現地時間12月4日にVolvo Car Groupの2017年11月のグローバル販売の状況が発表されています(^^;;
2015年後半から販売が本格化した
新型XC90発売による新車効果が一巡し、続くS90、V90の伸びがやや鈍く、V70等販売終了モデルや既存モデルの減少を補い切れず2016年10月以降前年同月比マイナスが続いていました。
しかし、復活していた米国の回復一巡の影響は大きいものの、
中国の好調持続と地元Sweden、欧州の持ち直し等から、グローバルでは2017年1月に4ヶ月ぶりの前年同月比プラスに転換し、
以後11ヶ月連続で回復が進んでいます。
11月は本国Swedenが2ヶ月連続のマイナスになるなど、
欧州が再び低迷して来ており、
もようやくXC90販売拡大の
反動減が一巡し回復の兆しを見せていた
米国が再び横ばいに留まってしまっているのが気になるものの、
中国が絶好調を持続しており、グローバル販売を牽引し続けています。
11月もあまり
ボリュームが大きな月ではありませんが、グローバルTotalの販売は10月に続いて1桁増の同+6.1%と8、9月の2桁増加ら1桁増に減速しているものの、11ヶ月連続の増加となっています。
中国は2016年4月に前年同月比▲6.7%と減少するなど
再び調整気味でしたが、8月に底打ちし、9月、10月、11月と2桁で回復。
12月はパイが大きいため一時減速も、2017年に入って1月同+15.7%と、2月同+20.8%、3月同+20.6%、4月同+38.3%、5月同+38.8%、6月同+30.9%、7月同+50.2%、8月同+25.9%、9月同+29.8%、10月同+29.5%と大幅な伸びを維持。
そして
11月も11,259台と1万台の大台を維持し、伸び率も同+24.1%と引き続き高い伸びを維持しています。
3月以降は中国が単一国としては販売台数No.1を維持し、一段と中国依存度が高まっています。特に現地生産のS90、S60L、XC60の需要が強いとの事です。
長年苦戦を続けていた
米国は、XC90の販売本格化から2015年以降復活し、大幅な回復が続きましが、
2016年に入ると新車効果が一巡し増勢は維持も
伸び率は減速。
2016年10月は、同▲14.6%の2桁減と23ヶ月振りのマイナスとなってしまいました。11月、12月は一時回復もその後は再び減少傾向となりました。
2017年に入っても1月同▲18.2%、2月▲11.6%、3月同▲21.9%の2桁減。
4月同+15.4%、5月同+10.4%の2桁増と持ち直しも、6月は同▲15.0%、7月同▲18.6%と再び2桁減となってしまいました。
8月に同+4.1%、9月同+40.7%、10月同+10.5%と底打ち回復の方向が見えて来ていいましたが、11月は7,854台で、同+1.7%と再び微増に留まってしまいました。
XC90とXC60が販売の中心ですが、XC90の新車効果一巡による反動減を旧型のXC60の健闘、S90の拡大でカバーし切れなくなっているようです。米国マーケット自体は頭打ちになってっていますが、Volvo車の販売は新型XC60の販売本格化による再び底打ち回復が期待されます。
本国Swedenは、
2015年6月以降、同年10月と2016年1月、5月を除いて2桁増が続き、2016年に入っても
好調を維持していました。
しかし、2016年7月に同▲11.2%とマイナスに転じて以降は調整が続き、不振が目立っていました。
ただ、2017年に入ってからは持ち直し。1月に7か月振りに同+15.2%と増加に転じ、2月同+7.0%、3月同+10.5%、4月同+1.4%、5月同+7.4%、6月同+0.2%、7月同+12.6%、8月同+49.1%、9月同+5.9%と
回復を維持していました。
しかしながら、10月に同▲3.5%と10ヶ月ぶりのマイナスとなっており、
11月も6,150台で同▲5.1%と減少幅が拡大してしまいました。欧州全体も10月の同▲4.8%から11月は同+0.7%とプラスは確保しましたが、本国同様低迷しており今後の趨勢が注視されます。
モデル別の販売で、
V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、
2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。
その後、大掛かりなフェィスリフト効果が現れ一時的に持ち直しの動きも見えましたが、装備を充実させた価格アップの影響か、力強さに欠き強弱まちまちの状態が続いていました。
しかし、
マイナーチェンジモデルの販売が本格化してきたのか、2017年2月以降はようやく安定した推移となり、同+3.4%と増加に転じ、3月同+4.4%、4月同+2.9%、5月同+2.1%と
着実な増加となっています。
ただ、
XC40の発売が近づきつつある事が影響して、買い控えの動きが出ているのか、6月以降は再びマイナスに転じています。
11月は8,708台の同▲4.0%と2ヶ月連続の2桁減から1桁減に減少幅は縮小も6かヶ月連続でマイナスが続いています。
9月21日に新型XC40が発表され、様子見姿勢が強まってしまったものと思われます。間も無く販売が開始される様ですが、
既存のV40シリーズへの影響がどうなるのか今後の動向が心配されます。
これまでモデル末期でも最量販車種の座を維持してきたXC60ですが、New XC60の出荷が本格化し、
5,831台(前年同月比▲62.6%)とさすがに大幅な減販となり最量販車種の座から下りました
。
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になり、
8月以降販売が本格化して来ています。
新型XC60の販売台数は、販売開始7ヶ月目で8,899台と急速に立ち上がり、旧型に代わってついに最量販車種隣ました。今の所旧型の減販▲9,779台は補いきれていないもののスムーズにシフトが進んで来ています。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、
本格デリバティーから2年目に入り、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなってしまいました。
2016年12月は1万台の大台を超えて過去最高の月販台数1万70台(前年同月比+9.7%)を記録しましたが、9月同+87.8%、10月同+12.5%、11月同+15.9%、12月同+9.7%、2017年1月同+4.7%と減速。
2月以降はマイナスに転じ、同▲17.4%、3月同▲10.3%、4月同▲21.0%、5月同▲1.0%、6月同▲3.7%、7月同▲9.8%、8月同▲11.3%、9月同+1.0%、10月同+3.3%。
11月も8,415台で同+6.9%となり再拡大し始めています。
S90、V90の動向ですが、2017年11月はS90が販売19か月目で5,872台、V90は販売開始17か月目で2,585台、更にV90CCは発売11か月で1,851台。S90は中国生産集中で中国での販売が健闘している様です。しかし、欧州で主力となるべきV90の伸び悩みが顕著で、逆にニッチモデルのV90CCが健闘している状況です。欧州の販売伸び悩みが心配されます。
旧型XC60は大健闘でしたが、新型への移行期に入り、
V40もマイナーチェンジ後力強さを欠き、XC40投入で様子見姿勢が強まり本格販売待ちとなっています。
新型XC90が本格デリバリーが始まってから3年目に入り、前年比でマイナスになっているため
S90、V90にうまく繋げて行く必要がありますが、V90のグローバル販売がやや伸び悩み気味の感があります。
米国、中国を狙いとしたXC90、S90はジーリーの思惑通りに成功し、
中国生産も現地需要への対応で順調に拡大している様ですが、
本国Sweden、欧州ではV90の販売が停滞気味と見られ、あまり戦略がうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、
米国もマーケット自体が縮小気味になってきている点も
懸念材料です。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプレミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷、V90の立ち上がりを見ていると、直接プレミアムブランドと競合する欧州ではそれほどうまくいっている感じには見えません。
今後は欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として3月7日にGeneva Auto Showで発表され、販売が開始されているNew XC60の本格販売、9月発表の市場が拡大しているコンパクトSUV市場に投入するNEW XC40がどのように推移してくるのかが注目されます。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直しの動きを見せています。8月前年同月比+68.9%、9月同+81.6%、10月同+94.3%、11月同+99.4%、12月同+101.8%と急速な回復、拡大。
2017年に入っても1月同+70.8%、2月同+167.0%、3月同+74.2%、4月同+94.5%、5月同+66.9%、6月同+90.6%、7月同+87.8%、8月同+79.9%、9月同+42.2%、10月同+30.1%。
11月14万1,265台(同+37.9%)と月販14万台規模まで拡大。2ヶ月連続で月販過去最高を大幅に更新し、40%近い大幅な伸びを維持しています。
Posted at 2017/12/29 06:19:14 | |
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