
私が大好きなオートバイの1台に『ホンダ XR200R』がありますが、このモデルのことを調べていると面白いことがわかりました。
今回の投稿では『ホンダ XR200R』について、少しお話しさせていただきます。
私が初めて購入した自動二輪車は『ホンダ XL125S』で、この画像のようなカラフルな初期型モデルであり、間違いなく『ホンダ XR200R』の流れにあるオートバイです。
既に輸出仕様の「XR」風の新たなカラーリングのモデルが発表されていたので、旧型となってしまうこのモデルがお値打ち価格で販売されていたのをGETしていたんですよ。
私としては少し野暮ったく見える“ホンダらしいカラーリング”が結構気に入っていたので嬉しく思っていて、逆に「XR」風の新たなカラーリングは好きではなかったですね。
今の話の中に出てきた「XR」風の新たなカラーリングを持つモデルというのが『ホンダ XR200』で、1979年に『ホンダ XR185』として登場して、その排気量を拡大して200ccとしたオートバイです。

私の乗っていた『ホンダ XL125S』と見比べても当時は大差ないと思っていましたが、違うのは排気量だけでなく、あきらかにドリブンスプロケットの大きさは違うことがわかります。
排気量の125ccと185ccの差は驚くほど大きくて、乗ってみれば別のオートバイに感じられるほど出力が上がっていますから、そのうえ二次減速比の大きな差はさらに驚かさらせられるポイントになるでしょうね。
1981年の『ホンダ XR200R』は私の大好きなオートバイで、革新的なプロリンクサスペンションを装備し、フルモデルチェンジで登場した歴史的なモデルだと認識しています。
大きな変化はないまま1983年まで継続(マイナーチェンジのみ)して販売されているようですが、このころの『ホンダ XR200R』が最高です。

モトクロスをやっていた時期のことで、勤めていた店に置いてあったモデルに何度か乗せてもらっただけですが、2ストロークのモトクロスレーサーに乗り慣れていたころの私でも、そのトルクフルさに驚かされました。
当時は4ストロークのエンデューロバイク(実質的にはレーサーです)の性能に驚かされましたが、走りの性能を比べてしまうと2ストロークのモトクロスレーサーの方が数段に速かったのは間違いありません。
何よりも発揮するパワーが段違いなので比べ物にならないはずなんですが、どういうわけか今でも『ホンダ XR200R』の記憶は衝撃的なイメージを持っています。
ちなみに1983年まではリヤサスペンションが2本あるタイプの『ホンダ XR200』も併売されていたようで、それがこちらの画像です。
1982年の『ホンダ XR200』ですが、これはこれでカッコいいと思ってしまうのは私だけではないと思います。

エンジンは同じような仕様だと思いますが、画像を見るだけでもサスペンションに差を感じてしまいます。
肝心の走りの方は『ホンダ XR200R』と『ホンダ XR200』では大きな差がありそうですが、やはりプロリンクのサスペンションが最先端技術の証だったんでしょうね。
1984年の『ホンダ XR200R』には最も驚かされました。
なんと2本のエキゾーストパイプを持つ「RFVC(放射状4バルブ方式燃焼室)」のエンジンを搭載していたからです。
このころのモデルはオートバイから遠ざかっていたので知らなかったことばかりなんですが、『ホンダ XR250R』と同じようなエンジンを搭載していたなんて本当に驚きでした。

もともと『ホンダ XR185』は125ccのエンジンをベースとしていたので小型かつ軽量なのが最大の利点だったわけで、2バルブとオーソドックスながら信頼と実績のあるエンジンユニットでした。
その125ccのエンジンは、1970年に登場した“縦型前傾15度のレイアウトを持つ90ccのエンジン”だと記憶していますが、それが進化をし続けて『ホンダ FTR』にも受け継がれてきたわけです。
日本では1983年に『ホンダ XLX250R』が販売されていて、輸出仕様の『ホンダ XR350R』のエンジンをベースにしていたことが有名ですが、残念ながらホンダのオフロードバイクの中でも人気のあるモデルではありません。
ベースとなった350ccエンジンは、クランクケースを500ccと共用していたので少なくとも軽くコンパクトなものではなかったように思いますが、耐久性こそ抜群ながら大して良い評価が得られていないように思います。
「RFVC」というメカニズムはその後もずっと使われていくのですが、1985年には新設計した250ccのエンジン(クランクケースは200ccと共用とした軽量ユニット)を搭載したフルモデルチェンジとなる『ホンダ XLR250R』を発表しています。
1984年の『ホンダ XR250R』と『ホンダ XR200R』では新設計のエンジンながら、『ホンダ XLX250R』と同様に2個のキャブレターを持つなど凝ったメカニズムも施されていたことで、走りは好評が得られていたものの調整が難しいなどメカニックからは嫌われていたようです。
先にお話しした「RFVC」のエンジンを積んだ『ホンダ XR200R』は、1984年と1985年にのみ販売されていたのですが、もしかしたらマニアの方には人気があるモデルになるのかも知れません。
走りを楽しむオフロードバイク乗りにとっては2個のキャブレターを持つモデルなんて敬遠されそうですが、それでも「RFVC」の200ccのエンジンには魅力を感じるので、私としてはキャブレターを1個に組み直して乗ってみたいです。
1986年の『ホンダ XR200R』は日本で販売されていた『ホンダ XLR250R』によく似た印象を受けますが、正しく言うならば走りの性能を追求している『ホンダ XR250R』を真似したデザインで『ホンダ XLR250R』が販売されていたわけです。

私も1988年くらいに『ホンダ XLR250R』に乗っていたことがあり、買った直後に自分の手でフロントホイールを19インチに組み直して、さらに『ホンダ FTR250』のオンロードっぽいタイヤを履かせて“スーパーバイカーズ”を気取って乗っていました。
その時のモデルは前後ともディスクブレーキに変わっていたことが嬉しくて、ちょっと大柄な車体に感じられることもありましたが、自分のオートバイとしては最も気に入っている1台です。
1986年から1990年までの『ホンダ XR200R』では、“白色のフレームに赤色の燃料タンク”がトレードマークで、このころのスタイルが最も人気があるのではないかと思います。
1989年は『ホンダ XR200R』は販売されてませんで、1990年には復活しているものの、この年のモデルからヘッドライト&テールライトおよびテールバッグの装備が無くなってしまいました。
これは販売価格を引き下げるための策だといわれていますが、年々上がってしまった車両価格は1988年にピークに達して、結果的に装備を簡素化することで解消したのではないかと考えられています。
それでも1988年と1990年の『ホンダ XR200R』に性能差は感じられなかったので、結果的にリーズナブルに購入することができたことが喜ばれたようです。
1991年から1999年までの『ホンダ XR200R』では、“白色のフレームに白色の燃料タンク”に変わっていて、燃料タンクにはポップなイメージのロゴが描かれています。
1994年の『ホンダ XR200R』はこんな感じです。
1992年の『ホンダ XR200R』は販売されておらず、1993年には復活していますが『ホンダ XR200R』はシート髙が少し下げられているように見えて、ややカッコ悪く思えてしまいます。

1986年から1999年までの『ホンダ XR200R』では、他の「XR」と同様にフレームが白色になったことが最も大きな変化だと私には思えていますが、エンジンが変わったこと(2バルブに戻ったこと)で高回転域でのパワーは少し落ちてしまったものの、低回転域でのトルクアップができていたようなので、一般のユーザーには好まれていたようです。
新しいフレームやサスペンションは確実に進化していて、それに伴って走りも進化しているのは間違いのないことであり、そこに信頼と実績のあるエンジンが搭載されているのですから、より安心して楽しめたのかも知れません。
2000年から2002年までの『ホンダ XR200R』では、“銀色のフレームに赤色の燃料タンク”に変わっていますが、この3年間においては外観的に大した変化はありません。
色調は現在の『ホンダ CRF230L』につながるものを感じますが、派手さがなくなってしまったように感じられて、それとともに精悍さも薄れてしまったように思います。時代の流れとかセンスの違いでしょうか?!

気になるところとしては、1993年の『ホンダ XR200R』あたりから最低地上高が低くなっている気がしています。
それ以降のモデルではスイングアームの角度を見ただけで少しガッカリしますが、それも何らかの工夫でしょうかねぇ。
もしかしたら、その変化の分だけサスペンションの性能が上がっているのかも知れませんが、パッと見のスタイルとしては“尻下がり”に見て取れるので私としてはカッコ悪さを感じます。
そういう点においても、1981年に登場したころの『ホンダ XR200R』はアグレッシブでカッコいいです。
2003年の『ホンダ XR200R』は登場することなく、『ホンダ CRF230F』にバトンタッチしました。
『ホンダ XR200R』では前後ともずっとドラムブレーキのままでしたが、『ホンダ CRF230F』になってフロントブレーキがディスク化されています。
リヤブレーキは現在でもディスク化されておらず、保安部品を装備している『ホンダ CRF230L』では早々に前後ともディスクブレーキ化をしていることを考えると、このオートバイには必要はないと考えているようですね。

それでも、相変わらず『ホンダ XR185』からの流れを汲んだ“スタンダードな空冷2バルブのSOHCエンジン”を搭載していることが私には嬉しいところです。
これは『ホンダ CRF230F』でも『ホンダ CRF230L』でも同様なんですが・・・
エンジン右側のクランクケースカバーを見る限りでは『ホンダ CRF230L』は近年まで『ホンダ FTR』と同じデザインのものを使用していますが、『ホンダ CRF230F』ではデザインが異なっていますから、もしかしたら別のエンジンが搭載されているかも知れません。
気になるほどのことではありませんが、もし『ホンダ FTR』と同じ流れのエンジンだとしたならば、なんと50年近くも進化し続けてきたことになりますから、私よりも若いとはいえ“頑張るねぇ!!”と声をかけてあげたいものです。
近年のオートバイには特に魅力を感じませんので、こうして『ホンダ XR200R』について調べることができて、とても満足しています。
それと同時に、1981年の『ホンダ XR200R』を超える魅力を持つ『ホンダ FTR/HE゙AT HOPPER』に仕上げたい→仕上げようと思うのでした♪