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2012年05月16日 イイね!

長島オフショートレポ&ハム・スライス・レストレス

そろそろ書き溜めた創作シリーズでもUPしようと企んでいる前に、週末参加してまいりました長島PAでの合同オフの簡単なレポを。

ここ最近、青山高原オフ、刈谷PAでのアルテッツアオーナーさん達のとの交流や、今回の長島オフと、みんカラ繋がりでお声掛けをいただくのは、メタラーという十字架を背負ったことで、思春期突入と同時に非リア充が確定し、長年、世間様の冷ややかな視線にさらされ、現在も自発的に外に出ようとしない引きこもりメタラーと化している私にしてみれば、非常にありがたい限り。
そんな私のファーストレディたるM3も、GTVが来てからの不遇の2年間を取り戻そうとしているのか、所有6年目にしてようやく36,000kmを迎え、いよいよ脂が乗り始めた超抜名機S54の張り裂けんばかりの咆哮と高らかな歌声を、五月晴れの空に思いっ切りぶちまけさせてと、私をせかし、焦れている様子。

さて週末、向かうは、長島PA。
火照った体を持て余すM3にとって、伊勢湾岸道は願ってもいないステージ。
第2名環ICの合流で、前儀もまだと言うのに、嬌声を発しながら上り詰めるレブカウンターを「本番は伊勢湾岸だから。」となだめすかしながら、走行車線へM3を滑り込ませ、周りのペースに合わせて法定速度+α程度で巡航。

そして、分岐で伊勢湾岸へと進路を取った時、高回転に上りつめたくてうずうずするM3にとってうってつけの好敵手が出現したのです。
それは、おそらく、このオフの参加車両の1台であり、空冷独特のリズミカルなメカニカルノイズを響かせ、走行車線をクルージングするシルバーの964。

久々に実車と遭遇したことで、テンションが上がった私は、車間距離を十分取って、まずはテールからじっくりと観察。
今のリッターカーよりコンパクトなボディに起伏溢れる肉感的なフェンダー、ダラララララララというスネアのドラムロールを思わせるSOHCフラットシックスの誇らしげな鼓動はこの頃の911の代名詞。
「やっぱり、空冷ポルシェはかっこいい!!そして欲しいぞ!!!!」と964が売れまくったバブル経済の崩壊を学生時代に迎えた世代の一人として、悦に入りながら、しばしランデブー。
こうやってのんびり流すもの気持ちいいと思えるのは、年を食ったからなのか、それとも昔憧れた964のテールに思い出を重ねてしまっているだろうかなどど、ぼんやりと考えている内に、耳に届くのは、ボンネットのパワードームの下で「ちょっと、いい加減、こっちも構ってよ。」と欲求不満気味に低く唸るS54。

「よし、じゃあ行くか。」と追い越し車線へと移りながら、フライバイワイヤーに信号を送り、6連スロットルが毛穴のごとく開くと、S54は、めくるめく官能の渦とともに嬉々として吹け上がり、964をパスいたしました。

すると、今度は、エール返しとばかりにM3のテールに張り付く964

しかし、それは決して血気溢れるものではなく、車間距離をたっぷり取ったまま、付かず離れずと、とても紳士的なものでした。
目的まで数km足らず、これも何かの縁とばかりにこのままお連れしようか、ふとバックミラーを確認すると、シルバーの964の後ろには、いつのまにかズラリと並ぶ911のファニーフェイス!!
しかも、よく見ると全台964という、空冷ポルシェの車列を率いるうちのM3は、さしずめ、ペースカーといったところでしょうか。
このまま転回地点の桑名ICまで、空冷ポルシェ御一行様をご案内。
法定速度+10km前後のペースだったにもかかわらず、無理な追い越しもせず、穏やかに着いて来て頂いた964オーナーの皆様のマナーに感服です。

長島PAに到着すると、すでにオフの主役であるポルシェがそこかしこに停められており、さきほどの964の皆さんも合流してまいりました。

私はと申しますと、駐車場の隅のほうに陣取ったE34を中心としたBMW勢を見つけ、端っこ付近に駐車。
みんトモののぶりんさんとお連れさんにご挨拶をし、アルピナはじめ、これまたマニアックなBMW達を拝見していると、うちのM3付近から、脳髄に直接届くような甘美なエキゾーストノートが! !


なんと、大乗フェラーリ教の最高神であられるF40のご神体が恐れ多くも我M3のテールに、一擦りウン百万円の神聖なるノーズを向けられているではないですか(目が点)
すぐに所定の位置へと移動していきましたが、そのオーラはM3が霞んで見えるほどで、なにか間違って私の手元に来た日には、その存在に堪えられなくなってゲシュタルト崩壊を起こすに違いない・・・
ってそんな心配はまず必要ないと思われますが人生何が起こるか分からないので念のため(笑)

ショートレポのはずが、出発から到着するだけで、自分でも嫌になるぐらい長文になりましたので、ここからダイジェストで画像紹介。
あ、決して横着している訳ではございませんのであしからず(汗)

まずはBMWから
E36&E34の、まとまりのある無骨で直線的なデザインは、今見ても十分過ぎるほど魅力的。

実車を前にすると、ふっ切ったはずのE36M3にまた乗りたくなってしまう。。。

こちらはうちのE46M3とZ4の比較的新しいクーぺ達。

E46M3は、私のと画像のフェニックスイエロー、この後合流された、幸せ続きのnamachaさんとそのお連れのアルピンの4台だけでございました。

今回、お誘いいただいた、みん友のスーパーのぶりんさん号。

お色直しをしたばかりの、黒曜石のような深い艶を湛えるバリピカのE34です。

狂気のチューナー、ケーニッヒの手による1台。

850のks8は、日本に2、3台のウルトラ希少車です。

ここからは、ポルシェ勢とスーパーカーを中心に。
モデルごとにカテゴライズして並べられていたようでして、このグループは964&993の空冷組。


ダックテール、ターボウィングのスピードスター、ノーマルテールのお尻アラカルト。

個人的には小ぶりでツンと上を向いたダックテールが好み。

928、944&968のFRポルシェ。

944ターボは、まだ私がZ31に乗っていた20代の頃、一度も高速バトルで勝てなかった懐かしい相手。
いつか一矢報いたい1台です。

洒脱な997グループ。


スーパーカー&モンスターマシン達です。
先ほどとは別のF40と、黄色の360、その向こうは積車に乗ったサバンナRX-7のシルエットフォーミュラで、真ん中は、、、なんと大蛇!!
フードの下には、エンジンじゃなく本物の心臓が脈打っているのではないかと思えるほどの動物的なデザインは並みいるスーパースポーツ達を圧倒しておりました。


ADVANカラーのR30シルエットフォーミュラ。
排気音もレーシングサウンドさながらですが、RX-7と違うのは、ナンバーつき。
このような車が公道を走れるなんて、根拠のない規制でがんじがらめだった一昔前に比べ、国交省もずいぶん柔らか頭になったものです。


ポルシェのフラットノーズです。
シルベスタ・スタローンも確か、これに乗っていた記憶が。
ゲンバラかどうか未確認ですが、リトラが嵌め殺しになっている大迫力のフロント周り。


アメリカンマッスル達。
屹立する赤いボンネットの主はヴァイパーです。


イギリス車も数台のアストンとジャガーが集まっておりました。


とここまで、駆け足で紹介させていただきましたが、この他にもポルシェを中心としたスポーツカーが集まっており、そもそもポルシェ&E34オフだったことと、みん友のい~さんが主宰するイタフラ車を主体とした大型オフがモリコロパークで開催されていたこともあって、きれいに分散したように見受けられました。

爽やかな初夏の陽気が広がるこんな気持ちのいい日の、車好きにとっては堪らないオフ会。

ただ、耳タコ話で恐縮ですが、公共の場を使っている以上、一般車両への最低限の気遣いとマナーは必須だと改めて感じ入ったこの日。
現に、どこに停めていいのか分からなくなって、ぐるぐると駐車位置を探す家族連れのミニバンや、「うわー。」と歓声を上げながらカメラを向ける横で、売店から顔をしかめながら遠くに停めた自分の車へと戻るお年寄りがいらっしゃったりと、物言わぬ負の感情があったと想像するに難くありません。
私自身、自分のカーライフを振り返ると、迷惑の連続で恥じ入るばかりですが、運転のみならず、公共の利益を享受するのであれば、利他の精神に立ち返り、特に気を配らなくてはならないと、ふと山陽道での多重衝突事故が頭をよぎり、思った次第でございます。

午後から子供の習い事があったため、お昼を過ぎたあたりで、後ろ髪引かれつつ帰路へ。

そして、この日、家族へのお土産として買って帰ったのが名物の明宝ハムと松阪ベーコン。
楽しみにとっておいたはずが、その日の内に、食べ盛りの子供と遊びに来ていたお友達たちにあっという間に平らげられ、夕食時に残っていたのは、嫁が何とか死守した二切れだけ(涙)
さて、それを嫁と食べようとなった時、ハムを頬張る私のご飯の上へと、
「私はいいから、パパ食べなよ。」と自分の一切れを乗せてきた嫁に、
『いいよ、お前食べろよ。』とかっこよく言おうとするも、 「いただきます。」とつい口に運んでしまった自分のあさましさと、それを見抜きつつ、ニコニコしながら、
ねぇ、美味しそうな女子大生から言い寄られても、いただきますなの?」と目だけが笑っていない嫁に、どうやっても敵いっこないことを思い知らされたのでした。
ああ、この日のハムはやけにしょっぱいなぁ。。。
Posted at 2012/05/16 18:25:57 | コメント(13) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記
2012年05月12日 イイね!

腸弱メタラーの有事とチャージ

GW中、中途半端に仕事をしたことがたたって、週明けから胃腸風邪を患い、ごまかしごまかし仕事をしていたものの、ついに熱は出るわ腹は痛いわ、制御不能に陥った括約筋は大解放状態だわで、「変なもの舐めたんじゃないの?」と疑いのマナコを向ける嫁を、全力で否定し、トイレの神様にうっとおしがられるほど厠の住民と化していた昨日。


普通の風邪ならば、ドーピングして仕事に復帰できるのですが、かつて腸弱会に属し、括約筋が私自身の全社会的責任を負っていることの危うさをよく知るものとしては、いつ何時、有事を迎えるやもしれませんので、外出は控え、自宅仕事に切り替えいたしました。

久々に日中から家に居るのをこれ幸いと、仕事の合間にやっておこうと思い、取りだしたのがこちら。


バッテリーチャージャーとブースターケーブルです。
実はこれ、GW中に迎えた誕生日に、嫁からもらったプレゼントでして、近所のホームセンターで、
「本当にプレゼント、これでいいの?」と何度も確認する嫁に、「もちろん。」と私から強くリクエストして買ってもらったもの。

年間1000km程度しかマイレージを刻まないM3の、バッテリーが充電されるよりも先に放電してしまうのは当然のことで、この2年間で、決して安くない輸入車用バッテリーを計3個も取りかえるという勿体ないことこの上ない事態が起きており、しかも今から出掛けるという間際になってバッテリー切れが発覚するという体たらくぶり。
充電する時間がないばっかりに、泣く泣く新品バッテリーに換装していた自分の無頓着さを猛省し、放電しきった2個のバッテリーの蘇生させ、再利用するのが目的です。

ただし、バッテリーチャージャーで充電できるのは、ある程度、蓄電量が残っていることが条件。
電池の残量を計測してみると、どちらもゼロだったため、ブースターケーブルでSTiのバッテリーと直接接続し、5分ほど充電。


それにしても、こんな風にブースターケーブルをつなげるなんて、もしかしたら初めての車たるZ31以来かも、、、、あの頃、Zのナビシートでペットボトルを「はい。」と開けてくれた嫁はなぜああも可憐で優し、、いや、それは考えたらあかん、、、とブツブツ独り言を言いながら思い出に浸っているうちに5分経過。

室内に持ち込み、今度はバッテリーチャージャーにて家庭用電源から充電開始です。


20%刻みで振られたチェックランプで、どの程度まで充電しているかが分かります。
フルチャージまで掛った時間、大凡4時間。

その間、仕掛っていた趣味の私小説を脱肛、、、いや、脱稿(汗)

お恥ずかしながら、暇を見つけては、こんなのをシコシコといくつも書き上げ、読み返す度に自己嫌悪に苛まされているのです(赤面)

今回のテーマは笑いあり涙ありオカルトありの青春小説で、出来不出来は別として、360ページとまあまあの長編。
毎回そうなのですが、書いている間は登場人物にどっぷりと感情移入してしまうため、手が離れた途端、達成感よりも寂寥感のほうが勝ってしまいます。
そして、こういう読み物を書き上げると、まず、決まって嫁がレビューするが我が家のしきたり。
何事においても常に辛口コメントで私を悶絶させてくれる嫁から、今回はどんな感想が出るのやら、聞くのが怖いけど聞きたいジレンマに、それはそれで身悶えしてしまう(汗)

最後に誤字がないか推敲後、プリントアウトしたはいいものの、嫁に見せる段になって、直腸付近でさく裂する緊張と胃腸風邪のダブルコンボにより、尋常でない腹痛に襲われ、しばらく厠に引きこもっている内にバッテリーチャージ完了。
完全に放電していたことから、思ったよりも充電に時間がかかったこともあり、もう1個のバッテリーは後日充電することにいたしました。

そして夕方、「お腹大丈夫?」と書斎に重湯を持ってきてくれた嫁に、「これ、出来たやつ。」とおずおずと原稿を渡すと、「いつも筆が遅いのに、今回は早いんじゃない。」となにやらご機嫌の様子。
それは、まるで、胃腸風邪に罹患した私の生殺与奪権を握っていることを楽しんでいるようにも見えてしまうのは、きっと体と精神がそれだけ弱っているからに違いない。。。
パラパラと原稿を捲る嫁を横目に、重湯をすすっていると、またしても、刺すような痛みが下腹部を襲ってくる。
痛い、、、マッハでトイレに駆け込みたい、、でも読み進める嫁の表情も気になる、
そこから、永遠に近いような時間が流れる中、直腸大決戦を繰り広げる私を尻目に、5分の一ほど読み終えたところで、顔を上げる嫁。
果たして、その判定は、、、、、

「ふ~ん、預かっとくわ。」との微妙な一言に、括約筋をはじめとした全身のありとあらゆる筋肉が弛緩し、あわや大惨事になるところでした(汗)

現在、腹痛は若干残るも、普通に食事が出来るぐらいにまでに回復。
嫁は、子供達を連れ、作品を持って近所の喫茶店のランチに行ってしまいました。

さて、今から、2個目のバッテリーの充電に取り掛かっている間に、洗車して、チラシが入っていた家電量販店にでも行ってこようかな。
お目当ては、古くなったエアコンの買い替えと、あと、『i-Pad特価××××円!!』が、なぜか気になって仕方がなかったりして・・・


※ここでお知らせ。以下、自家発電またはそれに関連する栗の花フレバー漂うコメントをお考えの皆様におきましては、くれぐれも良識の範囲内でお願いいたします(嘘)

Posted at 2012/05/12 12:11:58 | コメント(5) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記
2012年04月23日 イイね!

同心円を持つ2台

同心円を持つ2台GTVとの肉欲に溺れた2年間の幕が下り、後釜として実に14年ぶりとなるボクサーターボがやってきてから、ストイックなジャパニーズスポーツの魅力を再認識し、子供たちのウケもすこぶる良いことも手伝って、嫁と交互にハンドルを握り、結構なペースでマイレージを刻んでいるここ最近。

しかし、日の当る所あれば影ができるのは道理。

GTVの持つ天真爛漫な色気と性技に溺れ、愛人宅に足しげく通う旦那の姿を横目に、「よよよ・・・」とほつれた後ろ髪を頬に垂らして人知れず耐え忍び、そのGTVに三行半が突き付けられて、ようやく旦那が再び自分のもとへと戻ってくると信じていた矢先、その後やってきたSTiの健康美に旦那は再び骨抜きにされ、自らの不遇をただ嘆くしかないという、谷崎潤一郎をぶっりぎりに安くオマージュした耽美小説のような下りですが、
ここ数年、側室達に主人の寵愛を奪われ、我が家で、まるっきり日陰の存在と化していたのは、不動の正妻とは名ばかりのE46M3なのでした。

所有して6年目に突入する今年。
16000kmでやってきた当初は、リコール対策の慣らしもあって、道後温泉をはじめとした長距離ドライブに連れ出し、湯水のように高額パーツを投入していたのもの、その後、ペースは激減し、現在の走行距離35900km。
不世出の直6NAを息子に託すためと言えば聞こえはいいものの、その実、ボディカバーをいちいち捲って畳むのが手間となり、GTVがやって来た時、週に1回はM3に乗ると決めたことが2週に1回に、やがて月に1回程度に目減りし、かろうじてそのペースをキープしているのが現状。
ボディコーティングとオイル交換は半年に一度と、最低限のケアはしていながらも、年に1000kmしか刻まないマイレージは如何ともしがたく、PilotSport2はバリ溝にもかかわらずサイドウォールの劣化により交換、バッテリーの寿命は1年足らずと、もったいないことこの上ない事態が頻発しております。

それでも、乗ったら乗ったで、超抜エンジンは常に新鮮な感動を、乗り味に至っては、素人の私でも舌を巻くほどの、車齢11年とは思えない感銘を与えてくれるのは、前車であるE36M3Limoから引き継がれた最大の美点。

前回、ボディカバーをめくったのが1ヶ月前というあまりに長い放置状態を見かねて、週末の深夜、久々にM3に火を入れ高速路へと連れ出しました。

高めの回転数で不敵なアイドリングをするS54にゆっくりとギアをつなぎ、向かうは名環~伊勢湾岸道。
駐車場の段差を乗り越えるタイヤの最初の一転がりから、「ああ、M3だなぁ。」といつものフィーリングにニンマリさせられるも、暖かくなるまで割と渋い操作系やデフのバックラッシュは丁寧な前儀を求めている証。
ナインハーフのミッキーローク宜しく、じわじわとM3の火照りを誘い、油温が正位置に達し、可変式レブカウンターがフルスケールになったところで、スロットルを深めに開け、S54の金属音とエキゾーストが渾然一体となって共鳴する合流口から、本線へとM3を滑り込ませました。
深夜のこの時間帯は、まるで日常から抜け落ちたかのように、ほぼ貸切状態で高速クルージングが楽しめる贅沢なタイムゾーン。

「ここのカーブはSTiのほうが速いぞ。」と一々頭の中で、最近ほぼ毎日のように乗っているSTiとの比較をしてしまうのは、無理からぬこと。
しかも、比べれば比べるほど、生まれも育ちも違うはずなのに、どこか同じ匂いを漂わせ、根底で通じ合っているような人物と出会った、そんなシンクロ二シティを感じてしまうのです。

心臓部である343馬力(+ケレナーズパワー)のS54と300馬力のEJ25ターボは良くも悪くも好対照。
STiの手が入ったとはいえ、ターボでドーピングした汎用のEJ25が、世界遺産レベルとまで絶賛される珠玉の直6ユニットが相手では少々分が悪く、レスポンス、官能性、回転フィールの密度は圧倒的にS54。
特に高回転域の突き抜け感に至ってはS54の独壇場。レブリミットが6700rpmのEJ25に対し、3.2LのS54が長いクランクを捻じるようにして8000rpmまで軽々と吹け上がる様子は感動を通り越して畏怖すら覚えるほど。
試しに、0-100kmを手元のG-Techで計測したところ、M3が5.4秒だったのに対し、STiは5.9秒とM3に軍配があがりました。
しかし、EJ25ターボの2500rpmを超えたあたりから背中を押されるお化けトルクとフラットな特性は、ミリ単位のアクセル開度に反応する神経質でピーキーなS54よりも扱いやすく、かつ静寂性においても不等長ボクサーサウンドの控え目なハミングといい、街乗りは勿論、グランドツアラーとしての素養はM3と同じか、もしかしたらそれ以上かもしれません。

高速スタビリティにおいて、AWDのSTi、FRのM3ともに、私ごときの技術ではなんのホツレもなく、鬼のような高速安定性を有しており、敢て、そのマナーについて違いを見つけるのであれば、高速道路の継ぎ目を超えた時の挙動が、M3はトトンとシンコぺ気味に収束するのに対し、STiはドッドンとアクセントをつけて伝えてくるところでしょうか。
女子高生をも納得させたシュニッツアーの足周りが入ったM3、ダイレクトさに徹したSTiと、嫁は「硬すぎる。」とどちらもあまりいい顔をしていませんが、個人的には両車の味付けとも好ましく思えるレベルです。
ハンドリングのセンター付近での曖昧さはどちらも皆無。応答性では相対的にSTiのほうがクイックで、切り始めの鋭さはラリーフィールドで鍛え抜かれた凄みを感じてしまうぐらい敏感。
その代償として、切り終わりが早めに来ることもあり、最小回転半径は5.5mと駐車場によっては往生する可能性も。
M3のメインステージはアウトバーンなので、この辺りにも設計思想の違いが垣間見られます。
ちなみにM3の最小回転半径は5.3mと意外にコンパクト。

ブレーキに関して、うちのM3は後付け6Pod、STiはオプションの4Podブレンボにつき、カチッとした初期制動は勿論、フルブレーキングでは首を持っていかれること間違いなしの強力な制動力は頼もしい限り。重力級の2台にとって性能相応のブレーキは、メンテもそれ相応で、盛大に削り落ちるブレーキダストとの終わりなき戦いが待ち受けています。

シフトフィールは、6MTと5ATと決定的な違いから、STiのATがいくらチューンされているとはいえ、タイムラグが付きまとうトルコンはMTのダイレクト感に及ばないのは当然としても、STiの変速スピードは、ダウンシフトに限って言えば、瞬時にブリッパーが作動し、体感的に自分が操作するMTよりも速く感じてしまいます。
トルコンの穏やかな変速は、ツーペダルMTの低速時の直接的なショックを伴う変速に比べて、これはこれでありだと思ってしまいました。
M3の6MTは、もう少しストロークを短くして、コクコクと手首で決まるようになってくれると申し分ないです。

内装は、皮の質感など、STiもありもので頑張ってはいるものの、新車価格の差が一番反映されているのではないかと思えてしまう部分。
それでも、M3、STiともにチリの合わせ方やプラスチックパーツの均一なクリアランスなど作り込みは生真面目なメーカーだけあってさすがの一言。
機能性においては、GTVのようなデザイナーのセンスがそのまま具現化した豪奢で遊び心漂うものとは対極に位置する、操作のしやすさに特化したもので、M3のSPORTMODEとSTiのSiDriveの過剰と思えるほどのメリハリの利いたギミックもさることながら、そこかしこに奢られた『M』と『STi』のエンブレムが、否が応にも特別な車のハンドルを握っているというステータス性を演出してくれます。

そして、高速走行中には、M3、STiのどちらも、その気はなくとも、血の気の多い車にテールを攻められるのは、もはや抗えない宿命。
M3の場合、Z33など国産ハイパワースポーツをはじめ、911やAMGに背後から追随されることが良くありましたが、STiの場合、やはりその因縁からか、EVOシリーズがテールに貼りついてくる頻度がぶっちぎりに高く、全く相手にするつもりがないのに、ぐいぐい喰い付いてくるのでつい右足に力が入ることも。
逆に、前を走っている車に過剰なプレッシャーを与えてしまうこともあるので、車間距離はたっぷり取るよう注意が必要です。

国も違えばメーカーも違う、そもそも価格差もあるこの2台を比較することは、オーナーと言えどもナンセンスなことかもしれません。
しかし、STiとM3には、異母兄弟とは言わないまでも、バックボーンにあるベクトルや哲学が同種のものであることを感じざるを得ないのです。

それは、どちらも箱型セダンをベースとして、好事家達を唸らせる特別なパワートレーンとオーバーフェンダーなどのアピアランスを与えられているもの同士である上に、その根底には、飛行機メーカーをルーツに持つエンジニア魂が静かに脈打っている、まさしく、同心円を持つ2台

そう思い始めて以来、M3とSTiのハンドルを握る度に、GTVとはまた違った趣と、どちらをベンチマークにしようか贅沢な葛藤が湧き上がって来ては、ドライバーズシートでつい口元がゆるんでしまうのでした。
Posted at 2012/04/23 19:11:27 | コメント(7) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記
2011年12月14日 イイね!

消え行く愛車との触れ合いの場

消え行く愛車との触れ合いの場最近、急速に身の回りから消えていったものの代表格といえば、公衆電話。
その他、ゲームセンター、テレクラ、近所の怖いおじさん、エ○本の自動販売機など枚挙に暇がありませんが、私の周りから少しずつ姿を消していっているもの、、、
それは洗車場なのです。

数ヶ月前、M3の埃を洗い流そうと、久々に向かったご贔屓の洗車場が見当たらず、その辺りを一周したところで、更地になっていたことに気がつき、愕然としてしまいました。

広々とした洗車ブースに、20台は優に飲み込む拭き上げスペース、3台あるの洗車機のうちの1台が近所で唯一のノンブラシ洗車だった、その洗車場。

週末ともなると、それなりに混み合っていたはずなのに、いつの間にか閉鎖していたとは、にわかに信じられず、近くのコンビ二にM3を止め、洗車場跡地に歩いて行ってみるも、既に工事が終わり、貼紙はおろか、だだっ広い砂利地があるばかり。
ということは、この残高3,000円の洗車カードは、、、、
ああ、リーマンショックの時と同様、またしても有価証券に類する物が紙切れになる瞬間を目撃することになってしまうとは(涙)

コーティング技術が向上し、また、洗車機の性能も塗膜の硬度も上がり、洗車の手間が省かれたのはありがたい限りですが、それと反比例して減っていく自分でする洗車の機会。

思うに、洗車場といえば、車好きが集う場でもあり、人と車のコミュニケーションの場。

性別、年齢、服装、趣味が違うオーナー達が、それぞれの個性を集約した車で乗り付けた洗車場で、することといえば、等しく自分の愛車を洗うこと。
車をただ洗うのではなく、タッチアップをしたり、ステッカーを貼ったり、中にはパテ盛りするツワモノもいたりしましたが、ウェスを片手に腰をかがめながらボディを愛でる表情は、時に真剣であったり、満足げだったりと、愛車に対して向けられるものばかりでした。

『洗車場デート』という特集がトレンド誌で組まれ、雨が降れば必ず手洗いし、そして都度ワックスを掛けるなど、洗車が楽しいイベントでもあり、最寄の洗車場で、当時の彼女とも仲良くZのボディを磨き上げた20代の頃。

洗車場に行けば、いかついチューニングカーや希少車など様々な車との出会いがあり、同じような車のオーナー達と意気投合しては時間を忘れて語り合い、中には、フェラーリ308のエンジンルームに直接高圧ジェットを拭きかけ、すさまじい水蒸気を立ち上らせ、JAFを呼んであげた初老の紳士や、
洗車場デートをしていた恋人同士の、誰かのイアリングが出てきたとかで喧嘩になり、また、コンソールから指輪が出てきたとかで今度はプロポーズになるなどの様々なドラマを目撃いたしました。

その反面、大音量でヒップホップを鳴らしながらワックス掛けをしたり、ゴミ箱に入りきらないほどの大量のゴミを捨てていく迷惑な輩も居たりしましたが、ミッキーマウスがリアウィンドから顔を出すミニバンを家族総出で車を拭き上げるほほえましい光景がそこかしこで見られたのも洗車場。

その彼らとの縁も、この中に限ったことで、洗車が終わり、そこから出れば、また他人に戻るという一期一会がありました。

なによりも、愛車と直に触れ合うことで、様々なコンディションに気がつき、いつの間にか深まる愛着。

しかし、冬でもバケツの氷を叩き割ってお湯の出る洗車場まで遠征に行っていた若かりし頃の情熱も今は消えうせ、それとシンクロするかのように、車好きの友人達ともよく洗車しに行った実家近くの洗車場にも入り口にはチェーンが掛けられ『長らくのご愛顧ありがとうございました』との貼紙が・・・

画像の洗車場は、E36M3Limoの時から息子と一緒に洗車をし、時に、仁義無き抗争に巻き込まれたりした思い出深い場所です。

設備投資の回収が進まず、嵩む維持費から、セルフ洗車だけでは生業が立たなくなった洗車場は、ひっそりとその役割を終え、思い出へと変わっていくのかと思うと、車離れというよりも、総じて愛車とへの関心が希薄化していることに、一抹の寂しさを感じ得なかったりします。

と、更地になった近所の洗車場に思いを馳せていると、以前より、たまにはお互いの愛車をじっくり洗車しながらお披露目しようと約束をしたまま、予定がずっと合わなかった変態犬さんからのメールを放置していたことを思い出してしまいました。
彼から来るメールの98.9%(メタル総研調べ)はロクでもない要件であることは間違いなく、そのメール
を改めて開けてみると、
『とあるルートより会員制高級洗車場の潜入に成功。2011年の滓を万難を排して洗い流すべし。詳細、追って連絡する。』との案の定過ぎるアダルトな内容に、返信する必要も一切無かったのですが、つい勢い余って「行かねーよ!!」と返した途端、ニュートリノを超える速度で送られてきたのが次のメール。
『追記:下回り洗車は絶品♪』
誰か彼の視床下部を煩悩ごと丸洗いしてあげてください(嘆息)



※こちらは洗車をモチーフにした、たまらんサムネのおまけ動画。
諸兄におきましては、くれぐれも自己責任で、、、途中のサボテン注意です(謎)




Posted at 2011/12/14 18:02:12 | コメント(10) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記
2011年12月11日 イイね!

今年最後の紅葉をM3で

今年最後の紅葉をM3でこの週末、エテロドッソさんでのドラシャ左右のブーツ交換、そしてTKさんでのエンジンオイル交換と、不義不貞の間柄といえども、普段、仕事のパートナーとして高揚と癒しを与えてくれるイタリア娘ことGTVに、一足早いクリスマスプレゼントを奮発した甲斐あって、とろける様なアルファサウンドと臭い立つかのごとく豊潤なエンンジンフィールで応えてくれるのは喜ばしい限り。


しかしながら、その反面、今月に入ってまだ一度もハンドルを握ってないのが、正妻たるM3でして、、、
これはいかんと思い立ち、本日、紅葉の見納めに、連れ出してまいりました。

皆既月食の宴を洗い流すように冬の気配が穏やかに運ばれ、凛とした冷たい空気がたちこめた今朝。
かじかんだ手に白い息を吹きつけながら、カバーを外し、M3の心臓部に火を入れると、一瞬の身震いの後、派手な咆哮とともに目覚めるS54。
1分間ほどのアイドリングを終え、ゆっくりとギアを繋ぎ、車庫からM3を出すと、寝覚めでご機嫌斜めなのか、いちいちぎこちない操作系。
インパネが示す気温は5度、水温計はわずかに動いただけで、油温計は未だに突っ伏したまま。
可変式のレブカンターに占めるイエローゾーンが消えていくのはまだ時間がかかる。

今から向かうのは、県道15号、通称『愛岐道路』
全長11km程度の、元は有料道路だった愛知県瀬戸市と岐阜県多治見市を結ぶちょっとしたバイパスでして、信号は2箇所のみ、そしてところどころに地味なラブホテルがいくつかあるため、地元の走り屋や訳ありカップルに密かに人気だったりします。

下道を進んでいくうちに、シフトもショックもやわらかく馴染み、最後の彩を添える紅葉が見え始めた県道15号の入り口に差し掛かる頃には、ウォーミングアップを十分に終えたS54は、いよいよその官能性と攻撃性を露にし、もっとガソリンを入れろと甲高いエキゾーストを吐き出しては私をけし掛けてくる。

交通量は幸いにも僅少。
前が開いたところで、レブカウンターの針を躍らせると、密度の高い回転フィールとともに弾けるようなパルスが、晩秋の境にとどまる紅葉の谷間に遠慮なく響き渡り、
シュニッツアーの足回りは、決して路面状態が良いとはいえないアスファルトの凹凸を上手くいなし、タイトコーナーでは、未熟な私のハンドリングに余りあるフォローを与えてくれるのです。
ミシリとも言わないボディ剛性は、車齢10年になろうとは思えない強靭さ。

所有して5年目、前車のE36M3Limoから数えればM3歴10年となる現在、自分の中での評価は最初の頃と全く変わらない。

GTVが纏う痙攣的な美は捨てがたいが、本妻はM3だと改めて思いつつ、折り返し地点のコンビ二で手で持てないぐらい熱いコーヒーで一休みをした後、復路へ入ると、生活道だけあって、遅い車に引っかかり、ペースが上がらない代わりに、最後の紅葉をじっくりと楽しむことが出来ました。

帰宅後、テニス教室でリア充予備軍まっしぐらの息子を拾って、封切りになったばかりの映画『REAL STEEL』へ。

設定にちょいちょい突っ込みどころはありますが、CGを駆使した娯楽映画として、十分楽しめるものでした。
CMの影響なのか、お父さん&息子の組み合わせが多く、涙するお父さんの姿もちらほら。
そんな息子も映画の主人公と同い年の11歳。
共感するところも多く、観終わった後もしばらく興奮冷めやらない様子。

その息子に託すべくM3を乗り続けようとしている訳ですが、帰りの車中、最近、彼が気になる車があるというではありませんか。

それは、FT86とBMW Vision EfficientDynamicsの2台。

息子が免許を取れる年齢になるのが7年後。
それまでに、映画REAL STEELのような二足歩行でボクシングが出来るロボットは登場しないだろうけど、もし、M3を譲ることが私のエゴであって、息子の望むことでは無かったら、、、、、
その答えが出るのはまだ先のことであり、思春期に入れば恋に遊びにと興味が行くのは当然のこと。
例え、M3のハンドルを握るのが私限りだったとしても、免許を取った息子と、楽しく車談義が出来るよう、メーカーさん、お願いしますね!!
Posted at 2011/12/11 23:51:50 | コメント(7) | トラックバック(0) | E46M3 | 日記

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