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昨日／７月５日、話題を集めていた新型『スズキ ジムニー』が正式に発売となりました。
何よりも“ジムニーらしさ”を感じさせるデザインは私も好ましく感じていて、既に納車まで半年以上待たなければならないという人気ぶりにもうなずけます。

２０年ぶりのモデルチェンジとなった新型『スズキ ジムニー』と『スズキ ジムニーシエラ』は、設計に4年以上かけているそうで、軽量化はもちろんのことアクティブセーフティ機能など細部まで新しくなっています。
『スズキ ジムニー』が登場してから４８年というロングセラーモデルで今回は４代目になりますが、原点回帰を設計コンセプトに悪路・山岳路・積雪路でもプロの作業者から山間部の生活の足、趣味の領域まで納得できる本格的な４ＷＤをめざしているのだそうです。

そんな中で私が特に気になったのが「ブレーキＬＳＤトラクションコントロール」と呼ばれている新機能で、【ＥＳＰ】によるトラクションコントロールと４輪のブレーキを独立して制御することにより“タイヤの空転を防いでくれるもの”なんです。

「ＬＳＤ」とは“Limited Slip Defferential Gear（リミテッドスリップデファレンシャルギヤ）＝差動制限装置”のことで、デファレンシャルギヤの動作を制限（作動制限）して駆動輪の空転を抑えるために装備されるものです。
一方「トラクションコントロール」は、駆動力（トラクション）を制御（コントロール）し、タイヤの空転や車の横滑りを防止するシステムで、雪道や濡れた道路など滑りやすい路面や急発進や加速時にタイヤが空転してクルマが不安定になるのを防ぐためのものであり、「ＬＳＤ」とは装置の目的が異なっています。

※【ＥＳＰ】とは“車両走行安定補助システム”のことで、さまざまなセンサーによって走りを監視し、必要に応じてエンジンとブレーキをコンピューター制御。カーブなどでのタイヤのスリップや横滑り、急ブレーキ時のタイヤロックなどを抑え、車両の安定走行に貢献します。（メーカーホームページより）

新型『スズキ ジムニー』に装備されている「ブレーキＬＳＤトラクションコントロール」は、空転してしまったタイヤにブレーキをかけることにより反対側のタイヤにもトラクションがかかるようにできるもので、電子制御のため４輪がどのような状態にあっても“接地しているタイヤに最適なトラクションを発生させる”ことができるんです。
これは機械式の「ＬＳＤ」よりも悪路走行において有効な方法といえますから、高い走破性と安全性を確保できるものだと思います。

もともと「ＬＳＤ」はレーシングカーや競技車両のチューニングパーツで、オフロード走行のためのパーツではありません。オフロードや極悪路での走行では、差動制限ではなくロックさせる機構の方が効果的であることを考えると、「ブレーキＬＳＤトラクションコントロール」の方が効果が高いと言わざるを得ません。
また「ＬＳＤ」はオイル交換や調整などメンテナンスに手がかかるのが欠点になっていますから、そういったことを考えなくて済むのもありがたいですね。

「ブレーキＬＳＤトラクションコントロール」は決して「ＬＳＤ」ではありませんが、オフロードや悪路走行をしなければならない環境下においては「ＬＳＤ」以上に威力を発揮することでしょう。
既に電子制御が当たり前の現代のクルマにおいては、よりシンプルな構造や低いメンテナンスコストを考慮するならば、新型『スズキ ジムニー』に装備されている「ブレーキＬＳＤトラクションコントロール」はコストパフォーマンスに優れている装備といえますし、大きな魅力になると思います♪