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2016年05月08日

Synthesizer Musicの始祖、冨田勲氏が亡くなられました(T_T)

Synthesizer Musicの始祖、冨田勲氏が亡くなられました(T_T) Keith Emersonと並んでSynthesizer Musicの始祖とされる冨田勲氏が5月5日午後2時51分に慢性心不全のため東京都立広尾病院で亡くなられました享年84歳。ご冥福をお祈りいたします

同日、昼ごろ自宅で倒れ、搬送先の病院で家族に看取られながら息を引き取られたとの事ですが、倒れる1時間前まで今年11月に上演予定の新作「ドクター・コッペリウス」の打ち合わせを行っていた様です。
一族で葬儀を済ませて、8日に日本コロンビアが逝去のお知らせを公表しました。

依然活発に創作活動を続け、慶應義塾大学医学部教授の長男勝氏には「11月までは死ねなくなっちゃったよ」と笑って話されていたそうです。

冨田勲氏は1950年代の慶應義塾大学文学部在学中から作曲活動を始めており、NHKの大河ドラマや手塚治虫氏の虫プロダクションの音楽を手掛け、オーケストラを起用したダイナミックな曲作りに定評があり引き合いが多かったと言われています。

そして1969年に開発されたばかりのSynthesizerのMOOGⅢ-Cを用いたWalter Carlos(後に女性に性転換を行いWendy Carlosに改名)の「Swiched on Bach」等のレコードを聴いて衝撃を受けて、1971年に当時開発されて間もなく高価であったMOOGⅢ-Pを日本で始めて個人輸入

税関で軍事関係の精密機器と疑われて、楽器であることを証明するために数ヶ月掛かり、税関から演奏写真を要求されてRockの演奏に使用し始めていたKeith Emerson氏の写真が利用されたと言われています。

実物入手後も開発機器で説明書が添付されていないため、複雑な仕組みを苦労しながら独自に試行錯誤で習得し、様々な楽器の音を自ら作り出し、それをオープンリールテープレコーダーによるMulti Truck Recordingで、1つ1つの楽器の演奏を同期させながら100回以上も多重録音を積み重ねて厚みのあるオーケストラの音を作り上げるという途方も無い労力を掛けた作り込み手法で曲作りを行っていました。
ファミコンと同様の音でクラッシックを演奏したWalter Carlosの「Switched on Classic」シリーズとは全く別次元の芸術作品でした。

そしてMOOG Synthesizerによる多重録音Albumとして、1974年の「月の光」から始まり、1975年「展覧会の絵」1976年「火の鳥」1977年「惑星」1978年「バーミューダ・トライアングル」1979年「幻想宇宙」1980年「ダフニスとクロエ」1982年「大峡谷」1984年「スペース・ウォーク」を発表しました。

ワールドデビューの「月の光」から海外でも注目され、日本よりもむしろ海外の方がより高く評価されている感じもあり、多くのAlbumが米Billboard Classic Chartで1位を獲得していました。そして大賞の獲得はなりませんでしたが、1974年に「月の光」で日本人として初めてグラミー賞の主要4部門でノミネートされ、Classic部門では最優秀Album賞を獲得していました

「月の光」もSynthesizerとは思えない柔らかい温かみのある音で、冨田勲の独特の世界観が表現されていました
中でも、ホルストの「惑星」のフルオーケストラのSynthesizer作品の作り込みはかなり衝撃的でした。
ホルストは惑星のオーケストラ演奏には、パートが欠けることがないようにかなり厳しい規制をつけていたとのことで、この作品が発売された後にホルストの遺族が冨田勲とレコード会社に対して訴訟を起こして話題になっていました。後に和解に至ったようですが、緻密な作り込み努力が功を奏したのでしょうか。

ストラビンスキーの「春の祭典」もレコーディングされていたとの事ですが、発売済みの「火の鳥」の際に既にクレームが付いていたのか、こちらは発売前の提訴で完成していたものの発売を断念したと言われています。

なお、これらの作品のアシスタントとして、後にYMOのProgrammerとして有名になったLogic Systemの松武秀樹が師事していたで事も知られいています。

そして、1980年代後半以降は、レコード会社のマネジメントとともに、NHKの大河ドラマや映画音楽を中心に活動を続け、やや裏方に徹してきました。

2000年からは、尚美学園大学で音楽メディアコースの主任教授を務め、その後も芸術情報学部の大学院教授として「冨田研究室(トミタメソッド)」が開設するなど、後進の指導にも務めるとともに、2003年以降過去のSynthesizer作品の5.1ch化などのRe-Recordingも手掛け、Synthesizer Musicの集大成も進めていました。

ただ、比較的最近のRe-Recording盤の一部はApple Music等でも聴けますが、私にはどうしても初期のOriginalのインパクトが強くて、焼き直しのものは今ひとつピンとこないものが多い感じがします。

2012年にはオーケストラ演奏とVOCALOID初音ミクをコラボレートさせた「イーハトーヴ交響曲」を手掛けるなど、80歳を越えてなお活発な創作活動を続けていました

そして今年11月には「イーハトーヴ交響曲」の続編とも言える「ドクター・コッペリウス」開演に向けて創作活動を続けていたとの事です。

2000年以降再び冨田勲氏の名前をそこかしこで目にするようになり、まだ活動を続けていたことに驚かされ、更に初音ミクとの共演まで行うなど、あくなき探究心に驚かされていました。あらためてご冥福をお祈りいたします。

【ジャングル大帝】結局一番有名なのはこれでしょうか?


【リボンの騎士】これもありました


【きょうの料理 テーマ曲 冨田勲】いやいや、こっちの方が遥かに有名でした(^^;;


【ドビュッシー「月の光」】Synthesizer Musicの最初のレコードでインパクトがありました


【ムソルグスキー「展覧会の絵」】焼き直し前の初期のもので


【ホルスト「惑星」から「木星」】結構インパクトがありました


【「イーハトーヴ交響曲 Blu-ray」ダイジェスト映像】初音ミクとの共演


【ラヴェル「亡き王女のための パヴァーヌ」】最後に氏の追悼曲として(ちょっと音が悪いのですが焼き直し前の方が何と無く荘厳な感じなので)
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Posted at 2016/05/08 20:54:07

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この記事へのコメント

2016年5月8日 21:02
初めてお名前知ったのはぁ

中学かぁ高校かぁ現代の日本人で世界に通じる音楽を提供できる唯一の人

と友人に教えてもらったような気が

確かに80歳で初音ミクは・・・凄いです
コメントへの返答
2016年5月8日 21:30
ちゃきんさん、こんばんは。

最初に「月の光」を聞いたのは中学生の頃だったと思いますが、こづかいでLPレコード買ってました(^^;;

イーハトーヴで宮沢賢治の作品をオーケストラ作品にするのは、いかにも晩年の冨田勲氏がやりそうなことでしたが、そこにまさかの初音ミクとのコラボが加わったのには驚きでした。
でも冨田勲氏なら有り得るなとは思いましたが。
2016年5月9日 13:21
う~ん、個人的にはかなりショッキングですね・・。
かなりヘビロテして聴いた口ですので・・。

progreさんの記事を拝見しながら、MOOGを操る冨田さんの映像とか思い出しました。
サンプリングの無かった時代、アナログシンセでストリングスやホーンなどオケの音を作り出すことの大変さ、マルチトラックを駆使して壮大な楽曲を作成する様など、それだけでも凄いですが、更には細かいこだわりとかもありましたよね~。
例えば惑星の火星だったかな?に出てくる無線通信のような音も、実際に信州で無線を飛ばし、それを受信したものだったかと。

思い出すとキリがないです。
NHK大河は滝田栄さん主演の徳川家康だったなぁ、とか、ソラリスの海とかも好きだったなぁ、とか・・。
ご冥福をお祈りします。
コメントへの返答
2016年5月9日 19:58
ぱじいさん、こんばんは。

かなり古くてマニアックな話しなので、みんカラ内で分かる人は殆どいないだろうなと思いながらも、結構思い入れが強かったので書き込んでしまいました。

ぱじいさんも聴かれてましたか。

まだプログレを聴き始める前で、クラッシックと現代音楽の融合に何となく魅力を感じて、少ない小遣いでLPレコード買って、キズがつかない様にカセットテープに録音して聞いてました。

さすがに歳が歳なだけに致し方が無いとは言いながら、まだ元気に創作活動を続けいただけに残念ですね。せめて一仕事終えてからだったらと思いました。

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