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プログレねたで、特にマニアックな領域に入りますのでスルーして下さい。

オヤジの大人買いを狙ったプログレッシブ・ロック、ユーロピアン・ロック、ブリティッシュ・ロック関連の再発が相次いでいます。

CDパッケージ中心の前近代的な仕組みを維持しようとして経営の苦しい日本のレコード会社が苦肉の策として、未だにCDを熱心に買ってくれているオヤジ世代を狙い撃ちして、高額の再発シリーズを乱発して何とか生き残りをはかろうと言うのでしょうか？

世界的には先進国を中心に既に配信が主流となり、音楽産業が底打ち回復の兆しを見せて来ているのですが、日本の音楽業界は未だに鎖国状態で国内アーティスト、海外アーティストの国内版高額CDの販売を中心にして衰退を続けています。

King Crimsonを始めとしてPaul McCartney、Led Zeppelin等巨額BOXセットの発売も相次いでいます。
加えて紙ジャケ、リマスター、SHM-CD(or SACD)仕様、Bonus Truck付き再発攻撃も相次いでいます(>_<)。

プログレの有名どころではU.K.、Eddie JobsonのAlbumが一通り高額の紙ジャケで再発されました。何と国内盤SADC仕様が税込み¥4,629、プラチナSHM-CD仕様が¥3,909、SHM−CD仕様が¥2,880という手の込み様です。
Bonus Truckは単なるSingle Editですので明らかに割高ですね。

だいぶ話が逸れてしまいましたが、紙ジャケ再発の中で注目されるのが、プログレ、ブリティッシュロック衰退期に結成された悲運の実力派グループのIt Bitesです。
10月29日に初期の4作品が紙ジャケ、リマスター、SHM-CD、Bonus Truck入りの公式に則って再発されます。

It Bitesはまさにプログレ衰退期の1986年デビューのイギリスのグループで一般的にはNeo Progre、Pomp(大げさな) Rock等に分類されていました。ブリティッシュロックとプログレッシブロックを兼ね合わせたバカテク実力派グループで、日本ではあまり知られていませんが、一部に根強い人気がありました。
変拍子、早弾きを駆使して10分を超える長尺物の曲もありプログレ的ではありますが、決して難解にならずPOPでメロディアスな面も兼ね備えた他に例え様が無い独特の存在感を放っていました。

ただそれが分類したがる音楽業界、音楽ファンに理解しづらい面を与えてしまい、素晴らしい実力派グループであったにもかかわらず、一部のマニア人気に留まり、3枚のAlbumを残してLeaderのFrancis Dunneryが脱退し1990年に解散の憂き目に合ってしまいました。
見た目はDuran Duran等のビジュアル系にも通じる所もあり、一層捉えづらく見られてしまった面もある様です。

当時小林克也の「ベストヒットUSA」を見ていて、イギリスの若手実力派グループとして紹介され7分にもわたる「Old Man and The Angel」のプロモーションVTRが流されました。
何だこのグループは？かなりプログレっぽい凄いグループが出て来たものだとビックリして、グループ名をメモしてさっそくCDショップで探し出して「Once Around The World」のAlbumを買って来た覚えがあります。

解散直前の1989年に1度だけ来日を果たしています。
当時駆け出しサラリーマンだったprogre-fanは浜松町の郵便貯金ホール(現メルパルクホール)のコンサートに参加してきました。
ビジュアル系的な要素があったので、曲はかなりプログレなのにコンサートは当時の女子高生が主体を占め黄色い声援が飛ぶという、スーツを着たサラリーマンには場違いな、異様な雰囲気のコンサートでした。


再結成を望む根強い日本のファン等がメンバーとの交流を続け、2003年になって自主製作でLive In TokyoのDVDとLive in MontreuxのCDが発売され(2005年には大手のレコード会社からも発売され直しましたが)、Original Memberでの再結成も計画されていましたが、最終的にFrancis Dunnery(Guitar,Vocal)が参加を見合わせ実現に至りませんでした。

しかし、残りのMemberであるJohn Beck(Key)、Dick Nolan(Bass)、Bob Dalton(Drums)がその後も再結成を模索し、2006年に新たにJohn Mitchell(Guitar,Vocal)を迎えて再結成を実現しました。

John MitchellはJohn Beck、Bob DaltonとともにJohn WettonのSolo ConcertのMemberとして活動し、KINOというグループではJohn Beckとともに活動していました。他にもArena、Frost*などのグループでも活動を続けています。
見た目はかつてのFrancis Dunneryとは似ても似つかない単なるオッサンですが、Guitarテクニックは素晴らしくハスキーなVocalもFrancis Dunneryに通じる物があります(今のFrancis Dunneryはかつての面影は微塵も無いデブのハゲオヤジになっていますが)。

元々John MitchellはIt Bitesのファンで、自ら楽曲のコピーを行っていた事から非常にスムースにグループに溶け込み「The Tall Ships」(2008年)、「Map of the Past」(2012年)の2枚のOriginal Albumを発表しています。2009年７月、2010年3月、2012年10月と3度来日して現在も活動を続けています。

今回再発されるのは初期のOriginal Album３枚とLive Album1枚で2006年にも紙ジャケで再発されています。

■Big Lad In The Windmill


1．I Got You Eating Out Of My Hand
2．All In Red
3．Whole New World
4．Screaming On The Beaches
5．Wanna Shout
6．Turn Me Loose
7．Cold, Tired And Hungry
8．Calling All The Heroes
9．You’ll Never Go To Heaven
10．The Big Lad In The Windmill

Bonus Trucks
11．Calling All The Heroes (7” Version)
12．Strange But True
13．Heartbreaker

■Once Aroud The World


1．Midnight
2．Kiss Like Judas
3．Yellow Christian
4．Rose Marie
5．Black December
6．Old Man And The Angel (Full Length Version)
7．Hunting The Whale
8．Plastic Dreamer
9．Once Around The World

Bonus Trucks
10．Old Man And The Angel (7” Single Version)
11．Castles (12” Full Length Version)
12．Staring At The Whitewash
13．Kiss Like Judas (12” Extended Mix)

■Eat Me In St.Louis


1．Positively Animal
2．Underneath Your Pillow
3．Let Us All Go
4．Still Too Young To Remember
5．Murder Of The Planet Earth
6．People Of America
7．Sister Sarah
8．Leaving Without You
9．Till The End Of Time
10．The Ice Melts Into Water
11．Charlie

Bonus Trucks
12．Vampires
13．Having A Good Day
14．Reprise
15．Bring In The Barrel
16．The Woman Is An Addict

■Thank You And Goodnight -live


1．Kiss Like Judas
2．All In Red
3．Underneath Your Pillow
4．Murder Of The Planet Earth
5．The Ice Melts (Into Water)
6．Yellow Christian
7．You’ll Never Go To Heaven
8．Calling All The Heroes
9．Screaming On The Beaches
10．Still Too Young To Remember

Bonus Truck
11．Screaming On The Beaches