現地時間3月2日にVolvo Car Groupの2017年2月のグローバル販売の状況が発表されました(^^;;
2015年後半から販売が本格化した
新型XC90発売による新車効果が一巡し、続くS90、V90の伸びがやや鈍く、V70等販売終了モデルや既存モデルの減少を補い切れず2016年10月以降前年同月比マイナスが続いていました。
1,2月は1年のうちでも販売台数が最も少ない時期で趨勢を推し量るのは難しいものの、
中国の好調持続と地元Sweden、欧州の持ち直し等から、1月に4ヶ月ぶりの前年同月比プラス転換に続いて、2月も同+5.7%と増勢を維持しました。
中国は2016年4月に前年同月比▲6.7%と減少するなど
再び調整気味でしたが、8月に同+37.0%と底打ちし、9月同+27.8%、10月同+17.4%、11月同+12.8%と2桁での回復が続きました。
12月はパイが大きいため伸び率は同+3.6%と減速も、月間で1万台の大台を突破し、
2017年1月は同+15.7%と再び2桁増、2月も5,878台と台数自体は少ないものの、同+20.8%の2桁増を維持しています。
長年苦戦を続けていた米国は、XC90の販売本格化から2015年以降復活し、大幅な回復が続きましが、
2016年に入ると新車効果が一巡し増勢は維持しているものの伸び率は減速してきています。
2016年
10月は同▲14.6%の2桁減と23ヶ月振りのマイナスになってしまいましたが、11月は同+11.9%の2桁増。12月も同+8.4%で月間1万台の大台乗せを達成しました。
2017年1,2月は不需要期で水準が低いため趨勢は見えませんが、1月同▲18.2%の大幅なマイナスに続いて、2月も4,651台の同 ▲11.6%となってしまいました。S90、V90が投入されますが、米国マーケット自体が頭打ちになってきていることから
今後の動向が注視されます。
本国Swedenは、2015年6月以降、同年10月と2016年1月、5月を除いて2桁増が続き、中でも2015年11月、12月には4割以上の増加。2016年に入っても好調を維持していました。
しかし、
2016年7月に同▲11.2%とマイナスに転じて以降はマイナスが続き、11月には同▲20.6%、12月も同▲14.9%と不振が目立っていました。
ただ、2017年1,2月は不需要期で水準が低いため転換点になるか判断しづらいものの、1月に7か月振りに同+15.2%と増加に転じ、2月も6,071台で同+7.0%となりました。
モデル別の販売で、V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。特にマイナーチェンジモデル本格納入開始前の調整か、8月に同▲22.7%の大幅減となりました。
その後、
大掛かりなフェィスリフト効果が現れ10月に一時的に持ち直しの動きも見えましたが、40シリーズ合計で11月同▲6.1%、12月同▲11.6%、2017年1月も同▲7.8%と3ヶ月連続でマイナスが続いてしまいました。ただ、2月は6,409台と水準は低いものの、同+3.4%と小幅ながらプラスに転じています。
マイナーチェンジで価格水準を引き上げた影響がグローバルでも出てしまっているのでしょうか。日本で2月1日にT2 Kineticのエントリーモデルを投入するなど、早々にテコ入れが行われているということは、マイナーチェンジが期待したほどの成果を上げていない表れなんでしょうか。何とか回復の動きが続いて欲しいものです。
引き続き最量販車種はXC60で、11,393台(前年同月比+20.9%)とモデル末期ながらも大健闘を続けています。お買い得で熟成の進んだClassic Model投入が功を奏しているものと思われますが、
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になりますが、どの程度現行型の販売を維持できるが注目です。また、
New XC60の仕上がり具合や、いつから発売になるのかも注目されます。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、
本格デリバティーから1年半ほど経過し、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなってしまいました。
2016年12月は1万台の大台を超えて過去最高の月販台数1万70台(前年同月比+9.7%)を記録しましたが、9月同+87.8%、10月同+12.5%、11月同+15.9%、12月同+9.7%、2017年1月は同+4.7%と減速。2月は5,000台で同▲17.4%の2桁減になってしまいました。
XC60は大健闘ですが、販売終了する80シリーズ、70シリーズの減少が大きく響いています。既存車種でXC60以外で健闘しているのはV60とS60Lぐらいで、それ以外の主力モデルはいずれも低迷気味です。
新型XC90が本格デリバリーが始まってから2年目に入り、前年比でついにマイナスになってしまっておりS90、V90にうまく繋げて行く必要がありますが、グルーバル販売はやや伸び悩み気味の感があります。
米国、中国を狙いとしたXC90はジーリーの思惑通りに成功しましたが、本国Sweden、欧州ではあまりうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、米国マーケット自体が頭打ちから縮小気味になってきている点も懸念されます。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプテミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州のこのところの販売低迷、S90、V90の立ち上がりを見ていると、あまりうまくいっている様には思えません。
V40のマイナーチェンジを含めて、プレミアム化を狙った価格水準引き上げが販売台数の低迷に繋がってしまっているように感じられます。
欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として3月7日にNew XC60が発表されますが4月の上海Motor Showでは、市場が拡大しているコンパクトSUV市場に投入するNew XC40が発表されます。こちらもどのようなタイミングでどのようなモデルとして投入してくるのかが、注目されます。
なお、2017年2月はS90が販売10か月目で2,141台、V90は販売開始8か月目で2,879台、更にV90CCは発売3か月でニッチモデルにしては835台と出足好調です。S90はXC90ほど台数は出ないでしょうが、やや立ち上がりが鈍い感じがあります。V90の方はまずまずの立ち上がりとみられますが、それほどの力強さは見られません。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直しの動きを見せています。8月前年同月比+68.9%、9月同+81.6%、10月同+94.3%、11月同+99.4%、12月同+101.8%と急速な回復、拡大が続いています。
2017年1月も11月、12月に続いて10万台の大台を突破し、10万2,653台(同+70.8%)と大幅な伸びが続いています。なお、2017年2月の販売実績はまだ発表されていません。




Posted at 2017/03/05 07:09:30 | |
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