
もう40年ほど前のことになりますが、1度だけ“原付スクーター”に乗っていたことがあります。
それはオートバイ屋で働いていたときのことで、モトクロスの練習で左膝の靭帯を痛めてしまって医者から“しばらくは膝を曲げてはダメ!!”と言われてしまい、それで店で中古車として在庫していた『ヤマハ パッソル』を購入させてもらい、しばらくの間だけ乗っていたんですよ。
当時はスクーターなんて乗る気はなく興味もありませんでしたので、中古車のテスト試乗くらいでしか乗ることはありませんでしたが、生活の足として使ってみるととても便利な乗り物だということを気付かされました。
販売価格を抑えるために最低限の装備しかなかった時代でしたから、メットイン(ヘルメットを収納できること)どころかシート下の収納スペースさえ持たされていなかった車両ばかりでしたが、軽量な車体と元気な2サイクルエンジンのおかげで楽しく走れるバイクだったと記憶しています。
そんな“原付スクーター”の中でも私が好きだったのは、1983年に発売された『ヤマハ ジョグ』です。
フロントフェンダーを一体化したスポーティなデザインが斬新でカッコよくて、街の中をキビキビと走れる性能を持っていましたから、そこそこに速かったですしリーズナブルな価格も好ましかったと思います。
『ヤマハ ジョグ』は現在も【ヤマハ】のリーズナブルな“原付スクーター”として販売されていますが、相変わらず“JOGらしさ”が感じられるスタイルで、とても好ましく思っています。

現在販売されている“原付スクーター”はどちらかというと大人っぽい色合いやクラシカルな色調が流行っているのかなと思いますが、この『ヤマハ ジョグ』では鮮やかな黄色があるのがいいですね。
1983年ごろは赤色や青色などの原色カラーがほとんどだったと思いますが、今はそういう派手な色のスクーターは見当たらなくなっているように思います。好みの違いでしょうか?!
価格が高くなっているのは仕方のないことですが、車体をじっくりと見てみると仕上がりが格段に良くなっていますし、特にフロントサスペンションの見栄えが全然違います。
価格相応といえるのかも知れませんが、それなりに乗り心地が上がっていることでしょう。

メーター回りでは、相変わらずシンプルながらデジタルの燃料計や時計まで付いているのはありがたいと思います。
もちろん走行距離計だけでなくトリップメーターも付いていることでしょうが、最近ではオイル交換の時期などを設定する機能もあるそうなので便利です。

1985年ごろから始まったヘルメットを収納できる機能も便利だと思いますが、やはり最近のスクーターでは当たり前の装備になっているようです。
ヘルメットを入れなければ結構大きな荷物が入るので、ちょっとした買い物などにも利用できるので重宝することでしょう。
現在の『ヤマハ ジョグ』の仕様は次の通りです。
車体は少しだけ大きくなり、車重はかなり重くなっていて、燃費は良くなっているものの動力性能は少し落ちているようですが、お洒落で便利なバイクとして仕上がっているように思います。
・全長 × 全幅 × 全高: 1675mm × 670mm × 1040mm
・車両重量: 78kg
・エンジン型式: 水冷, 4ストローク, 単気筒, 49cm³
・最高出力: 3.3kW(4.5PS)/ 8000r/min
・最大トルク: 4.1N・m(0.42kgf・m)/ 5500r/min
・販売価格: 165,000円 (税込:181,500円)
それでも小型で軽量なバイクであることは間違いありませんから、悪くないと思います。
こちらの画像は1983年に発売された初期型モデルで、私にはこのスタイルの方がしっくりきますね。
軽快でアクティブな「スニーカー」のイメージをテーマに開発されたスポーツスクーターということで、4.5馬力のパワフルな2ストロークエンジンと49kgの軽量ボディを組み合わせて、瞬発力のある元気な走りを実現していました。
スタイルも実用性も抜群であり、若者たちに人気の高いモデルだったと思います。

初期型の『ヤマハ ジョグ』の仕様は次の通りです。
シンプルだからこその軽量さが光りますが、やはり2ストロークエンジンのパワフルさは大きな魅力だったと思います。
・全長 × 全幅 × 全高: 1555mm × 605mm × 965mm
・車両重量: 49kg
・エンジン型式: 空冷, 2ストローク, 単気筒, 49cm³
・最高出力: 3.3kW(4.5PS)/ 7000r/min
・最大トルク: 5.3N・m(0.54kgf・m)/ 5500r/min
・販売価格: 99,000円
今や【ホンダ】と【ヤマハ】で同じ車体の“原付スクーター”を販売している時代で、『ホンダ ジョルノ』と『ヤマハ ビーノ』ではそれぞれにフロント&ハンドル周りを中心にして個性的なデザインを採用して別のバイクとして販売しています。
私にはどちらも素敵なバイクであり甲乙つけがたいと思えますが、大人っぽい色合いや雰囲気が多いモデルの中で『ジョグ』と同じ鮮やかな黄色の『ビーノ』に惹かれます。

近い将来には排気ガス規制の都合で“原付スクーター”の排気量が50ccから125ccになると言われていますが、動力性能は50cc並みに抑えられるらしいですから、大きくて重いものになってしまうのでしょう。
ちなみに現行の『ヤマハ ジョグ125』は、全長×全幅×全高: 1740mm×675mm×1090mmに車両重量: 95kgで、空冷4ストロークエンジンを搭載しており販売価格は 232,000円 (税込:255,200円)ですが・・・
小型・軽量な“原付スクーター”は試練(特殊な交通ルール等)が付きまといますが、とても重宝なバイクだと思います。
しかしながら、こんなに便利な乗り物を手にしてしまうと“いつも乗ってしまいそう”になりますから、私はこれからもスクーターに乗ることはない(自転車で頑張ろう!!)と思っています♪