2011年10月28日
女盛りの秋 GTVのパワーチェックをしてみた
インモラルな関係にある、うちのイタリア娘ことGTVは、現在、ラインオフされてから12年を迎え、走行距離62600kmを後にし、人間でいう分別盛りに当たるお年頃。
遠巻きに眺める分には、エロスの化身のごとく美しいプロポーションと情熱的なALFA ROSOOの、華やかさと瑞々しさを湛えたノッチバッククーペ。
しかし、太陽光の下、息が掛かる距離にまで接近すると、ハイビジョンで往年のアイドルのアップを観てしまったようなガッカリ感こそないものの、それなりの年の重ね方が散見され、インモラルであるが故に決して結ばれない間柄を憂い、思い余って、三度、オーナーの命を的に掛けるディーヴァのような激しい嫉妬が見え隠れする気性の持ち主。
ステッカーをはがせば下地までめくれ上がるスクラッチシールと化した肌荒れや、ドリフの金ダライかと錯覚させるほどの、バックミラーの見事な落下芸については過去のブログにてご紹介済み。
その刺激的過ぎる関係に、156GTAやクワトロポルテなどのスポーツセダンにシフトして終止符を打つことも考え始め、最近では、義兄のRX-8の里親オファーに心動かされたばかり。
そして先日、午前中一杯を当て込んでいた会議が、小1時間であっさり終わり、昼からのクライアント先のアポまで、ぽっかりと時間が空いてしまったこともあって、移動がてら、ふと立ち寄ったスーパーオートバックスで、ほんの出来心からGTVをシャシダイに載せてしまいました(汗)
久々に来たことも手伝い、欲望の赴くまま、ヴィレッジヴァンガードでTOPGEARなど買いあさり、ホクホクしながら、GTVに戻ろうとした時、店内のガラス越しに見えたシャシーダイナモに、むくむくと芽生える好奇心。
近くに居たスタッフさんになにげなく問い合わせてみると、「すぐできます。」との回答。
「思い出作りとして、一回ぐらいやっとくか。」と、パワーチェックをその場で申し込んで、M3の時にも書いた誓約書にサインをし、GTVをピットへ移動。
計測時の許容回転数はレッドゾーンの7000rpm。
担当のスタッフさんに誘導され、シャシダイの上にGTVを載せ、牽引フックを渡したところで、問題発生。
牽引フック穴にゴミが入り込んで、フックを取り付けることが出来ず、よもやパワーチェック不能かと思われましたが、FFは後輪に事故防止のベルトを通してOKとのこと。
誰かを牽引することすらお断りだなんて、一体どこまで唯我独尊なのだろう・・・
その後は手際よくセッティングが進み、試走にて、回転数をアジャストし、いよいよ本番。
後は、エンジンが高負荷に耐えてくれることを祈るだけ。
「ファォォォォォオオオオオン!!」とありったけのバリトンで歌い上げるアルファ最後の純血3.0LツインカムV6とローラーの金切り音が渾然一体となるピット内。
シフトチェンジに合せてマフラーから吹き出る煤の様なガスに怯みつつ、怪鳥の鳴き声に似た轟音が絶頂に達したところで計測終了。
ブリッピングを繰り返しながら、ゆっくりと回転を落としていくローラーとGTV。
7月にE46M3から拝借しているG-TECHパワーメーターで測定したところ、209.6ps / 6376rpm 25.8mkg / 5231rpmを記録したものの、車両重量を間違って入力しているので、気温を差し引いても実測200psぐらい出ていれば御の字といったところでしょうか。
いや、なにはともあれ、無事計測が終わったことを喜ぶべきかもしれない。
オイル交換は気が向くまま、エアフロは納車2日後に起きたメタラー暗殺未遂で新品に、プラグを一度交換し、エアクリーナーが純正リプレイスタイプにされているだけで、オーナーが若干アブノーマルなことを除けば、至ってノーマルな個体。
スタッフさんが、プリントアウトしたシートを持って、こちらに向かってくる。
見るのが怖い、、でも現実を知らなくてはならない。。。
カタログスペックの220ps / 6300rpm、27.5kg / 5000rpmに対して、12年の月日が経ち、220頭いたはずのマキバオー達は、どのぐらい残っているのか、その結果は、、、、
あれ??なんかの見間違い!?
223.7ps / 6631rpm、25.4kg / 5898rpmだと??
お馬さん、3頭増えてるじゃん・・・
「これ、、、、、、あの車のですよね?」わが目を疑う数値に、つい確認する私。
「はい、気持ちよくパワー出ていると思いますよ。」と爽やかなスタッフさん。
「トルクが3000rpmですでに20kg以上あり、それが高回転まで続いていますので、乗りやすいんじゃないでしょうか。あ、回りすぎて7200pmまで入ってしまいました。。。」
なるほど、回転を上げていくほどに足を速めるユニットかと思いきや、意外にもドイツ車のようなフラットトルクだと言うことが判明。

特筆すべきは高回転域でもトルクのタレがなく、本来のレブリミットはもっと先にあるのではと思わせるほどの出力特性。
以前、歴代のM3が集まって計測した時には、パワーはカタログ値前後ながら、トルクは大幅にカタログ値を超えていたのが、うちのアルファロメオの場合は、トルクはカタログ値以下、一方の出力はカタログ値を少し超えるという興味深いコントラスト。
コーンズものであるが故に出荷時に振り分けられた出来のいい個体だったのか、それとも前オーナーの乗り方が良かったのかは分かりませんが、少なくとも、やる気の出ない月曜に作られた『マンデーズカー』ではなかったことは確か。
12年と62000kmを刻み、私にとって、おざなりな関係にもかかわらず、豊かな情感とともにカタログ値を上回るアルファ純血ユニットを積んだイタリア娘の実力。
例え、小じわが目立とうが、ほうれい線が浮き出ようが、今が女の盛り真っ只中。
ああ、思い出の1ページだったのに、こんな数値を律儀に出されたら、ますます離れがたくなってしまう(心の叫び)
PS:タイトルを『女体盛り』と間違えて、危うくパンツ脱ぎ捨てて風邪を引くところだったとのお叱りのメールを何通か知人より頂きましたが、女盛りですのでお間違いなく(笑)
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GTV | 日記
Posted at
2011/10/28 13:48:28
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