
ご存知の方も多いと思いますが、
VOLVO CARSが11月2日に中国における生産戦略を発表しました。
VOLVO CAR JAPANは、国内販売への影響を懸念してか、見て見ぬ振りをして、今回の情報は翻訳せず
スルーしています。
しかし、日経やResponse等が報道を行ったことから物議を醸しています(>_<)。
中国工場の生産能力を増強し、
同国を欧州、米国、アジアに車両を輸出するグローバル市場向けの生産ハブ拠点とするとのことです。中国の3工場でそれぞれ特定のシリーズモデルを生産し、効率の良い生産体制を構築する計画です。既に2015年から中国工場で生産した「S60L」が米国向けに輸出されています。
そして、
中国北部の黒竜江省の大慶工場では、「SPA(Scalable Product Architecture)プラットフォーム」をベースにしたプレミアムセグメントの「90シリーズ」を生産する計画で、時期は特定していませんが、
将来「S90」の生産を欧州から中国に移管するとしています。
また、
中国西部の四川省の成都工場では、SPAプラットフォームをベースにした中型モデル「60シリーズ」を生産する計画です。
更に、上海から南へ約350キロメートルに位置する
浙江省台州市路橋区に建設中の新工場では、「CMA(Compact Modular Architecture)プラットフォーム」をベースにした「40シリーズ」を生産する計画です。
路橋区の工場は、浙江吉利控股集団が所有する工場で、
VOLVO CARSが運営を行う計画との事です。同工場では、
CMAプラットフォームベースの「40シリーズ」に加え、浙江吉利傘下の吉利汽車が10月に発表したCMAプラットフォームを共用する「LYNK&CO 01」も混流生産生する計画です。
EUではスウェーデンとベルギーに工場がありますが、
スウェーデンのイェーテボリ工場では、引き続きSPAプラットフォームベースの「90」シリーズと「60」シリーズのモデルを生産。
ベルギーのゲント工場は将来的にCMAプラットフォームベースのモデルに特化した工場とし、新型「40シリーズ」を生産する計画です。
VOLVO CARSは、このほか
米国South Carolina州に建設中の新工場では、SPAプラットフォームベースの車両を生産し、米国市場および輸出向けに出荷する計画です。
VOLVO CARSは、
中国でも「グローバルな生産戦略の下で、高水準の品質コントロールを提示する」としていますが、現地の従業員をどこまでシッカリとコントロールして生産管理できるのか、未知数で不安が残ります。
中国の食品、工業製品の品質に対する疑念はまだまだ強く、とりわけ
高額で人命にも関わる自動車では特に懸念する声が多く聞かれます。VW、AUDI、GM等の欧米系の中国合弁会社は、もっぱら中国国内向けの現地生産拠点の位置付けで、現時点で中国からの輸出は視野に入れていないと見られます。
特に日本では中国生産車に対するアレルギーは強いのではないかと見られ、VOLVO CAR JAPANも販売への悪影響を懸念して、コスト的に優位であっても中国生産車は扱わず、
引き続きスウェーデン、ベルギーからの輸入継続を強く要請するのではないかと思われます。
Posted at 2016/11/18 21:16:58 | |
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