XC90とXC60が販売の中心ですが、XC90の新車効果一巡による反動減が一服し、XC60の新旧切り替えで新型の貢献が本格化してきている様です。米国マーケット自体は頭打ちになってっていますが、Volvo車の販売は新型XC60の販売本格化による底打ち回復が期待されます。
VOLVO CAR GROUPの開示変更により、2018年1月から低迷していた本国Sweden単独での開示が無くなってしまいました。また欧州も従来は中東を含めたEMEAで集計されていましたが、1月からは集計範囲が狭まりEuropeでの集計となっています。
EMEAでも本国Sweden同様低迷気味でしたが、2018年1月のEuropeは、他の地域同様にボリュームは小さいものの同+11.7%と2桁増を確保。2月はボリュームは小さいものの、同+8.4%。3月はボリュームが大きい月ですが同+0.9%の横ばい、4月はボリュームが小さい月ですが同+3.1%の小幅増加と再び減速してきています。5月もボリュームが小さい月ですが同+1.7%の小幅増継続。
そして6月はボリューム月ですが、33,213台の同+11.2%と半年振りの2桁増となりました。XC60に加えてXC40の本格出荷が貢献してきていると見られます。
【モデル別販売動向】
モデル別の販売で、V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。
マイナーチェンジモデルの販売が本格化してきたのか、2017年2月以降はようやく安定した推移となりましたが、XC40の発売が近づきつつある事が影響したのか、6月以降は再びマイナスに転じてしまいました。9月21日に新型XC40が発表され、様子見姿勢が強まってしまったものと思われます。
2018年1月からXC40の販売が開始され、New Modelで純増になっていることから貢献が始まっています。2018年1月の40シリーズ全体の販売台数はボリュームが小さい月で、前年同月比では+13.2%と8ヶ月振りのプラス。2月もボリュームは小さいながら同前+20.0%を確保。3月はボリュームが大きい月ながら同+25.0%を確保。4月はボリュームが小さな月ですが同+59.3%の大幅増。
そして、6月は1万3,556台で、同+43.7%の大幅増となりました。XC40が本格的に貢献してきている一方で、従来の40シリーズモデルの販売減少が大きくなって来ており、伸び率は若干スローダウンしています。
XC40の販売はまだ始まったばかりですが、1月395台、2月1,580台、3月4,261台、4月5,554台、5月5,413台、6月6,538台と順調に成長し始めています。
今後XC40が、旧世代となる既存の40シリーズにどの様に影響するかが注視されます。
これまでモデル末期でも最量販車種の座を維持してきたXC60ですが、New XC60の出荷が本格化し、10月以降販売減少が強まり、
2018年1月は782台(前年同月比▲93.1%)、2月は384台(同▲99.6%)、3月377台(同▲98.0%)、4月213台(同▲96.9%)、5月171台(同▲98.9%)、6月70台(同▲99.6%)と大幅な減販となってしまいました。
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になり、8月以降販売が本格化して来ています。
新型XC60の販売台数は、6月は販売開始14ヶ月目で19,534台と急速に立ち上がり、旧型に代わって11月からXC90も抜いて最量販車種となりました。
その他中国生産のS60Lが引き続き好調ではあるものの、XC60の旧モデルの減少の大きさは大きく60シリーズ全体では24,720台で同+7.5%に留まっています。
一部XC40とのバッティングも出ているのではないかと見られます。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、
本格デリバティーから2年目に入り、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなり、8月までマイナスが続きました。
ただ、ようやく初期需要の反動減が一巡し、9月以降は再びプラスに転じてきています。
2018年1月も同+4.0%となり、2月は同+32.1%、3月同+25.1%、4月同+13.1%、5月同+20.0%と回復。
6月も9,476台で同+18.9%と着実に回復しつつあり今後の動向が注視されます。
S90、V90の動向ですが、2018年6月はS90が販売26か月目で5,561台、V90は販売開始24か月目で3,593台、更にV90CCは発売18か月で2,521台。
S90は中国生産集中で中国での販売が好調な様です。しかし、欧州で主力となるべきV90の伸び悩みが顕著で、逆にニッチモデルのV90CCが健闘している状況です。
以上の結果、6月は90シリーズ全体では21,151台で同+20.2%となり、シリーズ全体でもやや伸びが一巡し減速しつつあります。
旧型XC60は大健闘でしたが、新型への移行期に入り、
V40もマイナーチェンジ後力強さを欠き、XC40投入で様子見姿勢が強まっていました。
新型XC90がデリバリーが始まってから4年目に入り
ようやく初期出荷の反動減から再拡大を初めて来ており、
S90も中国販売が好調で順調に拡大してきています。
ただ、欧州で主力になるべきV90のグローバル販売がやや伸び悩み、シリーズ全体でも伸びが一巡しつつあります。
米国、中国を狙いとしたXC90、S90はジーリーの思惑通りに成功し、
中国生産も現地需要への対応で順調に拡大している様ですが、
本国Sweden、欧州ではV90の販売が停滞気味と見られ、戦略がうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、
米国もマーケット自体が縮小気味になってきている点も
懸念材料です。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプレミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷、V90の立ち上がりを見ていると、欧州ではそれほどうまくいっている感じには見えません。
今後は欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として販売が開始されているNew XC60の生産・販売販売拡大、1月から販売が開始され市場が拡大しているコンパクトSUV市場に投入されたNEW XC40がどのように推移してくるのかが注目されます。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直し。8月以降は急速な回復、拡大。
2018年に入っても1月同+51.1%。2月はやや減速し23.9%の伸びとなっていますが、旧正月が1月から2月にズレた影響が大きいと見られ、1月の5割増ができ過ぎで依然好調を維持しているものと見られます。
3月同+39.1%、4月同+48.5%、5月は12万3,068台(同+60.8%)となり、依然好調を維持しているものと見られます。なお、6月はまだ発表されていません。