
先月のことになりますが、私のオートバイ『ホンダ FTR/HE゛AT HOPPER』のフロントブレーキのパッドを交換しました。
新たに取り付けたのは「デイトナ/ハイパーシンタードパッド」で、文字通り“シンタード(メタル系の焼結タイプ)”のブレーキパッドです。
スポーツカーに乗っている人間にとっては“シンタード”のブレーキパッドなんて、ブレーキローターがあっという間に傷んでしまうのでは・・・と思うところですが、オートバイの場合にはそうではないようです。
ステンレス製のブレーキローターを持つオートバイでは、耐久性や低ダスト性を実現するために用いられる方法の1つとしてシンタードのブレーキパッドが売られているようで、【デイトナ】ではコストを抑えながらブレーキローターへの攻撃性を抑えた製品を出しているのですが不思議な感じがします。
実はこの「デイトナ/ハイパーシンタードパッド」は、効きよりも耐久性を優先した街乗りメインのライダーのためにリリースされていた製品だったことに気付かずに注文してしまったものでした。
シンタードのブレーキパッドといえば、効きとタッチの良さが売りのスポーツタイプだと思い込んでいたのですが・・・この製品に関してはちょっと違っていたようです。
私としては“フロントブレーキの効きをもう少し良くしたい!!”と思っていたからですが、その目的からすると選択は間違っていたように思います。
とはいうもののダストで汚れるのは嫌なので、ノーマルと同等以上の効きが期待できるうえに、ノーマルよりも耐久性があって長寿命であり、ダストが少ないというのは嬉しいところです。
またシンタードのブレーキパッドゆえに、ブレーキのタッチが良くなることも願っているのですが・・・。
ちなみに交換前のブレーキパッドの状態は、パッドの厚さが1.7&2.2mmほど(片押しキャリパなのでピストン側の方が薄くなっていました)でしたから、そろそろ交換を考える時期になっていたのかなと思います。
クルマの場合にはブレーキパッドの厚さが3.0mmくらいになったら交換が必要になりますが、オートバイの場合には“パッドに切られている溝がなくなったら交換時期”といわれています(『ホンダ FTR』のサービスマニュアルでもそう書かれています)が、そうするとブレーキパッドの厚さが1.0mmくらいになるまでは使えるようです。
オートバイの場合はブレーキまわりが加熱し過ぎないのでギリギリまでブレーキパッドが使えるのかもしれませんが、ちょっと驚きですね。
新品の純正ブレーキパッドの厚さはかなり厚いと思います(10mmくらい?!)ので参考にはなりませんが、今回取り付けた「デイトナ/ハイパーシンタードパッド」ではパッドの厚さはたったの3.7mmでした。
やはり長寿命を謳っているシンタードのブレーキパッドの厚さは予想通りに薄いのだと思いましたが、その固さと薄さゆえにブレーキのタッチが向上することをとても期待しています。
この画像は、左側が今まで使用していたものであり、右側が新たに取り付けた製品です。
一般的なブレーキパッド(レジン系の熱プレスタイプ)ではベース材には塗装が施してありますが、シンタードのブレーキパッドではベース材が銅メッキされているのが特徴であり、たいていの場合にはこんな風に銅色をしています。
それからブレーキパッドの取り付けにおいて気を付けたいことはいくつかありますが、やはりちゃんとメンテナンスをしながら取り付けていただきたいところです。
ただ単にブレーキパッドを取り替えればよいというのではなく、できればザザっとでも汚れを落としておいて、そのときにキャリパの状態を見ておくことが必要だと考えています。
それは、新しいブレーキパッドを組み付けるときには突き出たピストンを押し込まなければなりせんが、もしピストンの外周に著しい錆や汚れがあるとピストンが戻らなくなってしまいますから注意が必要です。
クルマの場合にはダストブーツが付いていますから状態がわかりにくいですし、それほど気にする必要はないのかも知れませんが、ブレーキローターやブレーキパッドは摩擦熱等により高温になりますから、その影響でピストンの外周にダメージが残ることもありえますので、ダストブーツのないオートバイの場合には特に注意が必要だと思っています。
また鳴きを抑えるためにピストンとの接触面に専用のグリスを塗っておいたり、ブレーキパッドの肩部分の角を落としておくこともやっておきたいところでしょうか。
私の場合にはそういうことをあまり気にしていないので、いつもそのまま取り付けてしまっていますが、リヤブレーキシューの交換後にブレーキの鳴きが出て気になったこともありましたので、今回は一度取り付けた後で再び取り付け直して手を入れておきました。
実際に走ったときの印象については、ブレーキパッドの交換直後はブレーキローターを新品に替えているわけではありませんからブレーキパッドが馴染まなくて効きが良くないのは当たり前のことなので、あくまでも100kmくらい走ってからの印象をお伝えします。
以前と比べると、ブレーキのタッチやフィーリングが良くなっていて、効きについても想像していたよりも好ましいものになっています。
何よりもブレーキのタッチやフィーリングが良くなっているのが嬉しいところであり、さらにダストが少なくなっているわけですから、これだけでも十分に替えて良かったと思えます。
街中でのライディングとはいえ『HE゛AT SPRINT』と同じ様にそこそこにハードに走っている私なので、いつも結構強めのブレーキングを楽しんでいたりしますが、今までよりもコントローラブルに感じられていますから気に入ってます。
“フロントブレーキの効きをもう少し良くしたい!!”と思ってブレーキパッドを替えたのですが、その目的もそれなりに達成できたと思えるほど良い印象であり、結果的には満足できています♪
Posted at 2019/02/17 23:21:00 |
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