現地時間6月2日にVolvo Car Groupの2017年5月のグローバル販売の状況が発表されています(^^;;
2015年後半から販売が本格化した
新型XC90発売による新車効果が一巡し、続くS90、V90の伸びがやや鈍く、V70等販売終了モデルや既存モデルの減少を補い切れず2016年10月以降前年同月比マイナスが続いていました。
しかし、復活していた米国の回復一巡の影響は大きいものの、
中国の好調持続と地元Sweden、欧州の持ち直し等から、グローバルでは1月に4ヶ月ぶりの前年同月比プラスに転換し、
以後5ヶ月連続で回復が進んでいます。
5月もボリュームが大きな月ではありませんが
欧州、地元Swedenが底打ち回復はしているものの、あまり力強さが無いのが気掛かりながら、中国の好調継続に加えて、ようやく
米国も底打ちし、同+12.2%と2ヶ月連続で2桁増を確保しました。
中国は2016年4月に前年同月比▲6.7%と減少するなど
再び調整気味でしたが、8月に同+37.0%と底打ちし、9月同+27.8%、10月同+17.4%、11月同+12.8%と2桁で回復。
12月はパイが大きいため伸び率は同+3.6%と減速も、
2017年1月は同+15.7%と、
2月同+20.8%、
3月同+20.6%、
4月同+38.3%
と2割増を維持。
そして
5月も9,779台で、同+38.8%と2ヶ月連続で4割近い増加となりました。特に現地生産のS90、XC60、S60Lの需要が強いとの事です。
長年苦戦を続けていた米国は、XC90の販売本格化から2015年以降復活し、大幅な回復が続きましが、
2016年に入ると新車効果が一巡し
増勢は維持しているものの伸び率は減速。
2016年10月は、同▲14.6%の2桁減と23ヶ月振りのマイナスとなってしまいました。
11月同+11.9%、12月同+8.4%と一時回復し、月間1万台の大台乗せを達成しましたが、その後は再び減少傾向となり、
2017年1月は同▲18.2%、2月▲11.6%、3月同 ▲21.9%の2桁減となりました。
ただ、
4月は同+15.4%と持ち直し、
5月も7,574台の同+10.4%と2桁増を維持しています。XC90とXC60が中心ですがXC90の新車効果一巡による反動減をXC60の健闘でカバーしているようです。
米国マーケット自体が頭打ちになって来ていますので、S90、V90の動向とともに、再び回復基調を維持できるのかが注目されます。
本国Swedenは、2015年6月以降、同年10月と2016年1月、5月を除いて2桁増が続き、中でも2015年11月、12月には4割以上の増加。2016年に入っても好調を維持していました。
しかし、
2016年7月に同▲11.2%とマイナスに転じて以降は調整が続き、11月には同▲20.6%、12月も同▲14.9%と不振が目立っていました。
ただ、2017年1月に7か月振りに同+15.2%と増加に転じ、2月同+7.0%、3月同+10.5%と回復が進んで来ました。
4月は同+1.4%の微増に留まりましたが、
5月は7,032台で同+7.4%とまずまずでした。
今後の趨勢が注視されます。
モデル別の販売で、V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。特にマイナーチェンジモデル本格納入開始前の調整か、8月に同▲22.7%の大幅減となりました。
その後、大掛かりなフェィスリフト効果が現れ10月に一時的に持ち直しの動きも見えましたが、
40シリーズ合計で11月同▲6.1%、12月同▲11.6%、2017年1月も同▲7.8%と3ヶ月連続でマイナスが続いてしまいました。
しかし、マイナーチェンジモデルの販売が本格化してきたのか、2月は同+3.4%と増加に転じ、3月同+4.4%、4月同+2.9%と着実な増加となっています。
5月も7,997台の同+2.1%と安定しています。
引き続き最量販車種はXC60で、15,639台(前年同月比+30.0%)とモデル末期ながらも大健闘を続けています。お買い得で熟成の進んだClassic Model投入が功を奏しているものと思われます。
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になり、一部販売が開始されています。XC90とは異なり、新たなデザイン言語に現行モデルのイメージも引き継いだ正常進化という感じですので、現行モデルの販売に急ブレーキが掛かることも無く順調な販売が続いている様です。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、本格デリバティーから1年半ほど経過し、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなってしまいました。
2016年12月は1万台の大台を超えて過去最高の月販台数1万70台(前年同月比+9.7%)を記録しましたが、9月同+87.8%、10月同+12.5%、11月同+15.9%、12月同+9.7%、2017年1月は同+4.7%と減速。
2月は同▲17.4%、3月同▲10.3%、4月同▲21.0%の2桁減になってしまいました。
5月は6,647台で同▲1.0%とようやく反動減が一巡してきた感じです。
XC60は大健闘で、V40も底打ち安定していますが、販売終了する70シリーズの減少が大きく、モデル末期に入ってきたS60、V60の減少も大きくなってきています。
新型XC90が本格デリバリーが始まってから2年目に入り、前年比でマイナスになっているため
S90、V90にうまく繋げて行く必要がありますが、グローバル販売は
やや伸び悩み気味の感があります。
米国、中国を狙いとしたXC90はジーリーの思惑通りに成功し、中国生産も現地需要への対応で順調に拡大している様ですが、
本国Sweden、欧州ではあまり戦略がうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、
米国マーケット自体が頭打ちから縮小気味になってきている点も懸念されます。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプテミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷、S90、V90の立ち上がりを見ていると、それほどうまくいっている感じには思えません。
V40のマイナーチェンジを含めて、プレミアム化を狙った価格水準引き上げが販売台数の低迷に繋がってしまった様に感じられます。行き過ぎたプレミアム志向はやや見直しが図られている感じがあり、そのため販売が持ち直しつつある感じもします。
今後は欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として3月7日にGeneva Auto Showで発表され、一部生産販売が開始されているNew XC60の本格販売が、どのように推移してくるのかが注目されます。
なお、上海Motor Showで発表すると言われていたXC40は、開発の遅れから発表が見送られてしまいました。
XC90の減少を補うべくS90、V90の動向ですが、2017年5月はS90が販売13か月目で3,171台、V90は販売開始11か月目で2,954台、更にV90CCは発売6か月で1,843台で、ニッチモデルにしては検討しています。
S90はXC90ほど台数は出ないでしょうが、やや立ち上がりが鈍い感じがあります。V90の方はまずまずの立ち上がりとみられますが、それほどの力強さは見られません。ただ、V90CCの評判の良さ、立ち上がりの健闘は光るものがあります。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直しの動きを見せています。8月前年同月比+68.9%、9月同+81.6%、10月同+94.3%、11月同+99.4%、12月同+101.8%と急速な回復、拡大。
2017年1月も11月、12月に続いて10万台の大台を突破し、10万2,653台(同+70.8%)、2月は88,976台(同+167.0%)、3月86,952台(同+74.2%)、4月86,727台(同+94.5%)と大幅な伸びが続いています。なお、5月の販売台数はまだ発表されていません。



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Posted at
2017/06/04 23:28:54