現地時間8月2日にVolvo Car Groupの2018年7月のグローバル販売の状況が発表<されています(^^;;
2015年後半から販売が本格化した新型XC90発売による新車効果が一巡し、続くS90、V90の伸びがやや鈍く、既存モデルの減少を補い切れず2016年10月以降グローバル販売は前年同月比マイナスが続いていました。XC90を中心に復活していた米国の回復一巡
も大きく影響しまいました。
しかし、中国の好調持続と地元Sweden、欧州の持ち直し等から、2017年1月に4ヶ月ぶりにグローバル販売が前年同月比プラスに転換して以降は11ヶ月連続で回復。
ボリューム月の2017年12月に一時的にグローバル販売台数が前年同月比▲3.7%と12ヶ月振りのマイナスになりましたが、2018年1月は、同+24.4%と大幅回復。XC60の新旧モデル切り換えの端境期の一時的な現象であった様です。
2月は1年の中で一番ボリュームが小さい月ですが同+12.1%、3月はボリュームが大きな月ですが同+10.3%。4月もボリュームが小さな月ですが同+12.2%、5月も同+13.3%、ボリューム月の6月は、同+17.9%となりました。
そしてボリュームは小さいものの7月も、同+15.0%の5万931台と2桁増を維持しました。
中国は2016年4月に前年同月比▲6.7%と減少するなど
調整気味でしたが、8月に底打ちし、9月、10月、11月と2桁で回復。パイの大きい12月は一時的に減速も、
2017年に入ってからは20%以上での高成長が続きました。
ボリューム月の12月は一時的に同▲1.0%と20ヶ月振りのマイナスとなりましたが、2018年1月はボリュームの小さい月ながら同+38.0%と急回復。2月同+11.1%、3月同+17.6%、4月同+20.2%と大幅伸。5月は同+8.2%とやや減速も、ボリューム月の6月も同+15.6%を確保。
そして、7月はボリュームの小さい月で1万121台とギリギリ1万台の大台を確保も、伸び率は同+9.2%と若干減速しています。
2016年3月以降は中国が単一国としては販売台数No.1を維持し、一段と中国依存度が高まっています。特に現地生産のS90、S60Lが好調で、新型XC60の生産も始まり販売も好調な様です。
ただ、中国市場全体が頭打ちの傾向を示し始めており、輸入車の一部に調整の動きも出てきているため、今度の動向が注視されます。
長年苦戦を続けていた
米国は、XC90の販売本格化から2015年以降復活し、大幅な回復が続きましが、ただ、
2016年に入ると新車効果が一巡し伸び率は減速。
10月には23ヶ月振りのマイナスとなり、11月、12月、2017年4月、5月を除き
殆どマイナスが続きました。
ただ、2017年8月にプラスに転換し、再び底打ち回復が進んで来ています。ボリューム月の12月は同▲4.4%と5ヶ月振りに再びマイナスとなりましたが、
2018年1月は前年の水準が低かったこともあり同+60.5%と大幅な回復。
2月同+35.1%。
3月同+53.7%と大幅回復。
4月は若干減速も同+17.0%と2桁増は維持。
5月は同+50.6%と大幅回復。
6月はボリューム月ながら同+35.1%と大幅な伸びを維持しました。
そして7月はボリュームが小さい月ながら、8,622台の同+23.8%となりました。
XC90とXC60が販売の中心ですが、XC90の新車効果一巡による反動減が一服し、XC60の新旧切り替えから新型の貢献が本格化してきている様です。米国マーケット自体は頭打ちになってっていますが、Volvo車の販売は新型XC60の販売本格化による底打ち回復が期待され、S60の現地生産販売も開始されています。
VOLVO CAR GROUPの開示変更により、2018年1月から低迷していた本国Sweden単独での開示が無くなってしまいました。また欧州も従来は中東を含めたEMEAで集計されていましたが、1月からは集計範囲が狭まりEuropeでの集計となっています。
EMEAでも本国Sweden同様低迷気味でしたが、2018年1月のEuropeは、他の地域同様にボリュームは同+11.7%と2桁増を確保。2月同+8.4%。しかし、3月同+0.9%の横ばい、4月同+3.1%の小幅増加、5月も同+1.7%の小幅増継続。
しかし、6月はボリューム月ですが、同+11.2%と半年振りの2桁増となり、そして7月はボリュームが小さい月ですが、23,355台の同+10.1%と2桁増をキープしました。
新型XC60に加えてXC40の本格出荷が本格的に貢献してきている様です。
【モデル別販売動向】
モデル別の販売で、V40については発売後4年目に入りグローバル販売が頭打ちとなり、2016年に入ってからは前年同月比でマイナスが続いていました。
マイナーチェンジモデルの販売が本格化してきたのか、2017年2月以降はようやく安定した推移となりましたが、XC40の発売が近づきつつある事が影響したのか、6月以降は再びマイナスに転じてしまいました。9月21日に新型XC40が発表され、様子見姿勢が強まってしまったものと思われます。
2018年1月からXC40の販売が開始され、New Modelで純増になっていることから貢献が始まっています。2018年1月の40シリーズ全体の販売台数はボリュームが小さい月で、前年同月比では+13.2%と8ヶ月振りのプラス。2月同前+20.0%を確保。3月同+25.0%を確保。4月同+59.3%、5月同+40.3%、6月同+43.7%の大幅増。
そして、7月は1万5,136台で、同+110.0%の大幅増となりました。従来の40シリーズモデルは2桁減が続いていますが、XC40が本格的に貢献してきています。7月のXC40の販売台数は9,005台となり、初めて従来の40シリーズ合計の6,131台を凌駕してしまいました。
XC40の販売はまだ始まったばかりですが、1月395台、2月1,580台、3月4,261台、4月5,554台、5月5,413台、6月6,538台、9,005台と急速に成長してきています。
今後XC40が、旧世代となる既存の40シリーズがどの程度維持できるかが注視されます。
これまでモデル末期でも最量販車種の座を維持してきたXC60ですが、New XC60の出荷が本格化し、10月以降販売減少が強まり、
2018年1月は782台(前年同月比▲93.1%)、2月は384台(同▲99.6%)、3月377台(同▲98.0%)、4月213台(同▲96.9%)、5月171台(同▲98.9%)、6月70台(同▲99.6%)、7月34台(同▲99.8%)と大幅な減販となってしまいました。
3月7日にGeneva Auto ShowでNew XC60が発表になり、8月以降販売が本格化して来ています。
新型XC60の販売台数は、7月は販売開始15ヶ月目で14,231台となっており、旧型に代わって11月からXC90も抜いて最量販車種となりました。またV60の販売も開始され2ヶ月目で1,491台となっています。
その他中国生産のS60Lが引き続き好調ではあるものの、モデル末期まで売れ続けた
XC60の旧モデルの減少は大きく、生産体制の問題もあるかもしれませんが、まだ新型で旧型の減少は補いきれていません。60シリーズ全体では21,738台で同▲6.3%に留まってしまっています。
一部XC40とのバッティングも出ているのではないかと見られます。
新型XC90は好調に拡大を続けてきましたが、
本格デリバティーから2年目に入り、2017年2月はついに前年同月比で前年割れとなり、8月までマイナスが続きました。ただ、ようやく初期需要の反動減が一巡し、9月以降は再びプラスに転じてきています。
2018年1月も同+4.0%となり、
2月は同+32.1%、3月同+25.1%、4月同+13.1%、5月同+20.0%、6月同+18.9%と回復。7月7,151台で同+9.3%と着実に回復しつつあり今後の動向が注視されます。
S90、V90の動向ですが、2018年7月はS90が販売27か月目で4,072台、V90は販売開始25か月目で1,560台、更にV90CCは発売19か月で1,268台。
S90は中国生産集中で中国での販売が好調な様です。
しかし、欧州で主力となるべきV90の伸び悩みが顕著で、
逆にニッチモデルのV90CCが健闘している状況です。
以上の結果、
7月は90シリーズ全体では14,057台で同+1.4%となり、シリーズ全体でもやや伸びが一巡し減速しつつあります。
旧型XC60は大健闘でしたが、新型への移行期に入り、
V40もマイナーチェンジ後力強さを欠き、XC40投入で様子見姿勢が強まっていました。
新型XC90がデリバリーが始まってから4年目に入り
ようやく初期出荷の反動減から再拡大を初めて来ており、
S90も中国販売が好調で順調に拡大してきています。
ただ、欧州で主力になるべきV90のグローバル販売がやや伸び悩み、シリーズ全体でも伸びが一巡しつつあります。
米国、中国を狙いとしたXC90、S90はジーリーの思惑通りに成功し、
中国生産も現地需要への対応で順調に拡大している様ですが、
本国Sweden、欧州ではV90の販売が停滞気味と見られ、戦略がうまく行っていないのではないかと懸念されます。また、
米国もマーケット自体が縮小気味になってきている点も
懸念材料です。
ジーリーはVOLVOをMB、BMW、AUDIに匹敵するプレミアムプランドに引き上げるとしていますが、直接これらのプレミアムブランドと競合する本国Sweden、欧州の販売低迷、V90の立ち上がりを見ていると、欧州ではそれほどうまくいっている感じには見えません。New V60の販売も開始されましたが、V90同様に立ち上がりあまり力強さは感じられません。
今後は欧州での主力、量販車種となる次期60シリーズの先鋒として販売が開始されているNew XC60の生産・販売販売拡大、1月から販売が開始され
市場が拡大しているコンパクトSUV市場に投入されたNEW XC40がどのように推移してくるのかが注目されます。
相次ぎCar of the Yearを受賞し、好調好調ともてはやされていますが、足元では90シリーズの成長一巡、XC60の新型への切り替え遅れとXC40とのバッティング、SUVモデル以外の低迷等が表面化しつつあります。販売台数の増加が新規に追加されたXC40の純増にすべて掛かっている状況に陥って来ています。米国、中国の自動車販売全体の頭打ちもあり、Volvoも先行き決して楽観できる状況にはありません。
なおジーリーの販売動向ですが、2015年12月以降回復が一巡し頭打ち状態になっていましたが、2016年4月以降は持ち直し。8月以降は急速な回復、拡大。
2018年に入っても1月同+51.1%。2月はやや減速し23.9%の伸びとなっていますが、旧正月が1月から2月にズレた影響が大きいと見られ、1月の5割増ができ過ぎで依然好調を維持しているものと見られます。
3月同+39.1%、4月同+48.5%、5月同+60.8%、6月同+44.7%。
直近7月は12万277台(同+32.0%)となりました。
Posted at 2018/08/25 20:24:10 | |
トラックバック(0) | 日記