
ミッドシップのスポーツカーらしい『ロータス ヨーロッパ』は大好きですが、ハードな走りを楽しむことを優先するならば、やはり“レースで勝つために生まれたスポーツカー”である『ランチア ストラトス』や『ルノー サンクターボⅡ』などに惹かれます。
この2台についてはスポーツカーというよりも“レースカーに近いイメージ”があり、ともに【WRC】で勝つために開発されたクルマですから、スポーツカーではなく“レースに参戦するためのホモロゲーションモデル”というのが正しいところでしょう。
しかしながらナンバーを付けて公道を走れるわけですから、スポーツカーとして乗ってみたいのは当たり前ですよね。
言い換えれば“究極のスポーツカー”とも言えると思いますが、速さを競うために生まれたクルマですからスポーツカーらしくないところも多々あると思います。
走りを楽しむというよりも、速さを楽しむという方が合っていると思いますが、この2台のように“走りの性能に特化したクルマ”に惹かれてしまうのは、走りを楽しみたいスポーツカー好きには憧れてしまうのでしょう。
私にはレースで勝つために与えられた強大なパワーは必要ありませんが、同じ理由で与えられた“軽く剛性の高いボディ”や“運動性能”などについてはとても魅力的に感じますので、スポーツカーとして乗れることは羨ましい限りです。
そうしたクルマをスポーツカーとして手に入れたならば、こだわるのは速さではなく、走りの楽しさであって欲しいと思っていますが、乗り手次第になるものの難しいことなのかも知れませんね。

ちょっと前にホームページの【NEWS】で
“■理想のスポーツカーを手に入れる!?” という記事を書いていて、その中で[レストモッド]を紹介していますが、ここで紹介する『ニッサン マイクラ350SR』は日産自動車の英国部門がレストモッド(=最新技術を取り入れたレストア)により大幅に刷新されていて、レースで勝つためではないものの『ルノー サンクターボⅡ』よりもレースカーに近い仕上がりになっているように思います。

『ニッサン マイクラ』は、日本では『ニッサン マーチ』の名前で長年親しまれてきたコンパクトカーのことで、その新型モデルは電気自動車として2025年度中に欧州で発売される予定になっています。
つい最近になって、実車の姿
↓もお目見えしています。

この『ニッサン マイクラ350SR』は、3代目となる『ニッサン マーチ』をベースにエンジンをミッドシップに搭載して仕立て直した超スポーツカー(ほとんどスーパーカーです)になるのですが、このクルマの誕生23周年(ニッサンのごろ合わせ?!)を迎えるにあたってレストモッドしたものを最近になって発表しています。
この『ニッサン マイクラ350SR』は、英国サンダーランド工場で製造された2002年型『ニッサン マイクラ』をベースとして、【ニッサン】の1990年代英国ツーリングカー選手権での成功を支えたレーシング部門である【RMLグループ】によって製作されたもので、プラットフォームの適応性を示すとともに、日本のモータースポーツにおける同モデルのレース実績を祝うために作られたそうです。

このクルマに搭載されるエンジンは、『ニッサン ムラーノ』のV型6気筒DOHC/3.5リットルエンジンをベースにチューニングされており、300馬力を発揮すると言われています。
車重が1225kgということを考えれば驚異的なパフォーマンスを発揮することになりますが、これまでは【ニッサン】のイベントで展示されたり、ジャーナリストに貸し出されたりしてきたんだとか・・・。
今回のリフレッシュでは、ロンドンにある【日産デザインヨーロッパ】のデザイナーに協力を依頼しています。
デザインチームはこのクルマの歴史的価値を尊重して[レストモッド]でのアプローチを採用し、オリジナルのカラーリングを踏襲しながらも現代風の外装に仕上げています。

内装についてはほぼ手つかずのようですが、新しいシートとシートベルトで更新され、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応した9インチのタッチスクリーンを搭載し、ナビゲーションとエンターテイメント機能を追求しています。
ちなみに[レストモッド]というのは、“レストアとモディファイとをかけ合わせた造語”で、近年増え続けている手法の1つです。
「レストア」とは、古いクルマなどを可能な限り忠実に当時の姿に戻していくことで、ボディだけでなくエンジンや足回りなど全てを対象として徹底的に修復されます。可能な限り元の部品を使用し、それが不可能であれば当時の部品を使用し、それも入手不可能であれば新たにその部品を作ってしまうこともあるようです。
「モディファイ」とは、“部分的な修正や変更や改良などを施すこと”を表す言葉で、カスタマイズと同じような意味合いで使われていると思います。
レストアしようとしていながらも、いろいろな事情(部品が手に入らなかったりすることなど)から、部分的に現在のパーツを使用して信頼性を上げたり、ベースは同じでも時代の違うクルマを感じさせるように作り変えたりすることが「レストモッド」に当たると思います。
そのクルマの欠点となるような部分を補強・改善することから始まって、こうしたらもっと面白い?!などとカスタマイズに拍車がかかったり、さらに乗り手の好みを加えるなどして“オリジナルのクルマ”を作ってしまうこともあるわけです。
レストモッドされた『ニッサン マイクラ350SR』は、現代版の『ルノー サンクターボⅡ』にも思えてしまうのですが、レースで勝つために作られたクルマではないことを考えると、ちょっと“やりすぎ”にも思えるものの“300馬力を使いきれる性能を与えられていること”が大きな魅力ではないかと思います。

私にはこんなパワーは必要ありませんし、ここまで徹底したボディワークも必要ないと思っていますが、チューニング&カスタマイズのお手本として見るといろいろと勉強になります。
特にロールケージのサイドバー部分は、乗り降りを考慮した美しいパイプフレームであり、こんな風に仕上げられたらいいなぁと思うばかりですが、自分でやるとなると費用が掛かりすぎますね。汗
プライベーターが費用を抑えながらチューニング&カスタマイズをしていけば、どうしても“あきらめなければならないこと”にぶつかってしまいますが、うまく対応するのは難しいので結局は妥協することになる場合もあります。
それでも妥協できない部分はありますから、そういうところでは頑張って“やりたいこと”を成しえたいと思っています。

同じミッドシップのクルマながら『ホンダ ビート』は非力なクルマですが、ミッドシップのスポーツカーとしての高い素質を持ったクルマであり、何よりも運転すること自体がとても楽しいクルマですから、乗り手の好みや乗り方・走り方に合わせてチューニング&カスタマイズを施せば“最高のバディ”になると思いますよ♪
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2025/06/05 01:14:19