2023年02月07日
錯綜する車選び
この春から社会人となり車通勤をする拙息子。
そのため、今月中には愛車選びをしなければならないのに、残り少ない大学生生活を、陰キャメタラーとは真逆のリア充しちゃっているせいで、ちっとも決まらないばかりか、候補すら絞られていない現状に、見ているこっちがヤキモキしてしまい、昨晩、夕食に連れ出すことにいたしました。
遡ること3年前、免許取得後、運転の練習と楽しさを知ってもらおうと、私の快速業務用ホットハッチであるスイフトを貸し与えたところ、ハンドリグ、加速、燃費含めたパッケージ性を予想以上に気に入り、デートだ何だと引っ張り出され、知らないうちにまんまと鹵獲されてしまっておりまして、
「社会人になったら、次は86かスイスポ!」と鼻息荒く言っていたのに、最近、とんとその話題がない。。。
そういえば、今年に入って、スイフトを貸して欲しいとも聞かない。
おまけに、あんなに遊びに来ていた彼女も見ない。
なにか関係があるのか、、、、もしやあの時の不慮の事故が原因、、、、、そうだったら、めちゃくちゃ聞きにくい、、、いやでも、私に責任があるのなら、面と向かって話をしなければ、、、、、
と一人で逡巡していても始まらないので、先週末、卒論が終わったばかりで、ゲッソリと頬がこけ、土色の顔をした息子をスイフトに乗せ、向かった先は、今、色々話題の回転ずしではなく、ちょっといい感じのお寿司屋さん。
そう遠くない未来、VIP達を連れて、すきやばし次郎に行っても恥をかかないようにとの親心から、接待や上司との会食で寿司屋を使う際のマナーを、この前の回転寿司で、みっちりと伝えたばかり。
着席後、「よ~し、こっちは大事なお客さんの設定な。で、最初は何にするんだった?」とウザさ全開で振ってみると、
「分かっているぜ、父ちゃん!!」とニヤリと不敵な笑みを浮かべ、「これだー!!」と頼んだのが『本マグロ尽くし3貫 1,800円』
躊躇もへったくれもないその姿に、椅子からずり落ちそうになるも、
「父ちゃんも同じの食べる?」と、自分の財布が全く痛まない優しさまで披露するとは、Z世代、おそるべし、、、
帰宅したら、美味しんぼ1巻からやり直し決定なんて考えつつ、核心へ。
「そういえば、お前、最近スイフト乗ってないんじゃない?」
「ああ、卒論とバイトばっかだったし、彼女とかが車出してくれるからいいかなって。父ちゃんにも悪いし。」
良かった、、、彼女とはまだ続いているんだった、、、、聞きにくいことの一つが期せずして解決し、まずは一安心。
でも、あの時の彼女と続いているとは一言も聞いていない。
「彼女って、あれだよね、、、ベージュの長い髪で、少し巻いていて、、目が大きくて、、、、ほら、欅にいそうな、、、」
「それ誰の事?」
と本マグロの大トロを頬張りながら、シレっと言い放つ息子。
くそーーーーー!!!そうだった、、、、こいつは私が異世界に何回転生しても絶対になることができないリア充な上に、これまでの彼女、全員量産型の坂道系のクッソ可愛いJDだった(血涙)
おかげで、偶然、家の玄関先で出くわした、とある彼女に、「この前はお土産ありがとうね。」とお礼を言っだけで、物凄い変な顔をされたのだって、実は、お土産をくれた彼女とは別れていて、初めて家に遊びに来た別の彼女だったと、後になって、嫁から知らされた事実。
『中年男性の顔認識能力の低さ、なめんな。』と喉まで出かかるも、中トロと一緒に飲み込み、
「誰って、、、この前さ、ほら、ちょっと、申し訳ないことしちゃった、、、○大の、、、、」
「あー!!素人はダメだけど、プロはオッケーって父ちゃん叫んだ時のだよね、あれはウケたわ、、、そう、あの娘、、、、まだ続いているから、、うふ、ふ、、心配しなくても大丈夫。う、ふふ、、ひゃひゃひゃひゃひゃ。」とシャリを飛ばしそうな勢いで笑われるも、彼女と続いていると聞いて一安心。
しばらくヒーヒー笑い転げていた息子が落ち着いたところで、
「でさ、車どうする?」とズバリ本題へ。
「あ、、、うん、、、、迷っている。」
「86とBRZ見に行ったん?スイスポは?」
「いや。。。。」との少し沈んだトーンは、前はあれほど車の話を楽しそうにしていた息子とは思えないほど。
「やっぱ、新入社員がいきなりスポーツカーってどうかなと思って。それに、仕事も半人前、、、いや、何から何まで教えてもらう立場だから、もう少し、控えめなのがいいかなと思ってる。例えばこれとか。」
そう言って、差し出されたスマホの中古車サイトに表示されていたのは、社有車にも使われる某国産コンパクトカー。」
「え、これにするの?」
「うん、、、1年は乗ろうかな。」
「そうなんか。。。」
仕事を教えてもらう立場だからと自重しようとする息子に、あのチャラ男君が重なり、楽しいはずの車選びが、そうではなくなって話題が減ってきた理由を察したところで、
「ま、若いんだし、身の丈に合ったスポーツカーとかなら、そんなに弁えなくてもいいと思うよ。むしろ、車好きの社長とか食いついてくるんじゃない。」
「でもな~なんか、仕事できないのにいい車乗ってるってカッコよくない気がする。」
まさに、1年前、M3に乗せたチャラ男君と言っていることが同じだ。
いやいや、何気にしっかりしているじゃないか、見直したぞ Z世代。
「クライアント先の見た目はチャラいけど苦労人のしっかりした若手社員が同じこと言ってたなぁって、おい、お前、ちょっといい事言ったつもりだろうが、、、今、食べたそのクルマエビ、半人前が口にしていいのかよ。」
「今日ぐらいは無礼講でしょ。初任給出たらちゃんとご馳走するからさ。」
「いや、奢ってくれだなんて言っていないし、、、けど、ありがとう。」
「うーん、、、でも、、、、」とモゴモゴする息子に、
「本当に欲しいのは何?」とストレートに聞いてみると、
「え~と、、、、、」スマホを検索しながら、
「これ・・・・」とこちら見せたディスプレイには、

GRスープラが!!!
「は、マジか!?」
「鬼カッコいいよ、これ。ほんと、ヤバい。」
「中身、BMWのZ4だよ。」
「知っている。ワイスピのスープラもいいけどめちゃくちゃ高いから無理。初代スープラもシブいけど、古いしなぁ。GRのだったら、頑張れる気がする。」
「ま、確かに新卒社員がGRスープラで来たら、ちょっとしたニュースだわな。もしかしたら、いろいろ言われるかもしれないしね。」
「でしょー、だから、最初はお手頃お値打ちコンパクト我慢して乗って、仕事で沢山結果出して、お金貯めてスープラ買ったほうが、断然かっこいいよね。」
「分かる。」
「それ考えると、テンション爆アガるんだけど、ただ、、、そのお手軽お値打ちコンパクトを探すのがちょっと気乗りしなくて、、、、で、彼女が乗っていると同じのでいいかって感じになっている。」
「フェラーリ買うためにADバン乗り続けた猛者もいるぐらいだし、うちの最初のM3だって、独立したときの記念で、今のM3は、病気を克服した勲章みたいなものだかもんな。スープラは目標の一つにしてさ、そのコンパクト、一緒に探すよ。」
と話している内に、デザートが来て、再び、スイフトで帰宅。
試しにこれと同じスイフトは?って聞いてみたら、どうせなら色々な車に乗ってみたいとのこと。
「ところで、父ちゃんは車決まったの?その車、母ちゃん許してくれそう?」と思い出したかののように尋ねる息子。
実は、エンジン不調になった嫁車の代わりとして、スイフトを進呈することとなったため、私も増車を控えていまして、車選びの一番楽しい真っ只中につき、話をしたくてしょうがないのですが、息子の気持ちを知った今、そんなことができるはずもなく、
「う~ん、、、何とも言えないな。」と話をごまかしてこの日は終了。
錯綜する我が家の車選び。
一体どこに着地するのか、それとも嫁に内緒の暴挙、再び勃発するのか、絶賛、継続中です。
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Posted at
2023/02/07 11:37:40
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