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2011年10月05日 イイね!

お父さんをロックオンするスナイパーな中古車屋さん

うちの近所にある激安中古車屋さん。
激安だけでなく、バス停がすぐ目の前にあるため、通勤や通学に加え、停車中のバスの中からも車両が目に入る好立地なことも手伝って、在庫の足も速く、目の前を通るたびに、新しい車両が入っていたりしています。

在庫車両も、常時20台程度が並べられ、SUVからミニバン、そして外国車までとバラエティ豊か。
開店した当初は、安くて良品を集めているのだろうと何気なく通り過ぎてはいたのですが、とある法則を見つけてしまったのです。
それ以来、お店の前を通るたびに、ある時は衝動を抑えるのに必死になり、またある時は、真剣に駐車場を考え、やがて、安堵と落胆を繰り返す精神状態の連続でして、、、、

最初、在庫車両の中に置いてあったのは、80スープラのSZ
お値段は込みこみで50万円以下。
その時は「ふ~ん、懐かしい車置いてるなぁ。それにしても安くなったもんだ。」と、横目で見て通り過ぎるだけでした。
数日後、スープラの姿はなくなり、その後に入庫されていたのが、GTOツインターボの前期型
お値段、またしても50万円以下。
「お、スープラ売れたんだ。しかし、これまたコアなの仕入れて。個人的には大歓迎だけど、売れるのか?」
と勝手な心配をするのも、なぜかざわつく胸の中。
しかし、そんな私の心配をよそに、GTOもその週末にはプライスカードの上に『売約済み』の文字がでかでかと貼られていたのでした。
「へえ~好きな人も居るんだね。」感心した反面、心の中を風が吹き抜けていく郷愁に似た感覚。
GTOと入れ替わるように入ってきたのが、なんと、Z32のNA&5MTの中期型。
私にとって、子供が出来て泣く泣く手放した思い出の1台。
突如、フラッシュバックする、嫁とこのZ32で過ごした若かりし頃の記憶。
胸の中のざわつきがその存在感をいっそう際立たせ、なにかを訴えかけてくる。
しかも、お値段、お約束の50万円以下。
「俺にどうしろと言うんだ、、、、、」
そんな逡巡をしている間に、あっという間に、『商談中』のカードが立てられ、その次の日には『売却済み』へと入れ替わっていました。
私の胸の中に去来するのは、安堵と喪失感、そしてとある疑問。

『不人気のはずの古いクーペであるにもかかわらず、他の在庫車両と比べても異常に回転率がいいのは一体どうしたことだろう。』

そして、次の車が入ってきたとき、その謎を解明することが出来たのです。

その車とは、ST205のセリカGT-FOUR

当時、トヨタがラリーで勝つことを至上命題に、水冷式インタークーラー、スーパーストラットサスペンション、フロント4Pod、リア2Podキャリパーなどなど、莫大な開発費を注ぎ込んだ、バブルの産物ともいえる1台で、あの頃の車好きにとっては憧れのホットモデル。
肝心な成績は、レギュレーション違反やインプ、ランエボなどのライバルの台頭などもあって、パッとしませんでしたが、スキーに連れてってでおなじみの先々代、ラリーチャンプだった先代のイメージを踏襲し、過剰性能に加え、ガンダムチックなエクステリアに、実は私も一度は所有したいと思った一人。

並べられていた個体の色は黒、走行距離も9万kmとまだまだこれから。
お値段も安心の込みこみ50万円以下。

一目見たときから、熱量を伴って湧き上がってくる胸の中のざわめき。
ある日の夕方、とうとう、どうにもこらえきれなくなった私は、実車を見に行ってみると、そこには、会社帰りと思しき、2人のスーツ姿の男性の姿があったのです。

さらに到着したバスから降りてきた乗客の中から、立ち止まり、腕組みして眺める同世代のお父さんまでも現れ、ミニバン達を差し置いて最も注目される車両となった、GT-FOUR。

そうなのです、こうしたネオヒストリックJ'Sを目の前にして、同じざわめきを感じたのは私だけではなく、80年代、90年代のモータリゼーションを免許取立ての若い頃に体感し、今は家族を持ち、ファミリーカーで落ち着いたはずの、そんなお父さん達のハートに燻っていた残り火が、再び燃え上がらんとしているのでした。

しかも、在庫は1台きりのワンチャンス。
昔はフルローンでしか買えないほど高嶺の花だった価格も、お小遣いでなんとかやりくりできる程度。
「今しかない!!」
この店を訪れたお父さん方が、きっとそんな気持ちで、奥さんを説得し、憧れの1台を引き取っていかれたのでしょう。

件のGT-FOURも売り手が見つかったようで、早々に次の車にバトンタッチ。
次の車といっても、これまた通泣かせのランサーエボリューションのⅣ型でして、ほどなくしてマニアな誰かのお眼鏡に適い、もらわれていってしまいました。

今、店頭にはコンパクトカーやミニバンに混じってR33のGTS25tのタイプMが並べられています。
当時、日産がリニアチャージドコンセプトを掲げつつも結構ドッカンターボだった250psの直6FRマシン。
おまけに相変わらず激安ときているので、もう、絶対に印鑑を持って出歩けない(汗)

現在の自動車メーカーからは、決して出ないであろう、きらびやかな80~90年代のアイドル達。

少しくたびれたとはいえ、それがお小遣いに貯金を少し足した程度で手が届く値段となり、その中の1台をぽつんと並べることで、この界隈のお父さん達の胸の中に眠る甘酸っぱい憧憬をロックオンしては、まんまと射止めてしまう、まるで凄腕スナイパーのシモ・ヘイヘのような中古車屋さんでした。

もし、程度のいいZ31が並べられていたら、、、、、それは、もはや運命かも(滝汗)


Posted at 2011/10/05 14:35:53 | コメント(9) | トラックバック(0) | My Life | 日記

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