初夏の大型連休前になる4月25日、26日に海上保安庁の観閲式(観艦式)が行われました。
25日は天候不順のために中止となりましたが翌26日には麻生太郎内閣総理大臣を特別観閲官に向かえ、盛大に実施されました。
その模様をご覧ください。
晴海埠頭に停泊中のヘリコプター2機搭載型巡視船PLH-22”やしま”(総トン数5259トン)です。
続々と一般見学者が乗船してきます。
今回の観閲式では”やしま”に観閲官の国土交通副大臣と海上保安庁長官、そして特別観閲官の麻生太郎内閣総理大臣が乗船されています。
ほかに巡視船”せっつ”、”ざおう”、”いず”の合計4隻が観閲を行います。
さあいよいよ出航です。
巡視船PLH-22”やしま”が引船”さくら”(東港サービス/総トン数181トン)の支援を受けています。
”やしま”は昭和54年に採択された「海上に於ける捜索および救助に関する国際条約」に対応する為、海上にてヘリコプター2機を搭載できる大型のパトロール巡視船として建造された”みずほ”型巡視船の2番船です。
35ミリ連装機関銃と多銃身20ミリ機関銃を各1門づつ搭載しています。
特別観閲官の麻生首相が来場されてるための警戒でしょうか?
特130トン型巡視船PS-108”たかつき”(総トン数114トン)が港内にいました。
いよいよ観閲艦の4隻が羽田沖に集合しました。
停船して観閲の準備を行います。
こちらはヘリコプター2機搭載型巡視船PLH-22”やしま”
同じく停船中の3500トン型巡視船PL-31”いず”(総トン数3768トン)です。
巡視船”いず”は阪神淡路大震災のとき本来災害対策指揮所になるはずsだった第5管区海上保安本部自身が被災してしまいた為大きな支障をうけた教訓から建造された災害対策型の巡視船です。
高性能な通信機器を搭載しており対策本部用のスペースが設置されているなど本船が対策本部として機能しうる能力を持っているのが特徴です。
海上防災訓練展示に参加するため展開した東京消防庁水難救助隊(臨港消防署)臨港第1舟艇小隊の消防艇”みやこどり”(総トン数119トン)です。
残念ながらこの後で波浪のため防災訓練展示は中止になっています。
観閲式の支援でしょうか?
20メートル型巡視艇CL-136”やまぶき”(総トン数23トン)がいます。
”やまぶき”は小型巡視艇の”ひめぎく”型の106番艇で放水銃を廃止して軽量化を行い、さらに防弾性を向上させた警備強化型となっています。
こちらも観閲式の支援でしょうか?
東京汽船の引船”薩摩丸”(総トン数166トン)です。
波が激しく喫水線よりも上側に波がかぶっています。
さあいよいよ観閲式がはじまりました。
受閲船隊の第1小隊の先頭はヘリコプター2機搭載型巡視船PLH-31”しきしま”(総トン数7175トン)です。
”しきしま”は海上保安庁のみならず世界最大の巡視船で海上自衛隊の護衛艦”たかなみ”型や”しらね”型よりも巨大な船体となっています。
最大の特徴は海上保安庁の巡視船では唯一軍艦構造となっていることです。
このほか対空レーダや高速警備艇、さらにヘリコプターを2機搭載して周辺の哨戒を行うなど他の巡視船とは一線を画する巡視船となっています。
”しきしま”はプルトニウム運搬船護衛用として建造され、平成4年4月に竣工しています。
巡視船”しきしま”の35ミリ連装機銃と20ミリ多銃身機銃です。
しきしまはこれを各2セット装備しています。
巡視船”しきしま”を後ろから。
巨大な船体が印象的です。
広大なヘリコプター甲板が見えますが、”しきしま”にはシュペル・ピューマ型ヘリコプターを2機搭載しています。
プルトニウム運搬船護衛用という任務のために長大な航続距離が求められ、なんと20000浬(”みずほ”型では8500浬)以上という長大な航続距離があるものとされています。
続いて第1小隊の2番船はヘリコプター1機搭載型巡視船PLH-04”はやと”(総トン数3221トン)です。
”はやと”は”つがる”型巡視船の3番船で今回観閲船となっている”せっつ”、”ざおう”と同型船です。
ベル212型ヘリコプターを1機搭載しています。
さらに後続船がきます。
1000トン型巡視船PL-118”しもきた”とPL-119”すずか”(総トン数965.3トン)、測量船HL-01”昭洋”(総トン数3128トン)です。
第1小隊の3番船は1000トン型巡視船PL-118”しもきた”(総トン数965.3トン)です。
船首が大きく沈み込むほど波が荒れています。
続いて4番船は1000トン型巡視船PL-119”すずか”(総トン数965.3トン)です。
”しもきた”と”すずか”は”しれとこ”型巡視船の18番船、19番船です。
”しれとこ”型は大量建造がすすめられ、全28隻がわずか3年4ヶ月(昭和53年11月~昭和57年3月)の間に就役しています。
しかし就役後30年が立っているため既に8隻が用途廃止になっています。
受閲船隊の第2小隊の1番船は3000トン型測量船HL-01”昭洋”(総トン数3128トン)です。
”昭洋”は平成10年に竣工した海上保安庁最大の測量船です。
各種測定装置を搭載し、大陸棚や海底火山の調査など海洋調査を行う船です。
第2小隊の2番船は航路標識測定船LL-01”つしま”(総トン数1718トン)です。
”つしま”は世界で唯一の航路標識の精度などを確認する為の測定船で、12000海里という長大な航続性能を持っています。
続いて受閲船隊の第3小隊です。
1番船は1000トン型巡視船PL-62”はかた”(総トン数1300トン)です。
平成20年3月に1番船が竣工した新型の1300トン型巡視船”はてるま”型の2番船で竣工は今年2月とまさに就役したばかりの最新巡視船です。
”はてるま”型は尖閣諸島に不法上陸した中国人の活動をきっかけに周辺海域の警備強化のため建造された巡視船で、尖閣諸島周辺には基地となる施設がないため、本船を拠点として数隻の巡視艇、ヘリコプターの補給を行える拠点機能強化型の巡視船となっています。
ウオータージェット推進のため速度は30ノットといわれ、夜間でも警備が可能なように赤外線捜索監視装置が搭載されているといわれています。
第3小隊の2番船は1000トン型巡視船PL-42”でわ”(総トン数770トン)です。
”でわ”は”あそ”型巡視船の2番船で平成18年に竣工されています。
平成11年の北朝鮮による不審船事件をきっかけに計画された巡視船で、30ノットという高速性能と、不審船(工作船)の装備する武器が対戦車ロケットや携SAM、14ミリ機関銃と協力だった為、これを上回る射程と火力を確保するべく40ミリ機銃を搭載しています。
この40ミリ機銃は火器管制装置を装備している為精密な射撃が可能とされています。
3番船は180トン型巡視艇PS-02”さろま”(総トン数182トン)です。
波によって大きく船体が傾いていますが一糸乱れぬ海上保安官の登弦礼に拍手!
”さろま”は”しんざん”型巡視艇の2番艇です。
4番船は180トン型巡視船PS-12”こうや”(総トン数197トン)です。
船首の喫水線から下が大きく見えることからも波の激しさがわかります。
”こうや”は”らいざん”型巡視艇の6番艇です。
第3小隊の最後は180トン型巡視艇PS-13”つくば”(総トン数197トン)です。
同じく”らいざん”型巡視艇でこちらは7番艇です。
この後本来なら受閲船隊の第4小隊として巡視艇PC-108”やえぐも”、CL-125”しらはぎ”、CL-129"やまゆり”、CL-140"ひだかぜ”が参加する予定でしたが、波浪のためか受観船隊には参加しませんでした。
続いて関係機関船舶の観閲行進です。
こちらは海上自衛隊の護衛艦隊第11護衛隊の海上自衛隊”はつゆき”型護衛艦DD-123”しらゆき”(満載排水量4000トン)です。
昭和57~62年に竣工した”はつゆき”型汎用護衛艦の2番艦で昭和58年2月に竣工しています。
最後は水産庁の漁業取締船”白竜丸”(総トン数1229トン)です。
水産庁は海上保安庁と密接に連携して違法漁業を行う韓国船や中国船などの取締りをおこなっています。
その2/
その3/
その4/
その5