VOLVO CAR GROUPが本国Swedenの2月8日に
2016年度(1〜12月)の決算を発表しました。
フラッグシップの
新型XC90の本格寄与、米国、中国の好調から、前年度比で一段と収益性の改善が進んでいます(^_^)
売上高は1,806億7,200万Sweden Kronor(約2兆2,945億円)
前年同期比+10.1%。
営業利益は110億1,400万Sweden Kronor(約1,398億円)
同+66.4%と大幅な総収増益が続きました。
売上高営業利益率は6.1%で、
まだ決して十分な水準とは言えませんが、大幅な設備投資を行いながら前期の4.0%からは大きく改善させています。
グローバルには売上高営業利益率が10%を超えている企業も多く、
トップクラスのPORSHE、SUBARU、BMWは20%近くに達していますが、中堅スペシャリティメーカーとしては十分再生産可能な水準を確保できているのではないかと見られます。
VOLVO CAR GROUPの2016年度のグローバル販売台数は、53万4,332台で
前期比+6.2%となりました。
市場別では、
中国が一時的な調整を脱し再び回復、再成長を示しています。
販売台数は9万930台、
前期比+10.3%と再び2桁増を確保しました。
そして、
米国がXC90の販売好調による復活から、本国Swedenを抜いて中国に次ぐ市場規模になっています
。販売台数は8万2,726台で同+18.1%と急回復しています。
本国SwedenもXC90中心に上半期までは2桁増と好調でしたが、新車効果一巡の影響か下期失速し調整局面に入ってしまいました。販売台数は7万268台で同▲1.3%と小幅ながらも前年割れとなってしまいました。
Swedenを除く西欧も20万6,144台で同+2.5%と減速気味です。
日本はV40の初期出荷で頑張り過ぎ、その後円安による価格水準引き上げ等暫く低迷していましたが、輸入車市場の回復に加えて、
ディーゼル攻勢が成果を上げ、販売台数は1万4,543台を確保し、
前年同期比で+7.8%となりました。
車種別の2016年度の販売実績では、若干分類が統合、簡略化されてしまいましたが、引き続き
XC60がトップでモデル末期にもかかわらず、前期比0.9%と微増を確保し
16万1,092台となりました。
次いで
第2位はV40(CCを含む)で、
前期比▲4.9%とマイナスではあるものの、10万1,380台を確保しました。
そして第3位がNew XC90となり、
9万1,522台を販売し、前期比2.25倍となりました。
高額なプレミアム価格の車がこれだけ捌ければ業績にも大きく貢献するはずです。
そして第4位がS60(CC,Lを含む)で、販売台数は前期比▲3.3%の6万1,941台で、モデルライフ終盤ながら、中国を中心としたS60Lの貢献等から小幅な減少に留まりました。
第5位はV60(CCを含む)で、販売台数は前期比+1.2%の6万1,341台となりました。V60の減少をV60CCで吸収して微増を確保した格好です。
ひとまずジーリーの米国、中国向けに大きく立派に見える車を出してプレミアム価格で販売する戦略は大きな成果を上げています。
ただ、
懸念されるのはXC90の新車効果が一巡し、中国は引き続き順調に回復、再成長しているものの、
本国Swedenの販売が下期失速しており、欧州も頭打ちに入ってきています。また、
米国も若干ピークアウト感が見えてきています。
第4四半期だけの業績を見ると、売上高こそ前年同期比で6%程度増収が続いているものの、
営業利益は同8%程度減益に転じてしまっています。
プレミアムブランド化を狙って価格水準を引き上げている影響か、とりわけドイツのプレミアムブランドと直接競争する
欧州でXC90を中心に競争が厳しくなってきている可能性があります。また
下期に本格的に販売を開始したS90、V90の立ち上がりがやや鈍い感じがあり、
いかに販売を伸ばして行くかが課題です。
加えて、
2017年に発売すると公表したXC60を始めとした欧州販売の中核を担う次期60シリーズと、新たに投入するXC40の評判と収益性に今後の成長が掛かってくるものと見られます。

Posted at 2017/02/11 18:28:17 | |
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