2011年12月09日
ブーツ交換と予想の斜め上を行く代車
走行中、アスファルトのステルス窪みに右フロントを落とし、尋常で無い衝撃を受け、その下回りをエテロドッソさんにて点検したもらった所、特に異常はなかった代わりに右側シャフトブーツの破断が見つかったのが先週末。
お財布に優しいOEM品の供給がなく、その倍以上の値段がする正規品しかないとの残念なお知らせを受け、イタリア財政に匹敵するほど赤貧で過ごすことが決定しているこの師走に、内緒の口座から資金供給を行い、左右のアウターを注文して待つこと数日、、、
ブーツが入荷したとの連絡を受け、昨日、朝一で、GTVを預けてまいりました。
GTVをお店の前に着け、
「おはようございます。」とガレージ入り口を潜った私の前に、
「朗報があります。」爽やかな笑顔を向けるのはスタッフさん。
「実は、あれから色々と探したところ、こういうのを見つけました。」
と私の目の前に差し出されたのは、アウター&インナーのブーツセット。
「確か、注文したのはアウターだけだったかと。。。」
「ええ、そうなんですが、どうせ交換するのでしたら、インナーもあった方がいいと思いまして。これ、グリスもバンドも入っているんですよ。」
こうなったら、プロの意見を尊重して全部やってしまえと思いつつも、諭吉さん中隊が師走の空へと出撃して行くのは忍びない、、、、
しかし、可愛いGTVの為と、意を決して大橋巨泉よろしく、
「では、お値段、HOW MUCH?」と尋ねてみると、
「はい、セットで6,500円です。」とお財布に優しいどころか、城南電気をもぶっちぎるバリュー価格。
「ウソ!?そんなにお安いんですか!!」
「僕も初めて知りました、このブーツセット。ご予算を伺っていたので、頑張って探してみたら、あったんですよ。左も痛んでいたら、交換してしまってもよろしいでしょうか?」
「是非、お願いします。」
一家言あるコアなオーナー達から支持を集めるショップだけあって、こうしたネットワークと気遣いはさすが。
『扉が閉まったとき、神は窓を開ける』のとおりだなぁと、財布のとば口で待機する諭吉さん中隊の出撃命令を解除し、GTVの鍵を渡して、さて、代車を受け取る段取りとなった時、
「Vさん、今日お貸しする代車、ちょっとおもしろいですよ。」と今度は、不敵な笑みを浮かべてくるではありませんか。
「それは、一体!?」
おもしろいの振れ幅が世間一般の車屋とは明らかに違うところにあるこのショップ。
再び緊張の色が浮かぶ私に、構うことなく話を続けるスタッフさん。
「ええと、まず2シーターです。」
「ほ、本当ですか?」
2シーターを代車だなんて、どこまで奮ってるのか・・・
「はい、で、5速マニュアルの重ステです。エアコンは後付け、シフトノブ自体は長いですが、クイックシフト気味で、小排気量のツインカムエンジンとの相性はなかなか気持ちいいですよ。」
「重ステにエアコン後付とは、どんなスパルタンな車なんだ!?」
最初に脳裏に浮かんだのはMR2でしたが、このショップに限ってそれはなく、次に思い浮かぶのは、初代エラン。
ただし、これも英国車につき、ここでの扱いはない。
とすると、残るはフィアットのリトモか!?
普通ディーラーだったら無難に国産のATあたりを代車として用意するところを、そんな手ごわい代車を宛がってくれるとは、正式にここのお客として認められた証なのか、それとも敷居をまたぐ資格があるのか試されているのだろうか、いや、そもそも乗りこなせるのだろうか、など頭の中でぐるぐる渦巻く不安と葛藤。
それでも、2シーター、コンパクトなDOHCエンジン、重ステ、クイック(気味)シフトと聞いて、俄然上がるテンション。
『なんだかオラ、ワクワクしてきたぞ!』
と悟空ばりに今か今かと代車を待つ私でしたが、それらしい車が現れる気配は無く、ピットの中には、相変わらず異様なオーラを放つクラシックアルファ&ランチャ達が居並ぶだけ。
「で、その代車、どこにあるんですか?」
「え?Vさんの目の前のですけど。」
と鍵を手渡すスタッフさんの指差す先にあった車は、私の予想の斜め上を行く代物でした。
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SUZUKIのTWIN!
2シーター、コンパクトなDOHCエンジン、ショートホイールベース、重ステ、クイック(気味)シフトに後付エアコンの、うたい文句に偽りなし!!
ふふふ、こう来るとは、、、、どこまで一筋縄ではいかないんだ(汗)
衣食足りて礼節を知るといった質素で慎ましやかな代車に乗り込み、クラッチを踏み込んでイグニッションを回し、ギアを入れ、お約束のエンストをかまして仕事に向かいました。
折角なので、簡単なインプレを3項目だけ。
・東名阪での高速スタビリティは意外と高く、ギアリングも適切で、アンダーパワーを巧みにカバーできていると思われます。
・回転半径は3.6mと、酷道&裏道は無双。
・突き上げ、ノイズ、バイブレーションが遠慮なくドライバーに集中するので、小気味良いハンドリングに気を良くして、メタルを流しながら楽しくヘッドバッキングしていると、翌日、思った以上にダメージが残ります(←今、この状態)
ただ、日本の軽自動車技術の凄みを感じたのも事実で、いくらタタが同じようなパッケージを作ろうとも、このクオリティにはまず追いつけないでしょう。
夕方作業が完了し、後ろ髪惹かれつつ、代車を返し、GTVを引き取りに伺うと、
「いかがでした?この車、おもしろくありませんでしたか?」と無邪気に笑うスタッフさんに、この人がお勧めするエロDVDを借りてはいけないと、おぼろげに感じつつ、お会計に。

領収書を探すのに10分、続いて印紙が行方不明になり、精算が終わるまでに30分と、アルファショップならではの微笑ましい一幕も。
左右のブーツを新調したGTVのインプレですが、当然、これといった変化があるわけでもなく、気持ちリフレッシュしたような心理的効果が大きいですね。
明日は、先週から予約をスライドさせた、TKさんにてオイル交換と漏れ止めの注入です。
この勢いで、クランクからの滲みも止まるといいなぁ。
【おまけ動画】
もし、法が許せば、次の代車は是非、これで。
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GTV | 日記
Posted at
2011/12/09 14:51:57
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