~回想~
頭の中でオーバーラップする、
追憶の情景・・・。
レン吉アーカイヴ、
今回はリミックスバージョン。
ジブリアニメ『おもひでぽろぽろ』に、
1982年頃、奥羽本線経由時代の寝台特急『あけぼの』が登場します。
アニメの場面に、当時の記憶を重ねて。
あの宮崎駿さんプロデュースで、高畠勲さん監督、名コンビの作品。
時空を超えて1982年、国鉄 上野駅。
主人公のタエ子(声;今井美樹)が、上野駅から24系「あけぼの3号」に乗車して山形に向かいます。
上野名物、列車案内の看板が懐かしい…。
以前は改札口の上に、列車名と行先、時間を書いた列車案内板がぶら下げられていて、駅員が手作業で掛けたり外したりしていました。
☞これはこの冬、六本木ヒルズで開催されていた『天空ノ鉄道物語』で再現された、昭和40年代前半の上野駅改札口。
(Special Thanks, Photo by バツマル下関さん)
今の上野駅中央改札です。
大壁画は修復され残っていますが、行先案内は液晶表示となり、自動改札機が並びます。
時刻は22:00頃、
高架下、地平ホームの静寂を破るスピーカの声!
「業務放送ぅ、トォーナナ番、回1003列車、接近!」
(【訳】17番線、回送1003列車が接近中)
「1003列車」は下り「あけぼの3号」秋田行の列車番号。
尾久客車区から上野駅へ回送されるときの列車番号は「回1003列車」となります。
そして、構内アナウンスが・・・!?
「お待たせいたしましたー、17番線に~、22時24分発ぅ~、特急寝台「あけぼの3号」奥羽線回りぃ秋田行が入線しま~す」
国鉄、JRを通じて『寝台特急』ではなく、『特急寝台』と案内する車掌さんや駅員さんが多かった記憶がありますね。そのたびに、
「やっぱ、寝台特急でしょ!」
と言いたくなったものですが・・・。
そして、尾久-上野名物、推進回送運転で、「あけぼの」がオハネフ24を先頭に入線してきます。
脱着式の標識灯を点灯、貫通扉を開放し空気管に直結した非常ブレーキ弁を操作する推進運転士(通称ラッパ屋さん)が前方注視。
(Wikipediaから)
さすがにアニメでは、貫通扉を開け推進運転で入線する理由が描き切れなかったのでしょう。
いや、もう少し突っ込むと、1990年に上野駅での電源車ディーゼルエンジンの騒音、排ガス対策で編成ごと方向転換されるまでは、電源車カニ24が編成最後尾の東京方に連結。つまりこの頃の上野入線は電源車カニ24を先頭に推進運転されたはずなのですが、アニメではオハネフ24が先頭になっています。
そしてアナウンス、
「危ないですから~、白線の内側までお下がりくださーい」
この頃はバリアフリーも意識されない時代。
黄色い点字ブロックもありません。だから「白線」の内側。
左がアニメの24系「あけぼの」乗車の場面、右は上野に到着した14系寝台特急「北陸」。
乗車案内版がぶら下がる、上野駅地平ホームの雰囲気が出ています。
開放2段式B寝台です。出入口に星三つ★★★のマーク。
幅70cm×高さ100cm、カーテン1枚で仕切られるプライベート空間ですが、十分な設備でした。
通路の補助席に腰掛け、流れる景色を眺めながら、小学5年生の自分を思い返すシーンも。
座り心地はあまりよくないのに、なぜかずっと景色を見ながら感傷に浸れるスペース。
車内や風景の描写が結構リアルです。
ちゃんと交流電気機関車が描かれています。
福島では、奥羽本線板谷峠を越えるため、EF71とED78の重連に機関車が交代。
1982年当時の「あけぼの」は24系12両編成。38‰の板谷峠を越えるため、福島-山形間はED78+ED78もしくはEF71+ED78の重連運用でした。
EF71とED78は信越本線碓氷峠のEF63とEF62に相当する急勾配用の交流電気機関車。
EF63は碓氷峠、横川-軽井沢間専用でしたが、EF71とED78は福島-山形間で共通運用されました。山形新幹線開業後EF71は廃車され、ED78は仙山線から奥羽線三線区間の山形-蔵王間に乗り入れる貨物を牽引していました。
午前3:51、山形駅に到着。
EF71とED78の重連がけん引しているところが忠実に描かれています。
ちなみに先発の「あけぼの1号」は山形には停まりません。なので山形に停まるこの列車は「あけぼの3号」だとわかります。
早朝の山形駅5番線。
これは芦原温泉駅に停車するトワイライトエクスプレス。
客車列車の佇まいっていいですね。
山形駅改札口から振り返ると、「あけぼの」の牽引機は山形で機関車交換されています。
ここから奥羽本線用のED75 700番台がけん引。
(さすが高畑監督、時間の推移も、鉄描写も完璧!)
ほぼ同じ角度で撮った、現在の山形駅と現存するED75 738。
夏休み、タエ子は、仙山線高瀬駅近くの農家でべにばな摘みの農業体験するため山形に来たのでした。
そして、ステイ先の農家から迎えに来たトシオ(声;柳葉敏郎)。タエコが起きられず乗り過ごしたと勘違いしてあわてた様子。
新幹線開業前の山形駅。地方駅によくある、改札の正面が1番線でしたねー。
タエ子は一足先に改札を出てトシオとすれ違い。
昔は、待合室で深夜から早朝まで夜明しする人もよく見掛けました。
後ろからタエコが現れ、チャンチャン♪
R2でお迎え。
山形新幹線開業前の山形駅舎、懐かしいです。東北の中心駅は大きな広告看板を掲げた駅が多かったですねー。
山形駅前の風景も懐かしい。
「十字屋」山形店は2018年に閉店。
紅花は山形の名産。花びらを摘んで干し、頬紅の原料となります。
花びら摘みは人手が頼り。
『べにばな』は仙台-山形間を仙山線、米坂線経由で結んだキハ58系急行の名称にもなりました。
次第にトシオの真っすぐな思いに惹かれていくも、トシオの祖母に中途半端な気持ちを見透かされ、遊び感覚で農家に来ていた自分を恥じるタエ子。
想いを表せないまま、ホームステイ期間を終え東京に帰る日。
改修されていますが、雰囲気ありますね。
帰りは、高瀬から仙山線で仙台に向かい東京に向かうようです。
1982年(昭和57年)、6月23日に東北新幹線大宮駅 - 盛岡駅間が暫定開業。
東北新幹線で戻る予定だったのですね。
エンディングには仙山線のキハ52と455系も登場します。
当時の仙山線は、試験を兼ねて先行的に交流電化されていました。電圧20000Vの50Hz。
まだ仙台地区に近郊形交直流電車の配置はありませんでしたから、455系で運転されていた仙台-山形間の急行「仙山」の間合いで普通列車にも455系が使用されたほか、キハ52などDMH17Hエンジンを2基搭載した勾配区間用ディーゼルカーが架線下を走っていました。
上り仙台行きはキハ52のようです。
惜しいのは、当時塗り替えが進んでいたオレンジ一色の首都圏色が、東武鉄道のようなクリーム一色に見えてしまうこと。
実際はもう少し濃いオレンジ色なんですが…。
JR西日本 大糸線で運転されていた最後のキハ52。(Wikipediaから)
あっ、房総のいすみ鉄道には、キハ28と併せてキハ52の動態保存車がありますね。
お別れです。高瀬駅を発車。
キハ52の車内です。
こういうおじいさん、いましたねー。
455系は交直流急行形電車。当時変圧器は周波数共用ができず、まず東日本50Hz用451系、西日本60Hz用471系が開発され、出力増の453系、473系を経て、勾配抑速ブレーキ付き455系と475系が登場。その後、周波数共用変圧器を搭載した457系で系列が完成します。
仙山線は勾配線区なので455系または457系であると推測されます。
北陸本線 交流60Hz用の475系です。
60Hz車は裾にある細いクリーム色の帯が目印でした。
無事トシオと再会。農家に嫁ぐことを決心したのでした。
チャンチャン♪
さて、レビンと何がつながるのか、ですが。
1970年から運転を開始したブルートレインあけぼの。
アニメでは東北本線、福島から奥羽本線経由でしたが、その後「あけぼの」は、山形新幹線と秋田新幹線の開業に翻弄され、運転経路が変遷していきます。
1970-1990 東北本線-福島-奥羽本線
1990-1997 東北本線-小牛田-陸羽東線-新庄-奥羽本線
1997-2014 東北本線-高崎線-上越線-羽越本線-奥羽本線
経路は変わっても、上野-秋田-青森を結ぶ使命は変わりませんでした。
私、寝台特急「あけぼの」には、20系時代から24系を経て、臨時列車化されるまで一度も乗ったことがなかったのです。
上野駅と長岡駅で見掛けることはあり、そのたびに「いつか乗っておきたい」と思いながら、廃止され結局実現できなかったのですが…。
秋田県の小坂レールパークに「あけぼの」用24系が4両動態保存されていることを知り、しかも車内で宿泊できると聞いて、2018年9月にLEVINで向かいました。
駐車場にLEN吉LEVINを停めて、構内へ。
宿泊者特典で体験乗車ができます。
カニ24にDD13が近づいていき、一旦停止。
尾久客車区、品川客車区、向日町運転所などでは、日常的にこんな光景が展開していたのですね。
手旗誘導で、連結!
凸型ディーゼル機関車の牽引は、DE10での陸羽東線迂回運転のイメージですね。
発車しました。
「チャラララ、チャララン、チャラチャララン、チン!」
オルゴール原音のハイケンスのセレナーデがさらに気分を盛り上げます。
展示線先のポイントで折り返し。
1号車 オハネフ24 12の車内から、LEN吉LEVINを横目に見て・・・!
体験乗車のあと、宿泊受付を済ませて、今日の宿「A個室シングルデラックス」へ。
2号車B個室ソロから乗り込みます。
2号車 オハネ24 555 B個室ソロ
3号車 スロネ24 551 A個室シングルDX
方向幕のショット。
1号車 オハネフ24 12
尾久客車区の24系金帯車(リニューアル車)は「北斗星」と共通使用されていました。
なので方向幕が装備されています。
3号車 スロネ24 551
深夜の小坂駅に停車する24系『あけぼの』。
朝もや煙る、夜明け。
おはよう放送が、ハイケンスのセレナーデとともに、
「皆さま、おはようございます。今日は9月1日日曜日。寝台特急あけぼのは、只今定刻で運転しております」
という時間帯。
さて、お名残惜しく、もっと乗っていたいのですが・・・。
この日は、
「遊佐町クラシックカーフェスティバル」
次の駅へと向かう(かのような)、24系『ブルートレインあけぼの』に別れを告げ、山形県遊佐町へ。
また、乗りに来るよー(^o^)/
小坂線も復活させて、本線を走らせてくれたら・・・。
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