そんなProgressive Rock衰退期に当たる80年代の必聴Progressive Rock Album 10選(順位は付いていません)ですが、あらためてラインナップを眺めてみると、衰退期に生き残りをかけた5大Groupの変形や、短くわかりやすくして売れ線を狙った産業Rock化、形式美を継承したNEOプログレ Groupの台頭等様々な変化が確認でき、懐かしく、興味深い感じがします。
RUSH – Moving Pictures (1981)
CanadaのProgre Hard グループであるRUSH。1968年結成で1974年デビュー。一時の活動休止期間を除いて活動を継続。2015年に結成40周年記念のラストツアーになると表明してR40を実施。
選ばれた作品は、1981年リリースの「Moving Pictures」は、最も売れたAlbumで最高傑作と言われています。
Supertrampは1968年結成、1970年デビュー。当初プログレ色が濃かったものの中核メンバーのRichard Davies(Vocal,Keyboard)とRoger Hodgson(Vocal,Guitar,Keyboard)を除くメンバー交代により徐々にPops色を強め、1979年リリースの「Breakfast in America」が米Billboard Chartで1位を獲得。
Roger Hodgsonは1982年の「...Famous Last Words...」リリース後脱退。続く1985年リリースの「Brother Where You Bound」には参加しておらず、Sales的にも大きく後退しています。
16分に及ぶTitle TrackにThin Lizzy’s Scott GorhamとPink Floyd’s David Gilmourが参加していることから選ばれたようですが、殆ど聞いたことがありません。
1988年に中心人物のVocalistであるFishが脱退し、Steve Hogarthに交代。徐々に人気が下降し、インディーズレーベルに移籍したり自主制作でNet通販を行ったり、Cloud Fundingを行ったりしながらも活動を継続。
2000年には再びメジャーレーベルEMIと契約するもその後再びインディーズレーベルで活動。2016年9月23日にはPledgeMusicのCloud Fundingを利用して制作したStudio Original New Album「Fuck Everyone And Run (F.E.A.R)」が発売される予定です。
Emerson Lake & Powell – Emerson Lake & Powell (1986)
【Emerson, Lake and Powell - Touch and Go】
ELPはELPでもEmerson, Lake & Palmerではなく、Emerson, Lake & Powellです。Carl PalmerがASIAに参加していたため、Hard Rock系の伝説のDrummerであるCozy Powellに声を掛けてAlbumを制作しました。ELPは実質的に全てKeith Emersonが仕切っていたグループで、Greg LakeのVocalが加われば問題なくELPとしての作品が完成され、Cozy PowellはCarl Palmerよりも遥かにテクニック、パワーとも優れたDrummerでしたので優れたAlbumになっています。
ただ、Cozy Powellは1つのグループに長居しないのが玉に瑕で、結局1枚のStudio AlbumとLive Tourを行っただけで脱退してしまいまいした。元々音楽性が違うので仕方がありません。
Pink Floyd – A Momentary Lapse Of Reason (1987)
【Pink Floyd - Learning To Fly】
リーダーのRoger Waters脱退後、David Gilmourが残った3人でPink Floydを継承して、1987年にStudio Original Album「A Momentary Lapse Of Reason」をリリース。Concept的には弱まるも、音楽性はPink Floydそのもので、正当な後継として一定の評価を獲得、World Tourも大成功。
悲運の実力派グループのIt Bitesが入っているのは非常に喜ばしいことです。1982年結成、1986年デビューのNEOプログレ・グループですが、Marillionに比べてデビューがやや遅れ、プログレが一段と衰退していた時期に入っていたことからやや不利な状況にありました。
加えて、プログレの枠に収まりきらないRock、Popsの要素を兼ね備えた独自の音楽性、ビジュアル系的な扱いを受けて実力が正当に評価されなかった面もありました。 1988年リリースの2nd Album「Once Around The World」は、最も高い実力と音楽性が発揮された名Albumです。
2003年にOriginal Memberによる再結成が模索されるも結局実現せず。2006年にFrancis Dunneryに代わってArena、Frost*、KINOのJohn Mitchellを迎えて再結成。 Studio Original Albumとして2008年「The Tall Ships」、2012年「Map of the Past」をリリースして、Live活動も行い一定の成果をあげるも、2014年以降は活動休止状態。