2009年10月25日
ミッシングリンクを探せ!! 化石掘りin瑞浪
少し前の、連休ネタですいません。
中国で折り重なった恐竜や様々な幼体の化石が発見されたり、今まで別種だった恐竜が実は同じ種の成長過程のものだったりと、ここ最近、格段に進んだ考古学の世界。
その一例として、巨大恐竜でおなじみのブロントサウルスが実はもういないのはご存知でしたか?
恐竜名は、発見が先となったほうがオフィシャルとなるようで、同じ竜脚類ならがブロントサウルスとは別の恐竜とされていたアパトサウルスが実は若いブロントサウルスと分かり、先に名前が付けられていたのがアパトサウルスだったことから、統合されてしまったのです。
ちなみにナノティラヌスという小型のティラノサウルス類とされてきた肉食恐竜もティラノサウルスの幼体だそうです。
そんなナショナル・ジオ・グラフィックの記事を読むとドキドキしてしまい、のび太の恐竜に涙しながら、近所のむき出しになった地層断面についつい足を運んでしまう、カンブリア紀メタラーの私ことFlyingVでございますが、嫁が一時的に退院していた9月の連休、息子を連れてお隣の岐阜県まで化石発掘に行ってまいりました。
この地方の方ならお馴染みの化石スポット、瑞浪市の国道19号から少し入った土岐川の河原にある、瑞浪化石野外学習地です。
採れるのは、1700万年前の貝や植物の化石が中心で、運がいいとサメの歯やクジラの化石が出土することも。
瑞浪化石博物館で入場許可を取るだけで、駐車場含め一切無料。
一時は恐竜図巻を擦り切れるほど読み倒していた息子に、この提案をしたところ、喜ぶどころの騒ぎではなく、前の晩は寝付けなくなるほどの興奮ぶり。
行楽の渋滞を避けるため、朝早く、発掘用のハンマー2本と田金、ドライバー、軍手などを道具箱に入れ、車に積み込み出発です。
前夜の寝不足がたたり、道具箱に手を突っ込み、車内でドップリと寝息を立てる息子。。。。
「仕方ないなぁ。」とそれほど楽しみにしていたわが子を微笑ましく感じるも、
眠りが深すぎるのか、レム睡眠とノンレム睡眠の狭間に、ハンマーを握りしめたまま半目を開けてこちらを向いた姿に、わが子ながら、一瞬、ひるんだのはここだけの話でして、、、(滝汗)
博物館で許可証をもらった後、現場に到着すると、朝早いにもかかわらず、なかなかの賑わい。
ほとんどが家族連れの中、本格的な発掘道具でゴリゴリと削っている方や、教え子らしき数人の集団の中で化石一つ一つに蘊蓄を語る、専門家らしきおじさんなど、玄人もちらほら。
素人丸出しの私と息子は多少気後れしましたが、そこかしこに転がる貝の化石に、否応なく上がるテンション。
初めて目にする発掘現場に、瞳孔が開きかがった息子も、「ティラノサウルスが出たら、どうする??」と発掘前からややのぼせ気味。
「世紀の大発見だ!!ま、出たら考えようか。」と道具を開いて、いざ、発掘開始です。
恐らく、粘土質であったであろう河原は、むき出しになった地質から貝の化石が覗き、そこを狙って田金で掘り進む訳ですが、さすが1500万年以上の堆積で圧縮された岩盤。
かなり手ごわい硬さで、田金でガツガツ削っても、なかなか化石を掘り出すことができません。
ただ、博物館の厚意なのか、ボーリングの球大に削り取られた、化石が入った石もごろごろしていまして、それは簡単に割ることができます。

川岸に移動すると、山の中にもかかわらず、潮のにおいが立ち込めます。
それにしても、貝や葉っぱ、樹脂の化石は辺り一面にあるも、そこから形のいい貝を取り出すのはなかなか力加減が難しい。。。。
ボロボロ割れたり崩れたりと、これがまた微妙なコツがいるようで、、、まさかこんなところで、私の一番苦手な根気と注意力が試されるとは、正直、舐めてました、化石掘りを(汗)
「ティラノはあきらめてトリケラトプスにする。」と相変わらずミラクル狙いの息子も、巻き貝を掘りだすのに夢中になり、器用に取れたのがこちら。

私も負けずとホタテを発掘。
お約束ながら、『ホタテを舐めるなよ~♪GOGO!!』by安岡力也

お昼になり、嫁が握ってくれた握り飯をほおばっていると、「サメの歯、見つけた!!」との歓声が上がり、小学校高学年とおぼしき男の子がガッツポーズをしていました。
後で見せてもらうと、小さいながらも確かにサメの歯。
よほど通い詰めていないと、落ちていても気が付かないぐらいの大きさで、なおかつ、これが埋まっていることなど、玄人でも狙って掘るのはほぼ不可能。
そんなラッキーなお兄ちゃんに刺激されたのか、俄然、やる気になる息子。
「そこ、早く掘って。」と、発掘開始30分で全身が悲鳴を上げだし、ほとんど日向ぼっこと化した私に指示を出す張り切りぶり。
「はい、隊長。ここですか??」と息子の尻に田金を当てたりと、悪ノリしつつも結構楽しみながら、帰宅時間に。
結局、世紀の大発見はおろか、サメの歯も見つけられず、貝ばかりとなりましたが、とても満足げな息子でした。
許可証を返却しに行った化石博物館で、恐竜化石が置いてある館内を見学です。

帰りの車内では、「なんで、山の中なのに貝やサメがいるの?」との息子からの質問に、
「それはね、大昔、ここは海で、地殻変動によって、、、、、」と、参考書や博物館の受け売りを話して聞かせていると、再び寝息を立てる息子。
実は、20代前半の頃、一度だけデートで行ったことがあるこの場所。
そんな懐かしくも甘酸っぱい思い出に、ハンドルを握りながら浸っていると、出発前に「道具があるなんて用意いいわね。」と頭をよぎる意味深な嫁の顔(滝汗)
私の中でほとんど化石と化した思い出をあやうく自分で発掘してしまい、ミッシングリンクに繋がる世紀の大発見にならないよう、再び埋めてしまわないとと、眠りにつく息子の横顔を見ながら、そこかしこに埋没した、若かりし日の化石達の手掛かりが、やけに心配になった一日でした。。。
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My Life | 日記
Posted at
2009/10/28 22:33:38
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