2010年02月20日
消えたMと宿命の対決
立春が過ぎ、いよいよ春めき出した先週の土曜。
来月の啓蟄を前に、小動物達が冬眠から覚めてしまうのではないかと心配になるぐらいのポカポカ日和に、M3のカバーをめくらない手はなく、野球の練習から帰った息子を連れてSABに立ち寄り、ポイント1.5倍デーだった近所のスタンドに給油へ。
車内で「暑い~!!」と窓を開ける息子が、「地球温暖化だね。」と学校で習ったことをしたり顔で話し始めたので、
「地球温暖化はね、実は、二酸化炭素排出量よりも、金融経済と環境エゴのほうが密接に結びついている、案外、胡散臭いもんなんだよ。」との主旨をやんわりと伝えると、
「へぇ~、昨日の夜、おとうちゃん、遅かったでしょ。お母ちゃんが『なんだか胡散臭いわね。』って、言ってたけど、同じことなの?」とバッサリ(汗)
「ま、見方によっては、それぞれの意見があるし、、、ものごとには、真実を知らないままでいることも大事だってことをそのうち分かるようになるさ。」
「ふ~ん。地球温暖化とおとうちゃんはあまり突っ込まない方がいいってことだね。」と、知ってか知らずか本質をえぐられ、戦慄を感じつつも、ガソリンスタンドに到着。
タオルで窓を拭き、いそいそと給油している最中、「こんにちは~」との声に、「はい。」と顔を上げてみると、そこに立っていたのは、息子のクラスメートのT君とそのお父さん。
T君と息子は1年生の頃から、恋に勉強にと、なにかと競い合っている幼馴染でもあり良きライバルでして、3年生になって入った野球チームでも、レギュラー目指し、凌ぎを削っています。
そんなT君のお父さんはここみんカラでも何度かご登場いただいた911のオーナーさん。
一昨年の運動会での徒競争で、偶然、同じ組となり、M3VS911の宿命のオーナー対決にて、私が圧勝
した因縁の相手。
ただし、その時はT君のお父さんが無念の転倒による途中棄権となったため、本当の意味で勝負がついたという訳ではないのです。
2つ向こうのレーンに白い911が停まっているのが目に入り、
「あ、こんにちは。」と返すと、極めてさわやかなスマイルとともに、「どうですか、M3の調子は?」と尋ねられました。
「異音も解消して、すこぶる好調です。」
「おお、そうですか!!今度、走りに行きませんか?」となにげに挑戦的なT君パパ。
T君の、お父さんを見る目も頼もしそうです。
「いいですよ。なんでしたら、今からでも。」と、息子の手前、売られたケンカは定価で買うことをモットーとし、今まで数々の余計な災難に巻き込まれてきたメタル根性が顔を出してしまい、ついつい乗ってしまいました。
しかし、これは連綿と続くゲルマンスポーツ同士の聖戦。
東洋の辺境たる小さな島国で、二人のオーナーが出会ったのもなにかの運命。
いまここで終止符を打たねばと、満タン給油を止めようかとしたその時、
突然、「ウフフフフフ。」と不敵な含み笑いを浮かべるT君のお父さん。
「ど、どうかされましか?」
なにかとんでもない秘策があるのか、、、もしそうなら、うちのM3もびっくりドッキリメカでも出動させないとと一瞬怯んでいると、T君のお父さんが、M3のリアの三角窓を指さし、
「このステッカーは、、、、、、、」
「ええ、ご存知ですか?」とT君パパも、もしかしたら、みんカラユーザーなのかと淡い期待を抱いていると、
「違ってますよね。」と、私が片時も忘れたこともないE36M3Limoの証というべき、ClubE36M3の名誉会員としてtoto会長から下賜された神符に対しての、我が耳を疑う信じがたい暴言!!
「な、なんですとぉ??」思わず、声が裏返る私。
「あ、あのぉ、、、形式がというか、、、なにかこだわりを持たれているのかなぁと。」と少し恐縮した雰囲気のT君パパ。
「こだわりはありますよ。なんといってもこれは、E36M3クラブの、、、ん、んんん??」

・・・・・・『ClubE36 3』・・・・・・・(本来はClubE36M3です。)
なんと、パチンコ屋のネオンで、『パ』の字だけは消えてはいけないのと同じぐらい重要でもあり、うちのM3との唯一のレーゾンデートルたる『M』の文字だけが欠落し、少しBMWに詳しい人が見たら、ちょっと勘違いしちゃったステッカーになってしまっているじゃありませんかぁぁぁぁ
ステッカーを見つめる私の目が点になるのを察してか、心優しいT君パパは、
「先代に敬意を払うとか、そういう意味なんですよね。うちのポルシェにも930ってステッカー、貼ってもいいかもしれません。」と心にもないフォローを残して、「じゃあ」とめぞん一刻の三鷹さんの様な爽やかな笑顔でT君と911に乗り込んで走り去って行きました。
後に残ったのは、怪訝そうな顔の息子ときっちり満タンになったM3。
「おとうちゃん、間違えたの?」とむっつり聞く息子。
「いや、間違えちゃいないさ。ただ、大事なものが足りなかっただけだよ。」
「へぇ、こういうのも胡散臭いって言うの??」と蒸し返すあたり、嫁譲りの観察力のなせる技。
「そのうち白黒、しっかりつけるから。」
「そうしたら、お父ちゃんのM3、黒で最初から負けてるじゃん!!バカ!!!」
と膨れっ面の息子を乗せて、帰宅しました。
ステッカーを頂いたのが、2年前のFamilie。
あの時、ふっ切ったM3Limoへの思いが希釈されていったのと同時に、剥がれおちた『M』の文字。
いっそ、息子が免許を取るまでそのままにしておいて、「お前が貼る番だよ。」と息子に託してしまったらカッコいいだろうなぁと想いを馳せつつ、i-Podからほとばしる珠玉のメタルチューンで悦に入りながら、「そういえば、親にバカとは何事だ!!と今更ながら突っ込むと、ナビシートでスースー寝息を立てる息子。
T君とは大きくなっても良き競争相手であり、助け合う友に成長し、そして、いつか二人がメタル布教活動の中核になって、もう一つの『M』であるMetalの頭文字を掲げて欲しいと願う少し歪んだ親心でした(汗)
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E46M3 | 日記
Posted at
2010/02/22 17:55:13
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