DEZOLVEは今時珍しい若手J-FUSIONグループで、2014年結成で、2016年デビュー。
北川翔也(g)、友田ジュン(Key)、小栢伸五(b)、山本真央樹(dr)の4人から成り平均年齢25歳の若手。
2016年に1st Album『DEZOLVE』、2017年に2nd Album『SPHERE』、2018年に3rd Album『PORTRAY』でキング・レコードからメジャー・デビュー。そして2019年2月13日に4th Album『AREA』をリリース。
メンバーそれぞれが、ジャンルにこだわらずにStudio Musicianや、多くのアーティストのサポート・メンバーとしても活動し、Solo Album等も出しているので、演奏テクニックと楽曲のクオリティには定評があります。
Jazz Life等の雑誌でグループ名を目にして、多少聴いたことはあったのですが、4th Album「AREA」がリリースになり、あらためてちゃんと聴いてみました。
ゲストに元T-SQUAREの本田雅人が参加した事もあり、非常にクオリティの高い出来となっていました。
J-FUSIONなのでT-SQUAREに似通った部分はあるものの、最近のT-SQUAREを凌駕していると感じる部分もり非常に気に入りました。
そして、リリース・ツアーが予定されており、東京は4月20日(土)に目黒Blues Alley Japanでの開催で、唯一本田雅人がゲストで参加するとの事だったのでチケットを取りました。
目黒Blues Alley Japanは、今回初めて行きましたが、目黒駅から徒歩3分ほどで、Business Hotelの地下1階に併設されたライブ・レストラン、JAZZ CLUBでキャパは150人ほどの様です。
音響は比較的しっかりしているものの、ステージがコーナーに3角形に配置されており、中央付近に柱があり死角が生じてしまうるのが大きな欠点になっていました。そのため左右のスクリーンと柱の裏のLCD TVにステージの映像を投影してカバーしていました。
いくつかパターンがある様ですが、テーブルのS席、A席、立ち見が設定されていて、テーブルだと料理を注文するプレッシャーがあるので、手軽に立ち見でチケットを予約しました。立ち見だとドリンク注文も義務ではありませんでした。
HPより
座席は9割弱の入りで立ち見は数人いた様ですが、1st Stageは座席に若干空きがあり、追加料金500円でテーブルに移る事が出来るとの事でした。
でも、ドリンク注文するのも面倒だったので立ち見のままにしましたが、他の数名の方々はいずれもテーブルに変更した様で、結局立ち見は1人だけでした。テーブルの後ろで、入り口の受付とBarの近くで店員の方々と並んで見てました。
FUSION系のコンサートは、JAZZ、プログレ同様に総じて観客の年齢層がかなり高いのですが、
若手J-FUSIONグループのDEZOLVEはかなり年齢層が下がると思っていました。
しかし場所柄かジャンルの問題か、予想外に年齢層はかなり高く、60代以上と見られる方々も結構いらっしゃいました。所々若い方が混じってはいるものの、
平均で軽く40代に入る感じでした。ただ、
女性は若干多めで4割弱という感じでした。
開場14:00過ぎ、開演15:00。1時間近く空き時間があり、飲食タイムですが、立ち見は、ただ突っ立って待っているだけ。控え室の出入り口が受付近くにあって、本田雅人がちょこちょこ出入りしていたのですが、黒のTシャツ姿て地味な格好をしていたためか、DEZOLVEのメンバーが出入りしていなかったためか、誰も気付かずにスルーしていました。
ライブはほぼ開園時間にスタート。SEが5分ぐらい流れてメンバー入場し演奏開始。
そして1曲目は『AREA』のオープニング曲「Birth of Earth」からスタート。
FUSIONとしては珍しく、約9分の壮大な大作ですが、概ねCDに忠実に演奏。やや演奏に粗さは感じられるものの、テクニックはしっかりしていて、稀有なJ-FUSIONグループの若々しい演奏を聞く事ができました。
また、特徴的だったのが、FUSIONグループとしては珍しく、曲説明を中心にMCが非常に長く、全体の1/4ぐらいがMCでした。ゲストの本田さんもMCが長いのに驚いていましたが、一緒になって世間話を繰り広げていました。
そして本田さんも絶滅危惧種のFUSION界に良くこんな若手グループが出てきたなと感心していました。
そして再び『AREA』から、2曲目にDEZOLVEとしては珍しい8ビートのRock Sound曲と言っていた「Beat The Moments」、3曲目はアコースティックなバラード曲の「Trapezist」を演奏しました。Bassはスタンド固定したFlettless Bass。
4曲、5曲目は過去の曲と言いながら、昨年リリースの3rd Album『PORTRAY』からFUSIONらしいバラード曲「Insomnia」とハードなビートでSlap Bassを駆使した「Disasters」。
後半戦でいよいよ本田雅人登場。
『AREA』から6曲目「Vista」でAlto Sax、7曲目「Fairy Garden」でFluteを演奏。
本田雅人は初めてライブの現場で見る事ができましたが、Alto Saxのテクニック、音色は予想を上回る素晴らしさで、正直T-SQUAREで人気、知名度の高い伊東たけしを凌駕しているのをあらためて現場で実感しました。Fluteは楽曲に合ってはいるものの、テクニック的には普通でしたが。
そして、8曲目には何と本田雅人がT-SQUARE在籍時の『NEW-S』から「Megalith」を演奏。DEZOLVEとの共演曲以上の難曲で、よりテクニックが映える感じでした。
9曲目はDEZOLVEのデビューアルバム『DEZOLVE』から「Circus」を共演。Alto Saxに加えてBalitone Saxも吹いていました。
ラスト10曲目は『AREA』に戻って「Last Colony」でEWIを演奏。
一旦楽屋まで戻ってアンコールでDEZOLVEの4人がステージに戻ってきて演奏するかと思ったら、再度本田雅人も呼び出し『AREA』から軽快なFUSIONナンバーの「Soaring」で再びEWIを演奏。
EWIはWind Synthesizerで、誰が吹いても音色はプリセットの音色からそれほど大きくは変わらず、そこそこ変わらない演奏ができますが、ブレスコントローラーの息の調節以上に細かな微妙なニュアンスの調整を行っていて、さすがプロはEWIを演奏してもここまで違いを出せるのかと驚きました。
2部制の1st Stageだったので、1時間強から長くて90分程だろうと思っていたら、アンコールを含めてキッチリ120分のライブでした。MCが長かったので実際の演奏自体は90分ほどだったと思われますが。
初めてライブで観たDEZOLVEの4人のメンバーそれぞれの若々しいテクニカルなFUSION Soundと、同じく初めてライブで観た本田雅人の凄いテクニックと素晴らしい音色を堪能する事ができました。また機会があったら是非観に行きたいと思いますし、今のT-SQUAREを凌駕している部分もあると思われますので、是非とももっと有名になって大きなホールでも演奏できるように成長して行ってもらいたいと思います。
また、FUSIONだからと言って年寄りばかりではなく、彼らと同年代の若い方々にも、もっともっと浸透して欲しいなと思いました。
【Setlist】
SE
01.Birth of Earth「AREA」
02.Beat The Moments「AREA」
03.Trapezist「AREA」
04.Insomnia「PORTRAY」
05.Disasters「PORTRAY」
06.Vista「AREA」feat.本田雅人(Alto Sax)
07.Fairy Garden「AREA」feat.本田雅人(Flute)
08.Megalith「NEW-S
(T-SQUARE)」feat.本田雅人(Alto Sax)
09.Circus「DEZOLVE」feat.本田雅人(Alto Sax,Balitone Sax)
10.Last Colony「AREA」feat.本田雅人(EWI)
Encor
11.Soaring「AREA」feat.本田雅人(EWI)
DEZOLVE 4th Album "AREA" Release Tour 2019
○3/11(月)米子AZTiC laughs
○3/12(火)名古屋Bottom Line Cafe
○3/13(水)京都Rag
○3/14(木)大阪Mister Kelly's
○4/6 (土)川口SHOCKON
○4/20(土)目黒Blues Alley Japan
追加公演
○5/12(日)六本木クラップス
【1st Album『DEZOLVE』】2016年2月9日発売