XC40、V60の本格出荷が貢献してきている様ですが、全体としてさほど力強さは出てきていません。
【モデル別販売動向】
モデル別の販売で、V40については2015年に発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、2016年に入ってからは前年同月比でマイナス。
マイナーチェンジモデルの販売本格化から2017年2月以降はようやく安定も、XC40の発売が近づき6月以降は再びマイナス。
2018年1月からXC40の販売が開始され、New Modelで代替モデルが無く、純増になっていることから本格的な貢献が始まっています。
40シリーズ全体で4月以降は4割以上の増加し、7月以降は倍増ペースでした。
11月同+68.0%、12月同+53.1%と若干スローダウンも依然大幅増。
そして、2019年1月はボリュームが小さい月ながら同+102.5%と倍増ペースとなり、2月も比較的ボリュームが小さな月ですが、同+60.9%と依然高成長を維持、3月はボリュームが大きな月で同+41.2%と依然高成長もやや減速。4月以降も同3割〜4割の増加をキープしています。
7月はボリュームが小さな月ですが、1万6,845台、同+11.3%と2桁増を維持していますが、40シリーズの旧型の減少が続き、New XC40の需要増にも徐々に頭打ち感が出てきており40シリーズ全体としても頭打ちになって来ています。
従来のV40シリーズモデルは20%前後のマイナスが続いていますが、新規投入で純増となるXC40の貢献が続いています。
XC40の販売は、1月395台、2月1,580台、3月4,261台、4月5,554台、5月5,413台、6月6,538台、7月9,005台。8月6,540台、9月8,598台、10月9,568台まで伸ばしました。
11月以降一時ピークアウトも、11月8,993台、12月8,724台、2019年1月8,113台、2月8,176台、3月は増産体制が確立したのか、12,614台とピークを更新。
4月はボリュームが小さい月ながら、10,801台を確保、5月は10,578台、6月は11,586台、7月は12,198台と販売開始19ヶ月で一巡感が出てきています。
今後XC40がどこまで拡大し、旧世代となる既存の40シリーズがどの程度維持できるかが注視されます。
New XC60は、2017年3月7日にGeneva Auto Showで発表になり、2017年8月以降販売が本格化。販売台数は、2019年7月に販売開始27ヶ月目で1万4,740台となっています。旧型に代わって2017年11月からXC90も抜いて最量販車種となりましたが、3月の1万8,036台をピークにやや頭打ち感が出てきています。
またNew V60も2018年6月から販売が開始され14ヶ月目で3,519台となっており、早くも頭打ち感が出ています。
モデル末期まで売れ続けたXC60の旧モデルの減少は大きいものの、新型もようやく生産体制も整い旧型のピークを若干凌駕する水準にまで販売が上がってきました。
ただ、XC60の成長もやや一服しつつあり、続くV60の販売にあまり勢いが無い事から、7月は60シリーズ全体で1万9,639台で同▲9.7%となり6ヶ月連続でマイナスになってしまっています。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、本格デリバティーから2年目に入り、2017年2月に初期需要の反動からついに前年同月比で前年割れとなりましたが、反動減が一巡し2017年9月以降は再びプラスになるも、2018年10月に14ヶ月振りのマイナスとなり、以後マイナス成長が続いています。
2019年1月も同▲3.7%、2月同▲12.9%、3月は同+2.3%、4月同+9.8%、5月同+8.0%、6月同▲3.2%。
7月はボリュームが小さな月ながら、7,625台で同+6.5%と2ヶ月振りにプラスを確保しました。
S90、V90の動向ですが、2019年7月はS90が4,575台(前年同月比+12.9%)、V90は1,651台(同+5.8%)、更にV90CCは1,286台(同+1.9%)と6月は全モデルマイナスになっていましたが、マイナーチェンジ効果で持ち直しました。
旧型XC60は大健闘でしたが、新型への移行期に入りXC60は順調ながらも目先ピークアウト。60シリーズ全体として力強さは無く、40シリーズもXC40は好調ながら生産能力が不足気味で、V40はマイナーチェンジ後力強さを欠いています。
新型XC90がデリバリーが始まってから4年を経過、シリーズ全体で調整局面に入ってきています。
米国、中国を狙いとしたXC90、S90はジーリーの思惑通りに成功し、中国生産も現地需要への対応で順調に拡大して来ましたが、本国Sweden、欧州ではV90、V60の販売が停滞気味と見られます。また、これまで需要を牽引してきた米国、中国のマーケット自体が縮小気味になってきている点も懸念材料です。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプレミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷を見ていると、欧州ではそれほどうまくいっている感じには見えません。
相次ぎCar of the Yearを受賞し、好調好調ともてはやされていますが、足元では90シリーズの成長一巡、XC60の新型への切り替え遅れとXC40とのバッティング、SUVモデル以外の低迷等が表面化しつつあります。
販売台数の増加は新規に追加されたXC40の純増にすべて掛かっている状況に陥っています。米国、中国の自動車販売全体の頭打ちもあり、Volvoも先行き決して楽観できる状況にはありません。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直し。8月以降は急速な回復、拡大。
2018年に入っても1月同+51.1%。2月23.9%、3月同+39.1%、4月同+48.5%、5月同+60.8%、6月同+44.7%、7月同+32.0%、8月+30.1%、9月同+14.3%、10月同+3.1%、11月同+0.3%と10月から大きく減速。12月は同▲39.2%と大幅なマイナスとなってしまいました。
2019年1月は前年の旧正月の反動で同+2.2%と小幅増加も、2月は逆に旧正月で同▲24.2%と大幅なマイナス。3月は同+3.0%と小幅プラス確保も、4月は再び同▲19.3%と大幅なマイナス。5月も同▲26.6%、6月も同▲29.3%になってしまいました。
そして7月も9万1,735台(同▲24.0%)と大幅なマイナスが続き、販売不振が強まってきています。