
私は“【ホンダ】の古いタイプのオフロードバイク”をとても気に入っているのですが、今となっては“古臭い?!”と思われそうな“空冷式エンジン”を搭載している『XL』および『XR』シリーズが大好きです。
特に好きなのは1981年式の「XR200R」ですが、こちらはスタイルよりも乗り味が気に入っていて、あのフィーリングをまた味わいと思うところもあって「FTR」に乗り始めたようなものです。
とはいえ、再びオートバイに乗り始めて気付いたことは、何よりも面白いと感じるのは“オートバイは人が乗って走らないと自立できない”という当たり前のことで、さらに“カーブでは車体を深くバンクさせて走るバランス感覚”だったりしますが、何よりも“リヤタイヤが地面を蹴飛ばすように加速していくフィーリング”が良いですね。

より走りを楽しもうとすると、そこそこのパワーやトルクが欲しくなってしまうことになりますが、オートバイを走らせること自体が面白いと感じられますから、純粋なスポーツカーと同じように乗っているだけで楽しいんです。
「FTR」に乗りたいと思ったのは“ダートラッカーっぽいスタイル”であり、「XR230」や「XL230」と同じエンジンを積んでいて、オフロードバイクらしいフレームや雰囲気などが好ましかったからですが、そんな中に“ストリートファイターらしさ”も感じていたんです。
再びオートバイをもっと楽しみたいと思ったとき、より自分の好みのスタイルに近づけようとカスタマイズを始めました。
憧れていた“ストリートファイターっぽさ”にはこだわりたいものの、レーサーに近いスタイルではなく普通のオートバイっぽいスタイルが欲しいと思うようになって、今では1970年代のオフロードバイクに近いスタイルになっているように思います。
【ホンダ】の『XL』および『XR』シリーズが好きな理由の1つには“私は赤色が好きだったこと”が挙げられますが、オートバイに乗るんだと決めてから4ストローク単気筒エンジンに惹かれてきましたから、自分が乗れそうなオートバイとして『XL』がとても身近に感じられていたのだと思います。
1970年代には『XR』シリーズは海外モデルしかありませんし、基本的には競技用のモデルですから“憧れのオフロードバイク”という意味合いが強かったので、私にとっては『XL』シリーズこそが本命でした。

今年は、日本で初めて『XL』シリーズとして登場した「XL125」と「XL250」が発売されてから50周年を迎えるのだそうで、どちらも1975年5月に発売されています。
私が自動2輪(小型)の免許を取った時には既に「XL125S」が登場していましたから、その初期型モデルを新たな愛車にして乗っていましたが、それまではずっと雑誌等で「XL125」と「XL250」を見つめ続けてきていましたので、初代のクラシカルなモデルもとても好ましく思っています。
それにしても、とても重厚感のある雰囲気を持っているように見えますが、残念ながら軽そうには見えません。
また「XL250」の分厚いシートは必要なんだろうか?!と思うことがありましたが、今時の感覚でいうならばもう少し薄くした方がいろいろな面でメリットがあると思いますよね。笑

気になっていたのは「XL125」で、私にとっては50ccバイクからの次のステップになりましたから、まだまだ運転の未熟すぎる自分に見合うのは125ccだろうと考えていました。
それに「XL250」はかなり大柄な車体に見えていて、乗ったらカッコよく見られそうだなと思いつつも、当時のモデルは先代の「SL250S」よりも10kg以上も重くなってしまい車重が148kgもありましたから、私の手には負えそうもないオートバイだと思えていました。
当時のカタログでは、“オンロードでもオフロードでも走りを楽しめること”を謳っていますが、さらに「XL250」では“デュアルパーパス”という言葉も載せてありました。
「XL250」では新設計のフレームにより最低地上高245mmを確保しつつ、エンジンは4ストローク単気筒4バルブで最高出力は20psを発揮します。また左右のクランクケースカバーには軽量なマグネシウム合金を採用していたのですが・・・
オンロード走行を意識し過ぎていたのかも知れませんが、オフロードバイクとしては物足りなさを感じさせることになってしまったのではないかと思います。

海外モデルでは175ccとか185ccという中途半端な排気量のオフロードバイクが販売されているのを知って、ベースとなるのは「XL125」で排気量だけが大きくなっているモデルでしたから、とても羨ましく思ったことがありました。
免許のことを無視して排気量アップすれば、より楽しいオートバイになるんじゃないかと考えたのですが、日本でも数年後には200ccのオフロードバイクが登場しますが、小型で軽量な車体はやはり走りが楽しくなっちゃいます。
「XL125」と「XL250」ではエアクリーナーやマフラーにこだわって静かなエキゾーストサウンドを達成していますが、当時は暴走族が社会問題になっていましたから特に排気音には神経を使っていたのかも知れません。
またタイヤと一緒に稼働するフロントフェンダーであったことも、道を選ばずに走れることをアピールしていたように思いますが、静かで粘りのある4ストローク単気筒エンジンは“旅の相棒”としては悪くなかったのではないかと思いますね。

それぞれのカタログには旅を意識させる内容も記されていましたが、「XL125」と「XL250」は元祖アドベンチャーバイクと言えるでしょう。
それから燃料タンクには新デザインのウイングマークが付けられていて、私の「FTR/HE゙AT HOPPER」の燃料タンクにも同じようなマーク(オールドウイングマーク)を貼り付けていますが、このマークは同時期からオン・オフモデルだけでなくモトクロスマシンにも採用されている“1つの時代を表すマーク”になっています。
その後「XL250」は、1978年にフロント23インチタイヤを採用した「XL250S」にモデルチェンジしました。

このモデルでは、スタイルが良かったこととともに軽量かつ足着き性も良好なことなどで大ヒットして、4ストロークのオフロードバイクのイメージを変えたと思います。
私は【ホンダ】のオフロードバイクらしいカラーリングの初期型モデルが好きなんですが、ちょっと野暮ったさを感じる(ごめんなさい)ものの、それまでの“ホンダらしさ”を強く感じています。
私の愛車となった「XL125S」も初期型モデルでしたから同じようなカラーリングで、燃料タンクからウイングマークがなくなってしまいましたが、これはこれで気に入っていました。

むしろ次期モデルの『XR』風のカラーリングの方が好ましく思えず、燃料タンク上部の艶消し黒色塗装が気に入らなかったのかも知れませんし、単なる嫉妬心からきたものだったのかも知れません。
この頃の「XL125S」と「XL250S」では赤色といっても朱色に近い感じのカラーで、なんだか柔らかいイメージがありました。
まだリヤサスペンションは2本サスタイプを採用していましたが、レイダウンされた長いサスペンションユニットはとてもカッコいいと感じていて、簡単に2本サスタイプに変更できるならば「FTR」でもやってみたいと思ったりもしています。
1981年には、リヤサスペンションにプロリンク式を採用した「XL250R」に大きく進化しました。

スタイル的には『XL』らしくなくなったように思いましたが、エンジンが黒くなったことで精悍さは増したように感じましたね。
その2年後には早くも「XLX250R」にモデルチェンジしたことにより、『XL』としてのシリーズは終わってしまいます。
この頃はモデルチェンジ等のサイクルが早かったので、性能もスタイルもどんどん進化していったように思いますが、“求められるもの”が次々に新しくなっていくような時期だったのかも知れません。
メーカーのセールスとしては『XR』の雰囲気を取り入れたマイナーチェンジ後の「XL250S」が最もヒットしているのではないかと思いますが、今見るとなかなかカッコいいと思えます。

それでも、私としては初期型の「XL250S」の方が“デュアルパーパス”らしくて好きですね。
「XL250R」以降のモデルでは、ゼッケンプレートを模したフロントカウルやサイドカバーが当たり前のようになっていますが、モトクロスマシンらしく勇ましくなったスタイルも悪くないのですが、本来のオートバイらしさが影をひそめてしまったように思います。
初期型の「XL250S」ではサイドカバーがコンパクトで“トレールっぽい”のが好ましく、デュアルパーパスらしいオートバイの雰囲気があって良いと思います。
愛車だった初期型の「XL125S」は性能的には物足りないところがありましたが、やはり“場所を選ばず楽しめるオフロードバイク”を感じられて良かったと思います♪