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2025年11月04日 イイね!

M3とJKと名古屋飯

M3とJKと名古屋飯この3連休、レジャーどころか持ち帰った仕事に追われ、それから逃げるかのようにF20の整備にかまけてしまい、オイル交換で禁止されていた下回りに潜ったことが、いつに間にやら追加されていた屋外カメラとうっかりモトリークルーが流れたことで嫁に発覚(整備手帳にて)し、現在、それに対する経済制裁をはじめとした沙汰は持ち越しとなり、戦々恐々とした連休明けを迎えております(震え声)

そんなF20のカウルトツプ交換作業中、ワイパーがどうしても外れず、変な姿勢をとり変な顔から変な声を出して格闘しているところに、人の気配がして振り向くと、そこに娘の姿が。
「何してるの?」と隣に並び、エンジンルームをのぞき込む娘の横顔は、16歳になり、いつに間にか嫁の背丈を追い越し、ついこの前まで、少女だったのが、大人へと移行していく思春期特有の儚さを漂わせており、親ながらドキッとさせられることがあるのです。
「このゴム部分がね、ボロボロになっているから交換してるところ。え~と、要は、、、」

てな感じに、分かりやすく説明しようとしたら、
「ふ~ん、水酸化物イオンで加水分解してるんだ。」と理系ド直球の返しに、
「そ、そう、まぁそんなところ。。。」と秒で文系の限界に突き当たったため、
「で、どうしたん?」と話題を変えると、
「お腹空いたので、どこかランチ行かない?」と娘。
通っている塾で短期のお手伝いをしたバイト代が出たから、何かご馳走したいと前々から言っており、とはいえ、その気持ちだけでも十分過ぎるほどありがたいため、
「それは、勿体ないから、まだとっておこうか。で、どこ行きたい?」と聞き返したところ、
「味噌煮込みが食べたい。」とのこと。
友人がバイトをしている味噌煮込みのお店があり、そこに行ってみたいらしく、
「でも、車がこんな風だから、今日は無理だよね。」
そう言い残して、家に戻ろうとする娘に、


と、呼び止め、G80のキーを取り出してみせたのでした。
「作業途中みたいだけどいいの?」
「いいのいいの、この工具が届かないと全然進まないから。」とF20のボンネットを閉めて施錠し、G80を玄関まで回し、娘を乗せてランチへと向かったのでした。


「この車乗るの久しぶり♪なんかいい匂いするよね~」とどこか楽しそうな娘。
「お店が近過ぎて、車によくないから、少し遠回りしていい?」と尋ねると、助手席でニコっとうなずく娘の表情は、本当に嫁によく似てきている。

幹線道路をぐるっと周り、マフラーに程よく熱が入ったところで、入店。
ピークが過ぎても込み合う店内ながら、ウェイティングなしで、テーブル席へ。
すると、お茶を運んできた女性スタッフが娘を見るや否や、
「いらっしゃいませ、、、あれ~、来たんだ!!」と声を上げ、それに呼応するように、
「うん、連れて来てもらっちゃった。」と娘と少し世間話が始まり、最後に私が紹介されたところで、仕事に戻る後ろ姿を見送りながら、
「もう分かっていると思うけど、あの子が○○ちゃん。」と説明してくれたのでした。

その後、タッチパネルでメニューを選択。
それにしても、かつては1,000円払って、そのお釣りでコーヒーが飲めるぐらい庶民的だった味噌煮込みが、インバウンド価格ではないにしろ、こんな値段になっているなんて、高市さんに消費税と円安を何とかしてもらわないとと思いながら、バイトの彼女がおすすめした、海老天味噌煮込み(@2,000円!!)とライスを2つ注文。

待つ間、娘はスマホを取り出し、ラインを起動。
そのフリック入力の速さに慄きつつ、熱々の味噌煮込みが到着。
煮立った鍋を運ぶのはベテランさんの役目。


値段は変われど、昔から変わらぬ美味しさに赤味噌が練り込まれたDNAが喜んでいる。

〆のライスで腹パンになり、お会計をした後、お友達のバイトちゃんが、駐車場までお見送りに来てくれて、そこで娘としばし立ち話。
『高校は別々ながら、娘がしばらく学校に行けなくなった時も、ずっと友達でいてくれてありがとう。』
そんな気持ちが沸々と湧き上がってくるのを胸の中で押し堪え、お店を後に。
その車内、「ご馳走様、美味しかった~♪連れて行ってくれてありがとう♪」とご機嫌な娘。
心なしか、G80のエキゾーストも何だか上ずっている。

「あ、そう言えば、〇〇ちゃん(バイトしていたお友達)、車カッコイイって言ってたよ。」
と、かつて大学生から「イカツっ!!」と言われ、ご近所のお嬢ちゃんから「カッコ悪い」と指さされたG80が、まさかJKからイケメン認定されるとは、
「おお!!そうなんだ、どの辺がカッコイイって??」と調子に乗って聞いてみると、
「う~んと、全体かな。乗ってみたいみたいよ。」
「いいよいいよ、今度連れといでよ。」とテンションが上がったところで、私は重大なことに気が付いたのでした。
「カッコイイって言ってたの、車だけ?」
「うん。」
「他に何か言ってた?」
「また来てねって。」
「それだけ?」
「うん。」
「あ、あとは~、、、、名古屋コーチン入りがお勧めだって。」
「・・・・・え~と・・・・・じゃあ、次はそれにしようか・・・・・」
「うん!」
こうして、社交辞令を学んでいない、正直なJK達は、絶対コロスマンとして小学生たちを恐怖させた、不都合なビジュアルな私を存在ごと華麗にスルーし、G80のカッコよさを素直に口に出し、友情を確認し合ったのでした。
その晩、嫁にこのことを話したら、「そ、そりゃそうでしょ、、、、いい加減現実と、、、あーはははっはははっはは」と顔をクシャクシャにして笑われたのと同時に、今度連れて行って欲しいとのこと。

仕事も何とか片付け、F20のカウル交換が無事終わり、G80もJKのお眼鏡にかなうなど、高濃度な連休を過ごしたはずなのですが、何だろう、この、冷めた味噌煮込みを口にしたような、やるせなさは・・・

娘は16歳。
丁度その頃、私は入学した高校で嫁と同じクラスになり、一目で恋に落ち、その後、報われることがないと思われた片思いを、4年間こじらせていったのでした。
そして、折しも、高1のこの時期、嫁がスーパーイケメンな彼氏を学祭に連れて来て、クラスの男子のほとんどが失意に沈んだ、あの秋の日と重なり、16歳の嫁の面影を浮かべた助手席の娘を見ると、その一人として思春期のデッカイ失恋に打ちひしがれた自分が蘇り、胸の古傷が少しだけチクリと疼いた気がしたのでした。

※タイトル画像は、16歳のまっすぐな感受性とどうしようもなく破滅に向かっていく姿を巧みに描いた傑作映画
Posted at 2025/11/04 13:38:30 | コメント(3) | トラックバック(0) | My Life | 日記

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「M3とJKと名古屋飯 http://cvw.jp/b/192969/48747940/
何シテル?   11/04 13:38
偶然出会った96年式M3CLimousineを溺愛すること4年、そして涙の別離を乗り越え、その後、やって来たE46M3と忘れえぬ10年来を共にした不人気車とメタ...
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