WRXの後部座席にチャイルドシートをつけて、家族三人で走ってたあの頃。
もう一人家族が増える事が分かって、さすがに2ドアではもう限界だって思った。
今よりもっと余裕がなくて、将来への不安ばかり。新車なんて夢のまた夢。
でも長く乗れるように三年落ちくらいの状態の良い車を探した。
候補に挙がっていたのはイプサムとMPV。
どっちもこのクラスとしちゃあ相場が安かった。
何台か見て廻っていたけど、いまいちコレだってのがなくて
ちょっと足を延ばした中古車屋で出会ったのが君だった。
知らない車じゃないのに何故だか急に魅力的に見えて
値札を見たけど予算オーバー。その日は諦めた。
もうちょっと買いやすい他の車をと探したけど
やっぱりあの日見た君のことが忘れられない。
大事にする。10年乗る。とかみさんに拝み倒して
僕は君のオーナーになった。
それからの日々。
僕ら家族の思い出の中にはいつも君がいた。
特に次女の成長は君と共にあったといっていい。
忘れもしない。
産院を出て初めて自宅に帰る次女を迎えに行ったのが
WRXの最後の大仕事。
そして安産祈願のお礼参りの為に次女を乗せて
初めて遠乗りしたのが君の最初の大仕事だったね。
決して裕福とは言えない僕らの暮らしを
君は正に万能選手として支えてくれた。
どんな時も君は僕らの期待に応えてくれた。
ある時は日々の通勤の足となり
ある時は観光地までの特急列車となり
ある時は広大な荷室を誇るバンとなり
またある時は客人たちをもてなすリムジンとなる
時には未開の地を探査するクルーザーとなり
時には冷たい雨から身を守る傘となり
時にはご機嫌な音楽を届けるジュークボックスとなり
時には疲れた身体を癒す一晩の宿となる
西に富士の頂を仰ぎ
東に気仙沼の潮風を感じて
走り抜けてきた7年4か月
君は最後まで僕ら家族を守り抜いた
君の登録は三月で切られると聞いて僕は思わず
「それは廃車という意味ですか?」と問い返した。
かみさんから買い換えの話が出てからも
ここで乗り換えるのが本当に良いことなのか何度も考えた。
例えばこの機会に君をリファインしたら?
まずは室内はプロのお店で徹底的にクリーニング。
染みのこびりついたシートにはシートカバー・・・いや
いっその事プレステージの本革シートに入れ替えよう。
補修部品は今でも手に入るのかしら?
外装の傷や凹みも全面的に修復して
くすんだパールホワイトのボディは新しく全塗装。
今度はパールじゃなくてチャンピオンシップホワイトにしよう。
エンブレムをタイプRの赤に変えるなんてお遊びも今なら「アリ」だ。
剛性感の落ちたボディはスポット増しや
補強パーツなどでリフレッシュ。
比較的堅調なエンジン・ミッションもこの機会にオーバーホールしてもらおう。
もちろんマウント・ブッシュ・シール・ホースの類は全とっかえだ。
余裕が出来たら手を入れようと思ってずっと出来なかった
ナビ・オーディオの再構築とフリップダウンモニターの設置。
足回りもショックは憧れのオーリンズ。タイヤは念願のレグノを驕ろう。
これだけやってさあいくらになる?
多分新車を買うよりは安く上がるだろう。
・・・いや誤魔化すのはやめよう。
そんな大金をかけなくたって、あとほんの少し。
最低限手を入れるべきところにお金をかけてあげれば
君はまだ5万Kmだって10万Kmだって走れる。
僕は君を捨てて新しい車に乗り換えるんだ。
これから僕らはエクシーガと共に家族の思い出を積み重ねていく。
上の子はうっすらとWRXの事を覚えているみたいだけど
もちろん下の子は君の事しか知らない。
だからきっと娘たちにとって
子供時代の楽しい思い出の中の車は
これからもずっとオデッセイだろう。
ありがとう。オデッセイ。
君はまさしく僕ら家族の夢の箱だった。
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日々のつぶやき | 日記
Posted at
2014/03/26 00:57:36