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2022年01月23日

元京阪特急3000系(改) 『富山地鉄10030系』第4編成が廃車!?

元京阪特急3000系(改) 『富山地鉄10030系』第4編成が廃車!?

小田急ロマンスカー
VSE50000形 2022年3月引退、
のニュースに衝撃を受けていたのですが、



鉄道ジャーナル2月号「RAILWAY TOPICS」の記事にもちょっと動揺を隠せず!?
富山地鉄10030系に廃車!? しかも昨年11月4日(@_@) 
これはチェックできていませんでした。
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富山地方鉄道も、ご多分に漏れずコロナ禍で観光客が減り、地元の利便性を図るため、特急を削減して各駅停車中心のダイヤに組み替えているのですね...。

さて本題です。
元京阪特急3000系を改造し導入した、富山地方鉄道10030系の第4編成モハ10037+モハ10038が、昨年11月に廃車されていた、との内容。

鉄道ニュースには、解体に向けたトレーラー搬出のため、既に上市駅へ廃車回送の写真が!?
☞鉄道ニュース『富山地鉄モハ10037+モハ10038が廃車される』 


2年前の2020年2月、富山で1ヵ月間の入院生活を終え、リハビリ期間中に立ち寄った、富山地鉄稲荷町車両区。
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元西武レッドアロー5000系の16010系と電気機関車デキ12021に挟まれて並ぶ10030系ですが。
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今回廃車された、第4編成モハ10037の姿を捉えていました。
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京阪3000系は、1971年に登場した2扉、オール転換クロスシートの特急用車両で、京阪特急で初の冷房車。
後継の8000系が導入されたのち、一部は富山地方鉄道や大井川鉄道に譲渡されましたが、廃車も続き、2013年8000系30番台に編入されていた京阪最後の3000系第5編成が引退。
(写真はWikipediaから)
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富山地鉄には1990年から順に先頭車同士8編成16両と、2013年には最後の3000系編成からダブルデッカー車1両が入線。

1990年譲渡(カッコ内は富山地鉄の形式名)
3001(モハ10031)- 3501(モハ10032)
3018(モハ10033)- 3518(モハ10034)
1991年譲渡
3003(モハ10035)- 3503(モハ10036)
3004(モハ10037)- 3510(モハ10038)
3014(モハ10039)- 3513(モハ10040)
3017(モハ10041)- 3517(モハ10042)
1992年譲渡
3016(モハ10043)- 3515(モハ10044)
1993年譲渡
3010(モハ10045)- 3509(モハ10046)
2013年譲渡
8831〈←3805〉(サハ31)

なので、1971年から製造された京阪3000系の富山地鉄譲渡車は、サハ31を除き、京阪3000系時代より富山地鉄10030系として過ごした時間のほうが長いことになります。

サハ31は、第2編成に連結され、
モハ10033+サハ31+モハ10034 に組成。
このモハ2両は京阪特急色に復元され、栄光の鳩マークも復活。
『ダブルデッカーエキスプレス』として運行されています。

京阪線のレール幅は1435mmの標準軌ですが、富山地鉄はJRと同じ1067mmの狭軌のため、そのままでは入線できません。
そこで車体を生かすため、軌間の異なる台車に交換する改造が成されました。

京阪時代の動力台車 FS-381
空気ばね車体直結のダイレクトマウント方式。
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交換する台車には、1990年頃同じく廃車や長野電鉄への譲渡が進んでいた、営団地下鉄日比谷線3000系のダイレクトマウント台車が当てられました。
日比谷線の軌間は、1067㎜の狭軌です。
これは長野電鉄に譲渡された後の、営団3000系→長野電鉄3600系(3連)。
長野電鉄長野駅にて。 
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当初は営団3000系が装備していたダイレクトマウント式台車FS-336を履いていたのですが、
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富山地鉄線で走行中、振動問題が発生。同じく営団3000系で使用されていたFS-510台車に振り替えられました。
素人目線には、FS-336のほうが乗り心地がよさそうに見えますが…?
電動機(モータ)は、当初は営団3000系のMB-3054(75kW)を搭載。
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のちに、JR485系や419系廃車発生品の、国鉄式インダイレクトマウント台車DT32と120kW電動機MT-54に換装し、高出力改造された編成が登場します。
写真は高出力化された第5編成モハ10039+モハ10040 
(電鉄富山駅にて)
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国鉄新性能電車の標準エアサス台車DT32を履いています。
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しかし10030系のうち、第1編成モハ10031+モハ10032と、今回廃車された第4編成モハ10033+モハ10034は高出力化されず、FS-510台車と75kW電動機MB-3054のまま残されていました。

さて、富山地方鉄道の独特の車両形式について。
1万台表示のうち、頭の3桁が電動機出力(馬力)を指し、下2桁が車両形式とその連番になっています。

モハ10031
モはモータ付き、ハは普通車、
頭3桁が100なので、100馬力(→75kW)モータを搭載。
下2桁30が車両形式で、1から順に番号が付きます。

サハ31
サはモータ無しの中間車、ハは普通車、
頭3桁が無いのは、モータを搭載していないからで、
下2桁30が車両形式で、その1番め。

元レッドアローの5000系は、富山地鉄16010形を名乗り、
モハ16011
モはモータ付き、ハは普通車、
頭3桁が160なので、160馬力(→120kW)モータ搭載。
下2桁10が車両形式で、その1番め。
となります。

なお、運転台付き、モータ無しの制御車クハは、クハ175形が現存しますが、
運転台なし、モータ付きの中間電動車は存在しないため、制御電動車は国鉄式のクモハではなく、単にモハとなります。

また、レッドアロー16010形の第2編成は水戸岡鋭治さんにより「アルプスエキスプレス」仕様に改造され、モータ無し中間車が組み込まれましたが、改造の経緯から運転台無しにもかかわらずクハ112を名乗っています。

ここで、ふと、ある疑問が!?
JRのDT32台車と120kWのMT54電動機で高出力改造された10030系は、16030系となるべきではないのか? ということ。
理由は、良くわかりません。例外的に10030系のままとなっています。


廃車となった第4編成モハ10037+モハ10038ですが、75kWのままの低出力そのものが理由ではなく、昨年から機器故障が続き休車状態だったそう。
昨年西武鉄道から譲渡されたニューレッドアロー10000系の改造が進み、富山地鉄デビュー間近ということも一因のようです。
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ここからは、過去のブログも交えながら富山地鉄10030系について徒然なるままに。
☞【目指せ社会復帰】温泉で、富山のテツ巡り③

10030系の運転室です。進行方向反対、後方を撮影。
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同じ10030系と離合します。
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これは2018年9月に訪れた稲荷町車両区。
左から元 京阪10030系、元 東急17480系、元 西武16010系と地鉄自社発注車10020系。
東西大手私鉄車両と富山オリジナルが肩を並べる、なかなかの風景。
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地鉄オリジナルの10020系で最後まで残っていた1964年製の第3編成、モハ10025+モハ10026は、2019年9月に惜しむらく廃車。
長野電鉄2000系と類似設計の、日本車両製私鉄標準型電車が消えました。
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これで富山地鉄の自車発注車は1979年登場の14760系だけに…。
(電鉄富山駅にて)
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さて2020年2月のリハビリ期間中。
富山地鉄をぶらり。
第2編成ダブルデッカーエキスプレスが各駅停車運用に入っていたので乗ってみます。
見た目はそのまんま現役時代の京阪3000系。
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京阪3000系の後継で、今も京阪特急主力の8000系。
赤色とオレンジ色が逆塗りになっています。
(出町柳駅にて)
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8000系の登場時は、3000系と同じ塗り分けでした。
(Wikipediaから)
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京阪伝統のテレビカー。富山地鉄でも液晶テレビを搭載して復活しています。
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ダブルデッカーには京阪のときに描かれた「時代祭行列絵図」も残されています。
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二階席から。
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階下席、ホームが目の前。
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電鉄富山駅から一駅、稲荷町駅で、仲良さそうな老夫婦と一緒に下車。
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終着 岩峅寺駅を目指す、第2編成モハ10033+サハ31+モハ10034を見送ります。
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この姿で、いつまでも走り続けてほしいですねー。



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Posted at 2022/01/24 06:13:52

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この記事へのコメント

2022年1月24日 11:02
こんにちは~。

小学高学年からおよそ30年間、京阪本線の関目~森小路の近くに住んでました。
特に、森小路・千林・滝井・土居と駅間が短く複々線になってることから見渡せたもので良くTVネタにもなっております。
元3000系国鉄車の足回りになってるという事で爆音を立てて走行するんでしょうか?
なかなか日帰りでは難しいですが、乗りに行きたいと思いました。

コメントへの返答
2022年1月24日 12:44
こんにちは(^^)/

京阪沿線にゆかりの方々には懐かしい姿ですね。正面貫通型先頭車としては、落ち着いて飽きの来ない秀逸なデザインと思います。

地鉄線内は最高制限速度95㎞/hで勾配区間も多く、国鉄DT32装備車のギヤ比は恐らく国鉄近郊型と同じ4.82ですので、加速時はMT54の唸りを楽しめると思います。是非っ!?
2022年1月24日 13:04
こんにちは。
うーん残念ですが、これも時代の流れですよね…(^_^;)
やっぱり、京阪特急は3000系の姿が脳裏に残っております。
また地鉄に観に乗りに行きたいです😊。
コメントへの返答
2022年1月24日 13:15
こんにちは(^^)/
残念です。しかしまだ7編成15両が活躍を続け、地鉄では最多勢力です。DT32装備車は2両で960kWと、単位当たり出力が地鉄最強なので使い易いのでしょうね。地鉄はモノ持ちがよいのでしばらく安泰でしょう。
北陸ハチマルのあと、一駅でも一緒に乗れば良かったです…。
次回是非っ!?<(^^;)
2022年1月24日 19:22
LEN吉さん、こんばんは

廃車になるのは残念ですね
でも、他の会社で活躍できたのは素晴らしい事だと思います
路面電車の博物館と言われる広島には、各地の路面電車が集まっています

旧車も同じように大事にしたいものです
コメントへの返答
2022年1月24日 20:09
こんばんは(^^)/

富山地鉄で走り初めて30年余り、京阪の車体は50年以上、営団地下鉄や国鉄の足回りも50年前後、よく整備されよく働いていると思います。8編成の中では第4編成の調子があまり良くなかったらしいですね...。
広島電鉄は、最新の5両連接トラムから、オリジナルの被爆電車に、京都市電、大阪市電、神戸市電、西鉄北九州線の車両まで百花繚乱ですねー。ラッシュ時は数珠繋ぎになって次々に走り抜けるので見ていて飽きないです。
日頃の整備と労る乗り方は大事ですね。
(^^)b
2022年1月24日 23:10
よく判りませんが…テレビカーっていう表現になんか懐かしさを感じるような。
冷房車って言うのと、同じ響きを感じます。。。

…と言うのは、ある年齢以上の人に限るんでしょうけど!?
コメントへの返答
2022年1月25日 0:13
この3000系が登場したのは1971年ですが、京阪がテレビカーを走らせたのは1954年、二世代前の1800系から。
国鉄、阪急と京阪が旅客を争奪戦していた京都-大阪間で、カーブが多く所要時間で劣る京阪が、当時まだ家庭に普及していないテレビを車内で見せる、というサービスを開始。無指向性八木アンテナを装備し、向きの変わる列車でも安定して受信できるよう工夫しました。
この3000系からカラーテレビになります。
「テレビカー」は京阪電鉄の登録商標です。
(^^)b
2022年1月25日 17:56
こんばんは、お元気ですか!・・・3000系!懐かしいですねぇ・・営団(当時の)日比谷線(と東武の)直通で随分とお世話になりました。😊

西武のレッドアローって・・・僕にとっては、結構衝撃的な特急列車でした。(あの大型電気機関車も!)

余談ですが・・中川家の京阪電車の車掌氏のモノマネは何回見ても笑えます・・・実際に車中で聴いてみたい。😆

すみません・・なんか、脱線してます。😄

@ブルネロ
コメントへの返答
2022年1月25日 18:13
こんばんは(^^)/
あー、3000系でも東の営団地下鉄のですね!?
額が大きく愛称は「マッコウクジラ」。東武の日比谷線直通はクリーム色の2000系の時代。どちらも正面の大きな窓が特徴的でしたね

おー、西武の大型電機E851をご存じとは!? 国鉄EF81やEF65をモデルに秩父のセメント輸送用に作られましたね―。塗装と側面の丸窓がカッコよかった…。

中川家の鼻に掛けた言い回しの車掌の物まねは、スピーカやマイクの性能が悪い時代、車掌氏がうるさい車内でも聞き取り易い音声を工夫した産物なのです。
(^^)b
2022年1月25日 19:15
こんばんは。
生まれてから京阪沿線住民ですが、京阪旧3000系が地鉄へ行けば延命治療してもらって一生安泰と勝手に思ってましたが、
ついに廃車の編成が出てショックです。

近所のショッピングモールに旧3000系が展示保管されてますが、
地鉄へ嫁いで台車を付け替えた走る旧3000系にじっくり乗ってみたいです。
コメントへの返答
2022年1月25日 20:04
こんばんは(^^)
おー、京阪3000系と5扉5000系世代なのですね。10030系も気づけば地鉄で30年。車体も台車も50年選手ですから、地鉄の整備が優秀でも老朽化は進んでいるのですね。
くずはモールの保存車ですね。屋内なのでかなり状態は良いと聞きます。
はい、是非富山へお出でください。富山地鉄と言えば転換クロスシートのイメージですが、元東急8590系ロングシート車が、これも気づけば4編成。コロナ禍の乗客減で今後どうなるのか心配です。
<(>_<;)
2022年2月4日 13:59
毎度、専門誌の様な詳しい解説、ありがとうございます。残念ながら登場する車両たちに縁がなく、期待外れのコメントになってしまいますが・・・。
ご存知のとおり、在来線の標準軌に乗る機会が昨年はありましたが、新幹線のイメージがあり、車幅もそれなりに広いのだろうと思っておりました。
でも、阪急、相鉄、乗り比べてみると、目視では幅の違いがわからなかったので・・・
このブログにて標準軌と狭軌の履き替えができることを知りました。考えてみれば新車の甲種回送では、標準軌車両もJRの線路を走るのかもと思ったり。昨年来の阪急と相鉄の違い謎が解けました。ありがとうございました。
コメントへの返答
2022年2月5日 8:48
いえいえ、恐れ入ります。ムダ知識のひけらかしですが。

車体の幅は軌間とはあまり関係せず、阪急、阪神、東急などは、元々俗に言う民鉄規格の狭い車両限界が標準で、車体幅は2750㎜から2800㎜以下ですが、相鉄には国鉄規格の2950㎜幅の車両も走ります。
正確には、JR直通用の相鉄12000系はE233系と共通設計で幅2950mmの裾絞りですが、東急直通の相鉄20000系は東急線に合わせ幅2770㎜で裾絞りなし。どちらも20m級4扉車は同じです。

阪急は少し変わっていて、新京阪電鉄が祖の京都線と、箕面有馬電気鉄道が祖の神戸・宝塚線では実は車両規格が違います。
京都線は幅2850㎜×長さ18.9mですが、神戸・宝塚線は幅2750mm×長さ19.0m。梅田-十三間の三複線の狭隘な中津駅がネックで統一できないそうです。梅田駅で10両編成が前後きれいに並ぶのは、連結面間を調整しているのですね。

富山地鉄の自社発注車は民鉄規格でしたが、国鉄やJR車乗り入れに伴い、建築限界を20m級の国鉄車に合わせました。なので20m級の西武レッドアロー5000系の車体が問題なく入線できています。

甲種回送で軌間が異なる場合、仮台車を履かせたりします。例えば東京メトロ丸の内線2000系は日本車両豊川工場製ですが、仮台車履いて東海道を甲種回送されました。

元近鉄の養老鉄道は軌間1067mmの狭軌ですが、大規模な車両検修は近鉄名古屋線の塩浜検修車庫で行われます。近鉄の電動貨車モトが仮台車を積んで迎えに行き、桑名の車庫で台車を履き替え、近鉄名古屋線はモトに牽引されて移動します。

長々とすみません…。

プロフィール

「@バツマル下関 さん、木造3階建ての旅館が川の両岸にところ狭しと並び、旅情がありました。」
何シテル?   04/22 06:11
柴犬のLEN吉、本名「レン」永遠の12才です。 クルマでお出かけするのが大好き。 イベントで見掛けたら、声を掛けてください。 (^^)/
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