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FlyingVのブログ一覧

2012年07月31日 イイね!

文系の超えられない壁

文系の超えられない壁神の粒子ことヒッグス粒子がCERNから発見されたとの発表がなされ、いよいよ宇宙の真理に触れようかというところまで辿りついた最新の量子力学の分野。

最近、ニュートリノなど特にニュースや新聞記事となって紙面をにぎわすこのトピックについて、去年、夏休みの自由研究で恒星の一生をテーマにしてからなにげにプチ宇宙オタクと化した息子に、
「一体、何が分かるの?」
「どうやって発見できたの?」
「宇宙の始まりみたいだけど、それって何が起きてたの?」
「お父ちゃんのことで、お母ちゃんがたまに超新星爆発を起こしているのは、お父ちゃんのダークマターが発見されたからなんでしょ?」
てな、質問が飛んでくるわけでして、
「う、うん、、、まあ、あれだ、、、宇宙の始まりは、ビッグバンさ、、、多重宇宙ってな説もあるしな、、あと、お父ちゃんのダークマターの存在なんてないぞ。」
「ふーん、、、、お父ちゃんのダークマターはお母ちゃんの解析が進むとして、オレが知りたいのはヒッグス粒子のことなんだけどね。」
とまあ、こんな具合に背中に冷たい汗をかきつつ、グダグダかわしていましたが、イタリア娘ことGTVの暴露からダダ下がりの父親の威厳を、宇宙について少しぐらい蘊蓄を垂れ、息子からのレスペクトを勝ち取ってやろうと取り寄せたのが、画像の本。

大栗博司先生の『重力とは何か』(幻冬舎)です。

学習障害児であった私にとって、専門書をひも解いたところで、ほぼ理解できないことは火を見るよりも明らか。
そこで、応用物理を生業にしている知人に、ド素人でもあっという間に理解でき、ついでに弐式の艶やかなお姉ちゃん達から「物知りなメタラーさんね~ねえ、その続きは、お店終わってから二人きりで聞かせてくれない?」なんて、潤んだ瞳を向けられる、なにかいい本はないかとメールした所、「これなら読み物としても面白いし、ものすごく分かりやすいよ。」とお姉ちゃんの下りは完全にスルーされ、薦められたのが本書でした。

これを読めば、息子は「お父ちゃん、すごい!!さすが!!」と目を輝かし、
そして、「あなたって、メタル車バカだとばっかり思っていたけど、実は博学なのね。今夜は精が出るものにするわ♡」と、嫁の乙女心をくすぐり、
さらにネオン瞬く猥雑な名古屋の繁華街では、ヒッグス粒子のごとく、肌を露にした夜の蝶達を引き寄せるに違いないと妄想にふけりつつ、表紙を捲ってみると、知人の言葉どおり、平易な言葉とウィット溢れる前書きに、「これなら読める、おもしろいぞ。」と膝を打ち、いざ本編へ。

しかし、このちっちゃい見栄が、とんでもない間違いだったと、読み進めるほどに、思い知らされたのでした(涙)

Amazonの書評で、『バリバリの大リーガーが、素人相手に絶妙な力加減でキャッチボールをしてくれている』とありましたが、高校2年の時、代数幾何で赤点を取り、物理においては過呼吸に陥るほどの拒絶反応を示したエクストリーム文系頭の私に、そんな専門分野から飛んでくるボールをまともにキャッチできるはずもなく、読破したというよりも、字面を追うのがやっと。
ニューロンが限界を伝え、システムダウンを繰り返す脳をだましながら、ようやく読み切ることができました(滝汗)

肝心な内容はと申しますと、折角の良書を処理能力2ビットの私が台無しにしてしまうといけませんので、ほぼ引用にてご紹介するとして、重力を解き明かす過程を時系列に、冒険譚風に描写していあり、光は粒子でもあり波でもあること、一次元から十次元まで時空が存在し、そして、完璧だと思われた相対性理論の破れが起きていること、シュレディンガーの猫による波動関数の収束、シュワルシルト半径からメールを出し続けるとどうなるかや、そして宇宙の深淵にある超弦理論の仕組み等、知的好奇心をくすぐられるものばかり。
ノーベル物理学賞を受賞した南部先生もご登場されたり、独特のタッチで描かれたイラストも味わいの一つです。

ああ、書くほどに自分の無知と無学が露見して、今日を過ごすのが辛くなってしまう(涙)
こんなことなら、数学と物理化学の授業中にギターのフレットに見立てたノートで運指の練習なんかしてないで、ちゃんと勉強しておけば良かったなぁ、トホホホホ・・・

そんな私でも、重力の研究が宇宙の真理に結び付くということを、300ページ足らずの紙面で高密度かつ理路整然と語られていることぐらいをなんとか理解できたのは、大栗先生の筆力によるところでして、フルマラソンを途中何度も休みながら、20時間ぐらいかけて走り切ったような、そんな心地よい疲労感が頭の中に残りました。

そうそう、みんカラに関連する項目といえば、車のGPSも重力研究の賜物だそうです。

とまあ、ヒッグス粒子にあやかってモテモテ理系インテリメタラーになるどころか、嫌になるほど文系だということを痛感させられた本書。
息子に薀蓄垂れるのも無理な上に、再読という追試が確定です(泣)

それにしても、北杜生、阿部公房、山田風太郎、福岡伸一しかり、理系の大家が著した名書が、べらぼうにおもしろいのは、文系が決して入り込めない領域があってこそなんですね。ずるいなぁ~(嘆息)

さて、宇宙の真理は天才達にお任せするとして、そろそろ最近めっきりご無沙汰となっている、名古屋の某繁華街に集中する桃色プライマリーフェロモンの解析に向かおうかと思った矢先、やるべきことがあることに思い当たったのです。

それは、ある真理を、T先生にお伝えするというミッション。

独身にピリオドを打つと本気で入れ込んでいた女子大生Mちゃんが、T先生から見て、既に光速に近い速度で完全にシュワルツシルト半径に入り込み、先生からのメールもなにもかも決して到達できない座標にいるということと、T先生が手をつなぐという行為の代償として買い与えた高価なカバンも時計も全部、そこに持っていかれてしまったというあまりに切なすぎる真理。
しかし、Mちゃんからもらったメールを嬉しそうに自慢するT先生を目の当たりにすると、2ビットの文系頭をいくら捻っても一体どう説明したらいいのかさっぱり見当がつかず、もしかしたらT先生がニュートリノと化して奇跡が起きるのかと頭をよぎるも、即座に「ないない。」と否定する、そんな繰り返しが続いているのでした。


PS:次のブログのテーマは、氷点下間違いなしの『納涼 恐怖体験シリーズ』にすべきか、『T先生の男のけじめ』にしようか思案中です。
Posted at 2012/07/31 12:56:55 | コメント(9) | トラックバック(0) | My Life | 日記
2012年07月20日 イイね!

ゆとりをこじらせたOLの、ちょっとした言い間違いから事件に その3 

人は間違いを犯す動物であることは疑いようもなく、思い出したくない失敗の一つや二つぐらい誰もが経験しているというもの。

そんな私も、「ああああああ、、、、、」と叫びながら服を全て脱ぎ捨て、もし近くに核ミサイル発射ボタンがあったのなら全力で押してしまいたくなる衝動に駆られるほどの黒歴史と大失敗が両手両足でも足りないぐらいございまして、今尚、風化することなく鮮度そのままに大脳新皮質から零れ落ちて来ては、慚愧の念に支配されてしまうのです。

とまあ、決して人のことを言えた義理もございませんが、今回ご紹介するのは、以前にもご紹介した、ちょっとした言い間違いシリーズの第3弾。
 ゆとり世代と呼ばれ、クライアント先の入社1年目が経過したOLさんによる、愛すべき事件簿です。

そのゆとりというにはあまりに奔放であけすけな性格ゆえ、純真無垢なモラルクラッシャーとして社内の秩序を破壊し、一部の社員から快哉を受け続ける彼女のエピソードをいくつか抽出してみました。
あくまで、演出をたっぷり効かせたビジネス小話として、ウィークエンドの暇つぶしにご覧くださいませ。

今回の主人公は、社内では『ゆとりをこじらせた女』として、その名を馳せる、総務のSちゃん(仮名 22歳)です。

ちなみに、これまでのシリーズはこちら

・可憐で清楚なOLさんが放った罪作りな一言に、男子社員の海綿体と部長のボーナスがえらいことに
【ちょっとした言い間違いから、事件に】

・熱血漢のY部長が操る、独創的な日本語が引き金となったはた迷惑なイベントの数々
【ちょっとした言い間違いから、事件に その2】


さて、本題。

Sちゃんが新卒として入社し、総務に配属されたのは、去年の春こと。
ぱっと見の印象は、安めぐみをもっとおっとりさせた感じの、気立てのよさと初々しさを漂わせた可愛らしいOLさん。
業務遂行上、総務とは絡むことがあるため、彼女に、簡単な用事をお願いすることもしばしば。
ただ、その度に、ジーと上目遣いに見つめられ、たっぷり間を作ってからゆっくりと鼻に掛ったような声で話をするため、無防備な男子社員をドギマギされるのとは裏腹に、お局さん達の神経を逆なでする、世間で言われるところの高島彩のようなタイプ。
最近では、ローラを意識してか「テヘッ」という仕草が目につくようになった、恐るべき天然素材なのです。

総務部長から聞いたところによると、地元の中堅大学を卒業したものの、なかなか就職先が決まらず、社長の口利きで入社してきた縁故入社のドラフト1位だそうでして、彼女が入社してきてからしばらくは眠れない夜が続いたと、1年前、目の周りにクマが浮き出た血色のない顔でおっしゃっていたことがありました。

そんな彼女が入社して間もない頃 。
総務部のデスクを一つ借りて、作業をする私の耳に飛び込んできたのは、彼女とその先輩OLさん達のかしましい会話。
なんでも、次のGWはどこに旅行に行くのか話している様子でして、とにかく旅行会社のパンフレット片手に盛り上がること盛り上がること。

聞くつもりはなくとも、妙齢のOLさん達の会話を聞くなというのが無理というもの。
キャピキャピしたSちゃん、落ち着いた雰囲気の三十路の独身OLさんと、目鼻立ちの整った名古屋嬢OLさんの話は、「去年、セブ行ったけど、すごく良かったよ~☆」とか、「どうせ泊るんなら、オーシャンビューの部屋だよね。」などなど、仕事中であること全くお構いなし。
部長もその辺りは完全にスルーしているようで、変に注意して逆恨みされるよりは触らぬ神にたたりなしを決め込んでいるようでした。

しかし、会話が進むにつれ、Sちゃんがおかしなことを言い始めたのです。
Sちゃん「北海道行きたいなぁ。」
三十路OL「うん、いいよ北海道も。タラバも解禁になるしね。」
Sちゃん「沖縄もまだ行ったことがないんです。。。そう言えば、沖縄の『ってなんですかね。」
名古屋嬢OL「え?、、良く聞こえなかったけど、??」
Sちゃん「はい。だって、北海道は、『道』じゃないですか。京都は『ですよね。愛知は『県』だし。で沖縄は『ってなんか変じゃないです?」

ぽかんと口を開けたまま固まる両OLと総務部長。
三十路OL「Sちゃん、、、あのさ、、逆に聞きたいんだけど、北海道は『道』、愛知は『県』だよね!?東京三重は?」
「は?東京は東京都、三重は三重県ですけど。」とバカにするなと言わんばかりの表情で憮然と答えるSちゃん。
それを聞いた三十路OLさんが、「じゃ、じゃあさ、京都と沖縄は、何だと思っているの?」と恐る恐る聞いてみると、
「そんなの、京都は沖縄はですよ!」との、自信満々のSちゃんの回答に、総務部全員が椅子から落ちそうになったのでした。

そのやりとりの最中、ただ、ひたすら悲しそうな表情をこちらに向ける総務部長

「本気で言ってるのか、それ?」とため息交じりにSちゃんに聞くも
「はい。だってほら、パンフレットにも、そうだ北海道行こう!とか、あるじゃないですか。そうだ沖縄に行こう!ってのもここにありますよ。」とのあまりに毅然とした彼女の態度に、
「うみんちゅの皆さん、ごめんなさい。。。」と、頭を抱えてしまいました。
「待って、待って、、、、整理させてもらうけど、Sちゃんの中では、2都1道1府え~と、42県と1縄ってこと?」
「よく分かりませんけど、そういうことです。」とあくまで強気なSちゃんに、もはや仕事どころじゃなくなった総務部長が、涙目のまま、 「鹿児島は分かるか?」
「ええ、あの噴火している島のことですよね。」と一瞬正解かと思われましたが、良く聞いてみると、まさかの桜島を鹿児島県全部だと思っていたことが判明。

すかさずアトラスを棚から引っ張り出してきた三十路OLさんのやさしい日本の地理講座がスタートし、Sちゃんもようやく自分の過ちに気がつき、顔を真っ赤にしておりました。

しかし、この日のSちゃんはこれだけでは終わらなかったのです。
「もう、私、本当に恥ずかしいです。。。。。あんなに世間知らずだったなんて」と、反省した面持ちで、お茶を飲んで一息ついたSちゃんは、またとんでもないことを吐き出し、再びおかしな空気をこしらえてしまったのでした。

「私、いっそのこと、おバカタレントになれるかもしれないと思っちゃいました。だって、あれだけ、あきらさまに間違えたの生まれて初めてです。」


それを聞いて、「お前なら確実になれる。でも、でも、、、会社名だけは絶対に言うな。」と机に顔を突っ伏し、肩を震わせる総務部長。

「Sちゃん、あきら様って、スター錦野のこと好きなの?それともEXILE?」と、極めて冷静に受け応えする三十路OLさん
「EXILEはあんまり好きじゃないです。」なんのことやら分からないSちゃんに、
おもむろに顔を上げた総務部長が、
「お前、あきらさまって、あ か ら さ まに間違っているんだよ。」と力なく伝えたのでした。

とまあ、ゆとりを壮絶にこじらたSちゃんでしたが、お客さんと同席するときに、自分だけペットボトルを持参したり、また、電話で相手先の名前を復唱するときに、「井上の井は、井戸の井。」と伝えた相手に対し、「どこの井戸の井ですか?」と切り返すなど、他にも色々やらかしたことは想像に難くなく、その中から、この1年間で、伝説と化した選りすぐりのエピソードを2つばかりご紹介。


Sちゃんが勤まるだけあって、給与計算や人事異動の時期を除くと、総務部は、総じて平和で弛緩した部署(失礼:汗)でして、
そんないつもの暇な1日に、OLさん達が、TV番組でやっていた女の直感がどうだこうだで盛り上がっていた時のこと。
法務局にお使いに行っていたSちゃんが帰社するやいなや、大好物な話題にすかさず喰いつき、謄本を置きっぱなしにして、OLさん達の話の輪に混じり始めたのでした。
年齢の若い総務課長が、「さすがにこれはいかん。」と注意しようと席を立ったその時、フロアの時間が止まったそうです。

Sちゃん「ですよね~私も経験あります。第六感でやつですよね!!え~と、、、シックス、、なんでしたっけ、、そうだ、シックスナイン!!」
膝を折り、中腰のまま硬直する課長。
そして湯呑を片手にゲホゲホむせかえる総務部長。
 
自分が何を言ったのか、全く気にせず、どんどん話を続けるSちゃん。
「私、結構、敏感みたいなんですよ。彼氏にもなんでって、良く言われますし。」
その途端、「おお!!」と声を上げる隣のシマの企画部の男子社員達。
すると、姉ご肌の三十路OLさんが、小声で、
「Sちゃん、、、、それ言うなら、センスだって、、、ね?」との一言に、自分が何を言い間違ったのか理解し、見る見る顔を赤らめるSちゃん。
「え、やだ、、、私、、、そう、それです、、、シックスナインセンス!!」
口に含んだお茶を盛大に吹きだす総務部長を横目に、
「あんたのセンスには、負けたよ。」と人生の酸いも甘いも噛み分けた先輩OLに敗北宣言をさせてしまったのでした。


さて、仕事にも慣れ、半年ほどたったところで、もはや手に負えないと判断した総務部長が、社長の縁故ということもあり、社長に押しつける目的で、秘書室にSちゃんを移動させた時のこと。
ある日、秘書室長から、「社長、明日ホールだから、一緒に回るの、大切なお客さんだし、セット忘れずに用意しておいて。」と指示が出されたのでした。
この会社は、社員の行動管理はグループウェアを入れておりまして、総務部長から「メモだけはしっかり取るように」との言いつけをちゃんと守って、Sちゃんは、社長の予定を忘れないように、グループウェアに登録しておいたそうです。
グループウェアに登録した予定は全社内に開示されており、いつどこで誰が何をしているのか情報共有できる便利なツールですね。

そんなしっかりもののSちゃんが入れたメモの内容が、社内で凄まじい物議をかもしだすなんて、この時は誰も予測だにしてなかったという・・・

はたして、社長の予定欄に入力されていた、その戦慄のメモとは、、、


「社長、アスホール セット用意」
 
(アスホール=asshole 直訳すると、『社長、ケツの穴』 つまり、『社長のクソ野郎』)

これに気がついた総務部長の「バカバカバカ、このおバカ!!」との内線により、2時間足らずで削除されてしまいましたが、 全国の支社、工場から、Sちゃんのもとに、
「GJ!!」だとか、「よくぞ言ってくれた。」「まさかの19番ホールか。」「OBだけはマジで勘弁。」「セットにはワセリンも忘れずに。」などなどのメールが殺到し、
朝礼の際に、社長の「おはようございます。」の挨拶に混じって、「オナシャス!!」との声も上がったとか。

結局、Sちゃんは、積もり積もった心労からかすっかり気持ちが折れてしまった秘書室長の泣きが入り、再び総務部に。

総務部長の、「人生で、これほど寿退社を祈ったことがない。」とポツリと漏らした一言が象徴する通り、今日もこの会社の総務部内では、ゆとりではとても括りきれないスケールのSちゃんの無差別テロが炸裂しながら、平和な時間が流れているのでした。
Posted at 2012/07/20 18:29:21 | コメント(11) | トラックバック(0) | business | 日記
2012年07月18日 イイね!

オカルト好きの性ゆえに

オカルト好きの性ゆえに梅雨らしい梅雨と明け際の猛暑日により、我が家の庭で、例年になく爆発的に成長した庭木と雑草達。
ほんの少し放置しただけで、触手と化した蔦があらぬところへと巻き付き、西表島かと思うほどの局所的な亜熱帯雨林が形成されておりまして、猫の額ほどの庭にも関わらず、夕暮れ時には、ブレア・ウィッチの森のごとく不気味な冷気を漂わせるほど鬱蒼としておりました。

その、あまりのおどろおどろしさに、高村光太郎が、『5月6月の日本列島は隅から隅まで濡れて出たやうな緑のお祭』と謳ったような若葉を愛でる気にもなれず、嫁からの、「メタラーって、チェーンソーやハサミ使って切るの得意だよね。」との著しい偏見により、亜熱帯雨林の始末を押しつけられてしまいましたので、新しい高枝切りばさみを求め、少し離れたホームセンターへとSTiで向かうことに。

最近できたばかりのここは、商品の充実度もさることながら、棚の配置が見やすく、しかもペットOKということもあって、週末ともなると駐車場はほぼ一杯になるも、アメリカ型のSSM形式を採用しているためか、広い店内は人とワンコでごったがえすこともなく、なによりもレジのスピードがとにかく速いので、近所のホームセンターをスルーしてつい足を運んでしまうのです。

奇跡的に1台だけ空いていた日陰の駐車スペースにSTiを潜り込ませ、ガーデニングコーナーに向かう途中、なんの用もないのに無意識にカー用品コーナーへと足が向き、はっと我に返ったところで、棚から手に取っていたのが、画像のKURE POWER BOOSTERお徳用パック。

1990年代後半、パッケージ裏に描かれた添加前と添加後のインテRのパワーチェックグラフに胸躍らせ、愛車の給油時にこれを入れまくっていた独身時代。
他の怪しげなケミカルに比べ、体感度が圧倒的に高く、オカルト&ケミカルグッズファンの心を鷲掴みにしてスマッシュヒットを続けたロングラン商品だったと記憶しています。
二匹目のドジョウを狙った他のメーカーより、次々に似たような商品がリリースされ、SEVの登場で百花繚乱に咲き乱れたケミカル&オカルトグッズは、まさにカー用品の花形へとのし上がり、この世の春を謳歌していたその時、ケミカルグッズファンにとって、平成の魔女狩りとも治安維持法とも呼ばれ今も尚語り継がれる(嘘)、非情な公正取引委員会の排除命令により、数々のケミカルグッズが姿を消していったのでした。
しかし、ゲシュタポの目をかいくぐり、生き残ったケミカルグッズが今も逞しく売られており、POWER BOOSTERをはじめとした呉工業のこのシリーズもその一つ。

「懐かしいなぁ。。。。」と、車に良いと聞けばあらゆるオカルトグッズを買い漁っていた当時を思い起こし、今ではそこそこ現実的になっている自分に窘められるも、そのまま棚に戻そうとしたところ、何度も値札を貼り直した跡が残る、白く色あせたパッケージに思わず手が止まりました。
「こんなになるまで売れ残っていたのか。しかも、2本で980円のバーゲンプライスだなんて、、、」
濡れた子犬を拾ってしまったような哀愁漂う場末感に、うっかり父性が芽生え、そのままカゴの中へとフェードイン。

で、都合10年振りとなる、POWERBOOSTERは、1本はM3、もう1本はSTi-ALineへと、アイスクリームのパピコ(古!)よろしく、仲良く半分こです。

ちょうどSTiのガソリンが1/4程しか残っていなかったことから、帰宅途中、いつものGSに立ち寄り、STiのガソリンタンクへと投入。
果たして、EJ25ターボにどのような効果を及ぼすのか、それは体感できるものなのか、さてインプレ開始とばかりに、満タン給油を終え、GSから公道へとSTiを合流させてみると、、、
なんと、低速トルク、特に負圧の掛らない、2000rpmまでのNA領域が力瘤一つ分、増えているじゃないですか!!
満タン給油をしたときに、地下タンクの冷えたガソリンにより、なぜかエンジンレスポンスが上がったように感じるようなものではなく、確実に眠たかった2000rpmまでのトルクのつきが違っている。

プラシーボ効果も多分にあるものの、毎日のように通勤でハンドルを握るSTiの微妙な変化を気付かない訳がない。
しかし、体感できたと言い切れるかと問われれば、、、、と逡巡する私の脳裏に浮かんだのは、

以前、ブログでご紹介いたしました、女子大生Mちゃんに入れあげた挙句に、ブランドバッグやら時計を買い与えたT先生から、
「あのさ、、、Vさん聞いてよ。Mちゃん、近頃、全然メールも返ってこないし、なんかそっけないというか冷たいんだよね。前期試験終わってからも忙しいみたいだし、水着を買いに行く約束もしたんだけど、ひょっとしたら、つき合っていたと思っていたのは僕だけかもしれない気が。。。」と沈んだ声で相談を持ちかけられた過日。
実は、T先生とは手をつないだだけと、なぜかMちゃんから聞いてしまっていた私。
今だから、はっきり申し上げましょう。
T先生、それは決して気のせいではございません!!

そして、この勢いを借りて言ってしまえば、POWER BOOSTER投入後の、STiの低速トルクが増えたのは、気のせいなんかじゃなかったのでした。

今朝の通勤時にもその効果は、混雑し、アクセルオンオフが頻繁に起こる名古屋市内でも顕著に表れておりました。
過給が始まると、いつもと変わらないお化けトルクが湧き上がって来て、効果は分からなくなりますが、渋滞時における、低回転域の効能は大変ありがたい限り。
十年振りに試用したPOWERBOOSTERの思わぬ効果に二ヤリとさせられ、つい遠回りして帰宅。
ただ、体感の可否や費用対効果は、それぞれの価値観にお任せするところかと思量します。

さて、我が家のミステリゾーンと化した庭ですが、今日も真新しいカバーがついたままの高枝切りばさみを横目に、嫁の視線が、スティーブンキングのシャイニングばりに、日に日に鋭さを増して突き刺さるのを、いつまで気のせいにしておけるのかは、もはや時間の問題になってきたことは間違いないとだけ申し上げておきます(ブルブル)


※改めてお断りをするまでもございませんが、当ブログ内の感想は全くの私見によるものにつき、製品の効能を保証し、または販売を斡旋するものではないことを念のため申し添えさせて頂きます。
Posted at 2012/07/18 13:13:22 | コメント(8) | トラックバック(0) | STi | 日記
2012年07月11日 イイね!

厭世の頂きを越えて

ここ数週間で私の身の回りで起きたことの断片に触れるのですら痛ましく、みんカラにログインすらできない程の車社会への厭世観に支配され、気が付いたら前回のブログ更新から、本日で約1ヶ月。

これほど書くことを躊躇われた車に纏わる事柄が今までになく、そのままフェードアウトすることも考えましたが、みんカラという車をテーマとしたSNSであるが故、触れないままブログを再開することはできないと判断し、敢えて、重い筆を取ることにいたしました。

私の地元、愛知県は、車王国である一方、当地の運転マナーは名古屋走りと呼ばれ、無謀運転の代名詞として今や全国区に、そして、その不名誉を証明するかの如く交通事故件数ワースト1のデイフェンディングチャンピオンでもあります。
通勤の行き帰りでもその運転の粗さには、走り慣れた地元とはいえ、無法さ加減はメキシコの麻薬カルテルかと思うほど鼻をつまみたくなる光景もしばしば。
私自身、いくら安全運転を心掛けていても、過去に何度となくトラブルに巻き込まれ、不愉快な思いをしてきた経験から、ドラレコを常時ONにするのが習慣に。
幸いにも、ドラレコが役に立ったことはなく、免許を取ってから20年、私自身がハンドルを握って、交通事故に出くわしたのは、M3Limoの頃に追突された無過失物損の1件だけ。

しかしながら、この数週間、私の身の周りで立て続けに起きたこと、、、それは4件の交通事故でした。

内訳は物損事故が1件、人身事故が3件の計4件で、巻き込まれたのはどれも私と近しい人たちばかり。

さわりを書いただけで、負のメンタリティーがまたぞろと顔を出してくるため、ミスリードをしないよう、極力、感情を排し、客観的事実のみ列記させていただきたく存じます。

物損事故については、私の妹が運転するプジョーがとある交差点で信号待ちの先頭になった時、明に無理なタイミングで突っ込んできた右折車両が、対向車に接触した弾みに、そのまま妹の車に突っ込み、逃走を図ろうと別の車に次々と追突しながら中央分離帯に乗り上げたところで、妹の数台後ろで信号待ちしていたパトカーから降りてきた警察官に御用となったのでした。
どうやら、運転していた男は薬物常用者だったようで、反射的に逃げようとしていたとのこと。
妹は、折角の新車がキズものになったと嘆いておりましたが、けが人もなく、その男が任意保険にも加入してあったため、解決へと進んでいます。


重大なのは3件の人身事故のほうで、ここから先は、暗澹たる気持ちに呑み込まれないよう、事故の詳細は割愛させていただきます。

1件は、頼りになるビジネスパートナーで個人的にも長年親しくさせてもらっている、法律家のA先生が、帰宅途中、青信号で横断歩道を渡っている途中に、飲酒運転の左折車両が一旦停止もないまま横断歩道へと進入し、A先生の体を空中へとはね飛ばし、先生はそのままアスファルトに激しく体を打ちつけたそうです。
先生は、外傷の他、肋骨、右上腕部、左大腿骨骨折と、そしていくつかの臓器にもダメージを負う重傷にも拘らず、命に別条はなく、A先生をA先生たらしめている知が結晶化した明晰な頭脳が無傷なのは、不幸中の幸いと言って良いのかどうか躊躇う所ではありますが、お見舞いに行った際には、
「もちろん、法的な決着はきちんとつけるよ。今の僕は十王裁判ですら勝つ自信がある。」と痛ましい姿ながら、数々の敵対する相手や咎人達を震え上がらせた鋭い眼差しを向け、不敵な笑みを浮かべておりました。

次の1件は、A先生の事故から1週間もたたない内に起きました。
クライアント先の大変お世話になっている役員さんが趣味の中型バイクで同じく仕事からの帰宅途中で遭遇した事故で、端的に申し上げれば、見通しのあまり良くなく、事故が頻発している交差点で、役員さんがバイクで右折しかかったところに速度超過のトラックが役員のバイクと接触し、バイクごと数メートル引きずって停止。
この事故で、バイクは廃車、当人は左足首から先を失う大怪我を。
命が助かったのが奇跡的と言われるぐらい凄惨な現場だったようで、ご自身も自分が生きているのを不思議がっていたとのこと。
お見舞いに伺ったところ、「Vさん、今度、再生医療に投資することにしたよ。もちろん検体ごとね、って、この俺だけど、うはははは。」と極めて気丈で、「で、折角だからファントムペインとの激闘を本にしたいんだけどさ、Vさん、ゴーストライターやってくれんか。」とご家族があきれるほどポジティブに振る舞っておりました。
体の一部を失うという、私の想像を絶する苦しみや葛藤があったことを微塵とも表に出さない、その強靭な精神には感服するばかりで、現在、驚異の回復力を発揮し、仕事に復帰しています。

最後の1件は、この役員さんの事故の後、我が家のごく近所で起こったもので、ドライバーも近所の方ながら、事故に遭ったのもご近所さん。
法的な過失は車にあるにしろ、不注意と不運なタイミングが重なって起きた、大変、痛ましい事故でした。
その事故の当事者は、息子の同級生で親友のM君。
そのM君と息子とは、同じ野球チームで汗を流し、競い合った友でもありライバルともいえる存在なのです。
小学校最後の地区大会で、息子はピッチャー、その子はサードのレギュラーを勝ち取り、打たせて仕留める軟投タイプの息子は、M君を中心とした鉄壁の守備に助けられ、接戦をものにしながら、ついには、悲願の優勝まであと1勝というところまで勝ち上がることができたのでした。
しかし、その決勝戦が週末に迫った、ある蒸し暑い夕方、纏わりつくような湿気を切り裂くような電話の電子音が鳴り響き、「はい。」と電話を取った嫁の表情が、受話器の向こう側の相手と二言三言言葉を交わすうちに見る見る曇り、ゆっくりと受話器を置いて、カレーを忙しく口に運ぶ息子に、沈痛な面持ちを向けると、
「あのね、、、今、監督から連絡があって、、、」
「うん。」とカレーを口いっぱい頬張る息子に告げられたのは、M君が、たった今交通事故に遭い、集中治療室に居るということ。
時間が止まったかのように、咀嚼を止め、スプーンを持ったまま固まる息子。
そして、「うそ、、、」と小さくつぶやくと、ニ階の自室へと階段を駆け上がり、しばらく、「カレー残すの?」といった嫁の呼びかけにも、ただ、ドアを閉め部屋に籠ったきり、次の日の朝まで出てくることはありませんでした。
事故が起きた現場は、密集した住宅街の、低速走行が義務付けられたいわゆる生活道路。
ドライバーにとっても長年通り慣れた道でもあり、M君にとっても勝手知ったる場所だったのですが、前述したとおり、実に不運なタイミングといくつもの軽微な不注意により発生し、自転車に乗っていたM君は頭と背中を打ち、意識不明でICUに運び込まれたとのこと。
M君がICUからいつ出られるとも分からず、未だ予断の許されない状態のまま迎えた決勝戦はと申しますと、絶対に優勝を届けるとのスローガンを掲げ、乱打戦の末、悲願の連覇を達成。
そして、先週末、チームの何人かで優勝の報告に病院へと向かうと、そこには一般病棟に移され、
「あーバッティングセンター行きてぇ。」と頭に包帯を巻き、いたずらっぽい笑顔を向けたM君の姿を見て、思わず泣いてしまったそうです。

その話を息子から聞き、ようやく厭世観の頂きを越えた気がしたため、数週間足らずの間に身近で起きた4件の事故をブログにしたためることにいたしました。

痛ましい事故ながら、救いだったのが、命に別条がなかったことと、順調に回復し、解決も滞りなく進んでいるということ。
妹のプジョーも綺麗に直り、復活しています。

今朝の通勤途中でも、名古屋走りなどと揶揄される当地の運転マナーは相変わらずで、今も県内のどこかで大なり小なりの交通事故が起きていることは想像に難くありません。
それが自分と無関係であれば、現実味が伴わない遠い外国の様の出来事のように、単なる情報として通り過ぎていき、「自分だけは事故をしない。」という蒙昧で根拠のない思い込みに囚われながらハンドルを握る日常。

自身の運転について振り返ってみても決して褒められたものではなく、このブログで安全運転の啓蒙をするなど、とてもおこがましくてできませんが、確実に言えるのは、ハンドルを握って車を動かす、ただそれだけの行為が、他人を巻き込んで、常に加害者と被害者のどちらにもなり得る潜在的な要素を帯びていることと、
そして私自身が大きな事故もなく今日に至っているのは、偶然の重なりであり、この重なりを継続していくための有用なのは、車に乗らないという選択肢を除くと、正確な状況判断ができる余裕と良識ある運転以外に考えられないのです。
我が家の車庫に並ぶM3とSTiは、高性能車両であるが故の自制を常に心がけ、それができないようなら乗る資格はないとの当然の覚悟と改めて向き合ったこの1ヶ月でした。
Posted at 2012/07/11 18:30:30 | コメント(16) | トラックバック(0) | My Life | 日記

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