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2021年09月14日

【お疲れさま国鉄型】電気検測車クモヤ443系と配給車クモル145形

【お疲れさま国鉄型】電気検測車クモヤ443系と配給車クモル145形

またひとつ、そしてもうひとつ、
JR西日本で走り続けてきた、
国鉄型車両が引退します。




2021年度中に引退するのは国鉄型電車の
電気検測車クモヤ443系と配給車クモル145形。
どちらも旅客や貨物営業する車両ではなく、運行をサポートする『事業用車』に区分されます。


☞2017年12月7日(木)、北陸本線武生駅に停車中の姿を目撃。
「電気検測試験車」クモヤ443系(クモヤ443-2 + クモヤ442-2)


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【概要】
国鉄クモヤ443系電車は、日本国有鉄道(国鉄)が1975年(昭和50年)に製造した、線路と架線の電気設備の検測を行う事業用交直流電車で、いわばドクターイエローの在来線版。
現存するのはJR西日本所属の第2編成、もう46年選手になります。

架線検測を行うクモヤ443形と信号検測を行うクモヤ442形を連結した2両ユニットで、2編成4両が近畿車輛で製造されました。


形式名;クは運転台付き、モはモータ搭載車、ヤは事業(ジギヤウ)のヤ
400番台は交直流用を示し、40番台は事業用車、3は同等系列の登場順を奇数で示し、これは2代目。
クモヤ443がモータと主制御器を装備し、相方のクモヤ442はモータだけ搭載しユニットを組むので、1引いて442。そして443系として2番目に製造されたので、クモヤ443-2+クモヤ442-2、となります。


車体塗色は当時の交直流電車の標準色であったピンク(赤13号)とクリーム(クリーム4号)の塗り分けとなっていて、国鉄型交直流急行電車455、475系や交直流近郊形電車415系の国鉄色を彷彿とさせますね。
これは富山ライトレールになる前の富山港線運用に就く475系国鉄色復刻塗装車。
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走行性能的には、485系特急型電車の設計が基本になっており、DT32台車に、定格120㎾のMT54型電動機を装備。ギヤ比も485系と同じ3.5となっています。(455、475系急行形は4.21、415系近郊形は4.82)
前面デザインは、電器釜と言われた485系非貫通型の300番台、1000番台、1500番台に類似した高運転台非貫通仕様。

これは『新津市、新津鉄道資料館』に保存されている、485系1500番台のクハ481-1518です。
443系デザインの類似性がわかりますね。443系の方がまさしく電器釜かも。
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クモヤ443系は、直流と交流(50/60Hz)全区間の計測が可能で重宝され、交流電化である北陸本線のほか、同じく交流電化区間が多いJR九州やにも貸し出されました。
直流区間であるJR四国や、現在は魚津で線路がつながる富山地方鉄道にも貸し出され、出張検測したことがありました。

所属は「吹田総合車両所京都支所」、かつての国鉄時代名門車両基地「向日町運転所」です。
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屋根上の観測ドームが特徴。
左の下枠交差パンタグラフは観測・試験用で、走行のための集電は行いません。観測ドームから架線とパンタグラフの動きをビデオで記録し、センサーで状態を確認します。
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車体断面は485系の国鉄特急型ではなく、475系や415系などの急行形や近郊形に近く、中央本線などトンネル断面の低い路線の検測考慮した低屋根を全断面に採用。

475系のパンタグラフ搭載部の低屋根断面とほぼ同じです。
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正面や運転台は特急非貫通型でも、側面は二段ユニット窓が並ぶため、国鉄急行型・近郊型の雰囲気に近いデザイン。
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オリジナルの485系は全廃されて久しく、この顔と運転台は国鉄特急型のイメージを踏襲していて貴重でした。
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『電気検測試験車』のいかにも説明的な表示がこの電車の性格を表しています。
クモヤ442はATSの作動などの信号検測を行います。

形式表示クモヤの前の白丸○は信越本線碓氷峠通過可能であることを示します。
EF63との協調運転はできませんが空気ばねパンク装置など特殊装備が必要でした。碓氷峠、横川-軽井沢間は廃止されましたが表示は残っているのですね!?
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クモヤ443は架線検測を行います。
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443系が下り1番線の681系「しらさぎ」と並びます。
あらゆる車両と連結できるよう、自動連結器と密着連結器が組み合わされた双頭連結器を装備。
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クモヤ443系の後継車は、JR西日本キヤ141系。
エンジンで自走する気動車の検測車で2008年に新製されています。
現在は軌道と信号検測のみしか行えないため、近い将来パンタグラフを装備した中間車を新製し、3両編成となって架線検測にも対応させる予定、とのこと。
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国鉄時代にはクモヤ443系の姉妹車にも、キヤ191系という気動車方式の電気計測車がありました。出力500PSのディーゼルエンジンDML30HSF形を搭載し、最高速度120km/hで架線と信号設備の検測が可能でした。
JR西日本にも承継されましたがすでに廃車されています。
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さて、クモヤ443系第二編成は、既に寝ぐらだった「吹田総合車両所京都支所」を離れ、「吹田総合車両所本所」に回送されたとのこと。
廃車解体待ちとの情報が報じられています。
京都鉄道博物館での保存はかなわなかったのですね...。




そして、同じく今年度中に廃車が予定されている国鉄形の事業用車とは、
JR西日本『クモル145形』、クモル145-1015+クル144-15の2両編成。 
JR各社で最後まで残った配給電車です。

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昨年11月20日(金)放送、
☞NHK大阪局制作『鉄オタ選手権』関西編第6弾でも取り上げられました。
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配給車とは、トラックのような荷台と荷室を持ち、台車やモータ、パンタグラフなど、車両工場と車両基地の間で、車両用の大型保守部品を輸送するための事業用車両です。


そして145系は、国鉄通勤型電車101系から改造された事業用車両の系列。

これは京都鉄道博物館に保存されている国鉄101系のカットモデル。
101系の改造名目で、台車やモータ、制御機器などが流用されました。
クモル145+クル144の前面は101系や103系と似ていますが、この車体は荷台部分も含め新製されたものです。
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形式名;クは運転台付き、モはモータ搭載車、ルは配る(クバル)のル
100番台は直流専用を示し、40番台は事業用車、5は用途毎の系列で奇数で示すのでこれは3代目。
クモル145がモータと主制御器を装備し、相方のクル144はモータ無しでユニットを組み、1引いて144になります。
15番目に製造されたため、クモル145-1015+クル144-15です。


クモル145は、登場時101系から転用された100kW モータMT46を装備していましたが、のちに、より高出力な120kWのMT54に換装され、車号は1000番台となりました。
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しかし現在は鉄道車両でもその部品輸送の殆どがトラックに置き換えられ、JRからは配給車が消滅します。


ところが...、
例えば、京急にはデトと呼ばれる配給用、工事用の貨物電車が現存しています。
デは電車(デンシャ)のデ、トはトラックから。わかりやすい!?
京急デト17・18形 (Wikipediaから)
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☞CHELLさんも山陽線の443系にエール贈っておられましたね。

【参考情報】
☞姿消す国鉄時代の「検測車と配給車」最晩年の記録
 JR西「443系」「クル144・クモル145」の役目とは?



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Posted at 2021/09/14 06:32:00

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この記事へのコメント

2021年9月14日 10:36
おはようございます😊
検測車や配給車は長いスパンで使用されるモデルがほとんどですが世代交代は寂しいですね。
山陽本線沿線で何気に観てた車もその機会が無くなっていくんですね。
これからは気動車の検測車になっていくんですね♬
コメントへの返答
2021年9月14日 12:53
こんにちは(^^)/
事業用車は裏方で昔はなかなか予算も回らないのか、改造車ばかりでしたが、クモヤ495やクモヤ443あたりから新造車も加わるようになりました。
配給車も大昔はクモル23など、モハ30系から改造されたゲテモノばかりで、幼少の頃、大阪付近では、特急、急行、近郊型、通勤型がごちゃ混ぜに連結されて、旧国改造の配給車クモルや牽引車クモヤに牽引され、向日町から吹田そして鷹取工場などへと行き来する、回送をよく見かけました。今は車輛転配も編成単位が多くなり、デコボコ編成はなかなか見られなくなりました。
キヤ141は、高速軌道検測車マヤ34の置き換え用で登場し、架線検測用の中間車を新たに作ることで、ドクターイエロー並みの架線,信号,軌道すべてを検測でき、かつ開通前の無電区間や非電化区間も入線できるので、メリットが大きいようです。
(^^)b
2021年9月14日 12:29
小さい頃に見た時、ヘッドマークや特急マークが無くて違和感を覚えた記憶があります(^o^;)

事業用の車両も世代交代で、また国鉄車両が無くなってしまうのですね(´・ω・`)
時代の流れとはいえ寂しいです(TдT)

関西地区もおおさか東線、奈良線、大和路線などで使用していた201系が
余剰になってきた221系に置き換わるようです。
コメントへの返答
2021年9月14日 12:44
こんにちは(^^)/
姉妹車のクモヤ191系は、こだま型181系のモハシとモハから改造された独特の平面顔でしたが、その後、完全新造車のクモヤ495、クモヤ443、クモヤ193、キヤ191が生まれました。
大宮鉄博にあるJR東日本の183系や189系の現役時、国鉄色が復活しても、三角特急マークは再現されないかったので、どこか不自然でしたね。
大阪環状線が3扉の323系に置き換わり、乗り入れる阪和線、接続する奈良線、東大阪線も3扉に統一するので、体質改善40N済の201系も置き換えられるのですね。奈良線の103系も同じ運命と思われますが、和田岬線の103系は乗務員訓練用として、播但線、加古川線の103系は体質改善済みのワンマン対応なので、もう少し残りそうです。

プロフィール

「@essay@ さん、はい。Web版と朝刊3ページに写真が掲載されました。インタビュー記事が無いのが残念ですが…。」
何シテル?   05/06 22:41
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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