だらけの人たちも相当いるはず。
今やクルマはステイタスではありません。一方いいものに囲まれて生活したいという人はたくさんいます。
いいものは手間暇かけて作られているので、使う人の満足が違います。
経済が発展していた時代は、小さなクルマから大きくなっていくことがスタンダードだったと思いますが!今は気に入ったものを背伸びして買って、長く使うってのがカッコいい時代と思います。
もちろん潤沢にお金がある人は、最新の技術を定期的にあじわうことが出来るし、それも素敵なことですが、いいものを長くってのもクール。
190は高校生の時に、どうやらいいらしいと知り、何となく興味があったクルマです。
もう少し前に、メルセデスに影響されて、マツダルーチェがベンツルックでサスペンションもマルチリンクを使い話題になっていました。
ボディ剛性という言葉がよく雑誌に載っていた時代です。
「最善か無か」というコピーを掲げていた、理想主義時代のメルセデスのコンパクト。
5ナンバーサイズで乗りやすいと思います。
今のCクラスの元祖ですが、このボディサイズはいくら出しても新車で買えません。
エコカーでもないし自動ブレーキもないですが、この時代のクルマって何か魅力的です。
ディーラー経営も、新車販売は水物なので、サービス収益を大事にしていく、あるいはメーンにしていくという流れの中、メルセデスのメーカーが、レストアしたということに、大きな意味を感じています。
ヨーロッパではある程度の距離になると、タイヤと同じようにアブソーバーを交換するそうです。
おそらく使用速度が高いので、足回りがヘタるとこわいというのもあるのでしょう。
そもそもクルマはサスペンションをリフレッシュし、エンジンマウントを替えて、ラジエターなどを交換すれば、ボディがダメにならない限り相当蘇ります。
軽自動車をコロコロ乗り換えるなら、ちょっといいクルマを買ってずっと使いたいって人はたくさんいるはず。
それをメーカーもディーラーも軽視してきたということです。
確かホンダNSXにメーカー認定のリフレッシュプランがあったと思いますが、スポーツカーのみならずメーカーが自信を持って作ったクルマなら、長く使うという選択が出来るようなバックアップがあって然るべき。
部品代や工賃、保証などを加味すると、いろんなクルマで展開するのはなかなか難しいサービスとは思います。
要はそうしてお金をかけてリフレッシュしたクルマを、適正な価格で下取り出来て売れるマーケットがあればいいのです。
アンティーク家具のように。
考えてみれば、メーカーは新車販売が商いですが、ディーラーは整備でしっかり儲かります。
これまでの商慣習から、ハードル高そうですが、リフレッシュプランを適正価格で出来たら、気に入ったクルマを一生ものとして買うって人がたくさん出てきそうです。
Posted at 2015/01/10 17:26:42 | |
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