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2022年05月20日 イイね!

「海が見たいの」から始まる潮風グラフィティー

「海が見たいの」から始まる潮風グラフィティーまいこサンデーからの帰路、知多産業道路をM3でクルージングしていた時、ふと、脳裏に蘇る20代の頃の記憶。
・・・海が見たいの。
BB5のナビシートで、けだるそうにしていたあの娘が、ボソッとつぶやいた一言。
「え、海?今から?」
「あ、ううん、何でもない。気にしないで。」
誰に言うでもない、何気ない独り言として、うっかり漏れ出た言葉だったのが、その時のトーンがあまりにも物悲しく、驚いて彼女のほうを見ると、普段、めったに弱音を吐かず、気丈に振舞っていた彼女の、憂いを湛えた横顔があったのでした。

その時、車を走らせていたのも、この産業道路。
適当な海水浴場を見つけ、誰もいない季節外れの砂浜で、海を見て帰ったあの日の夕暮れ。

そんなセピア色の記憶のフラッシュバックとともに、潮風がブワッと体中に押し寄せて来たような感覚に襲われ、居てもたってもいられなくなり、
「海が見たいんじゃー!!」と張り切って浜辺BBQでもしようかと嫁と子供を誘ってみると、すでに別の予定あり。
仕方なく、一人で走りに行くかと、家を出ようとしたら、
「折角、海行くんだったら、はい、これ。」と嫁から手渡されたのは、バケツと熊手
「は?え?、、、、」
「今調べたら、あと1時間後に大潮なんだって。夜はボンゴレ食べたいな♪」
「どういうこと!?」
「ほらほら、早く。」と嫁に促され、慌てて、タオル、日焼け止め、着替え、クロックス、軍手、ペットボトル、ビニール袋などなどM3に詰め込み、いざ出陣。
海で遊びたいと気軽に口走ったばかりに、まさか夕飯の材料調達クエストを託されようとは、何という嫁のギルドマスターぶり。
それに、確か、ツメタガイとかの被害が甚大で、歴史的なアサリの不漁続きなんじゃないのかと思いつつ、言ってもシーズン真っ只中、それなりの混雑覚悟で現地に到着すると、全然人が来ていない(汗)



1,500円(4㎏)の入漁料を支払うと、「その熊手じゃ、貝に負けるよ。」と漁師さんに道具を指さされ、おすすめの短い鎌のようなものを、言われるがままに、100円まんまとせしめられで貸して頂きました。



あの時と同じ、ほとんど人のいない浜辺には、ウミウシやらクラゲやらが打ち上げられており、試しにあちこち掘ってみるも、アサリの気配すらなし・・・
「これはやらかしたか。。。」と、岩ガキにターゲットを変えつつ時間を見ると大潮の少し前。それならとM3に一旦戻り、嫁が持たせてくれたおにぎりを頬張っている間に、何台かの潮干狩り客が駐車場に。
腹ごしらえ後、砂浜へ降り、再チャレンジです。



潮が引き切り、沖のほうで採掘を始めると、そこそこのサイズのアサリが掘れ出し、バケツ半分程度獲れたところで、軍手が破れ指先を負傷したのと腰と足に限界が来たので、帰宅することにいたしました。

計測すると3㎏とまあまあの成果。

参考までに、帰りは、下道中心に走ったところ、気温26度、Bootmod3のStage0でのブーストは131kpa。往路含め最大で135まで上がっており、Stage1には及ばないにしろノーマルよりはさすがにパワーが出ている様子でした。


「ただいまー!!」と意気揚々に玄関をくぐり、バケツを手渡すと、「わーい♪さすがパパ!お疲れ様。」と顔をほころばせる嫁。
早速、アサリをごしごしを洗って50度のお湯で砂出しをし、宣言通り、ボンゴレと酒蒸しが夕飯の食卓に並びました。
ただ、おいしいにはおいしいのですが、もっとプリプリしていた数年前のと比べると、ちょっと身がやせており、成育があまり良くないかなといった印象。

で、今さらながら、初めて『ハイドラ』とやらを使ってみたところ、往復113㎞を走ってみて、車王国の当地で、ハイタッチ0、遭遇したのは覆面パトカー1台と、あまりに切なすぎる結果に(泣)


現在、洗車を終え、無理な姿勢によって肩と腰に尋常ならざるダメージが残った体に、バンテリンを塗りたくり、鞭打っております(涙)

「海が見たいの」との色褪せた記憶から始まった、まさかの潮干狩り。
その彼女とは、特に付き合っていたとかでもなく、かといって友情とはまた別の曖昧で不安定な間柄。
お互いに相手がいるのは弁えた上で、そうならないよう一定の距離を置いていたはずだったのに、あの時、浜辺で、確かに彼女は何かを言いかけていた。
それは一体何だったのか、胸の中から既に消えていたはずしこりが、浜風とともに砂の中から少し顔を出していたのでした。


Posted at 2022/05/20 12:06:00 | コメント(5) | トラックバック(0) | F80M3 | 日記

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20年前に偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人...
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