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イイね!
2012年08月31日

面接の後始末と堀健一さんの本

 ・今日は昼間、図書館で掘さんのワインの本を読んでいたら電話があった。いそいで外に出て受けたら昨日の面接で来た土地改良普及センターの人が昨日渡しそこねた物があるからと言うので、ちょっと何が来るかと期待していたら、ずっと前にある担当者に頼んだ資料だった。が、持ってきて貰ったらのを見たら完全に違う内容というか、あまりに違って二人で苦笑。まあ、優秀な人ではないと思っていたんだけど、ね。

 ・センターの人は昨日のゴチャゴチャした話からは完全にフリーだし資料も適当だったので、実際の所、他の人とかどーだったんかなー、と思って聞いてみたが、他の候補者は5名で私の面接が最後だった点しか分からなかった。事業主は市なので、具体的にどーすんのかとかは分からない、という話し。まあ、実際センターは呼ばれてきただけだろうね。別の所で今回の市の割り当ては4名と聞いているので、普通に考えると1名落ちるだろうし、審査順に何らかの意図を感じてしまう。もっとも、計算上対象者はもっと多いはずで、案外この制度は利用者が足りない状況なんじゃないかなーとも思ったり。

 ・この人はちょうど先日とある産廃の有効活用で電話した人だったので、その件についても環境部との話しを伝え、いかに悪貨が良貨を駆逐し、役人の事なかれ主義が蔓延・・・なんて話しはしないでも分かるから言わないけど。しかし、普通、別のセクションに渡る話しだったら、お互い連絡しあわなかったのかねー。他にもいくつか昨今の農業関係の問題の話しなどもしたが、詳しいのではあるけれど(というか私は就農1年目のペーペーで彼は筋金入りの農業政策やってるから、あっちのが上手のはずだ)、どこか問題があるとそこで諦め、誰かがどうかしてくれると思っている節がある。例えばホールクロップサイレージもコストがまだ輸入穀類より高いし水田に入れる機械が高いという問題で思考がストップしている。今後穀類が値上がりしたり供給に問題があったときに、割高でも自給率を少しでも上げておこうとか、コストダウンするための品種改良が行われているとか、そういう事は言わない(知ってはいるだろうが)。多分新規就農者問題だって、どこかで誰かが馬鹿な仕事を選んでくれるだろう、俺は技術担当だから関係ないし仕事をやめさせられるわけでもない、と思っているだろう。確かに縦割社会でいち技術担当者が農政に口出ししたら越権というか職分侵害に思われるだろう。今回の市役所のだって、結局の所彼はお飾りにすぎず、意見を求められれば答えるだろうけど、別段これと言った採点枠はないはずだ(あったらあったで責任どうすんだよと言う話しだけど)。しかし、例えば農家はいち零細農家であってもTPPの問題も考えるし市場や安全性の事も考える。専門化はある種の産業や研究だと有効かも知れないが、農業というのは高度な万能性、汎用性を求められる物なのだ。

 ・さて、掘さんの本は読んだこともあるエッセイ風の短編集だったが、大きな枠で色々な事は伝わってくる。特に90年代になって急速のワイン作りの技術革新が起こっているという事は重大な指摘だろう。ぶっちゃけると、今のワイン作りはかつてとは比べものにならないほど、高度なテクニックが醸造段階では導入されているらしい。ただ、技術というのは適正に使ってこそ意味があるし、基本的には汎用なので、世界中で同じ物が手に入ると考えて良い。逆説的に、世界のワインが全て同じような感じになってきているというのは、私の限られた経験でも感じる所だ。かつてのブラインドテイスティングはさほど難しくなかったが、今はまず無理だそうで、個性というのがなくなって均一に品質が高いのだそうな。
  一方栽培の方はAOCならAOC,DOCならDOCでかなり厳密に決められており、それを逸脱するとテーブルワイン格付けになってしまったりするそうな。中にはそれでも良い物を作るためにテーブルワインで出す人もいるらしいし、AOCより高位値段でリリースするとか言う挑戦もあるそうだが、それを評価する批評家が悪い評価をすればそれでお終いである。今日は批評家の好みがパタン化していて、技術の均一化とともにますますワインを画一化した物にしているそうな。という事は制度がゆるい新世界の方が栽培面では許容度が高いという事だ。驚いたのはヨーロッパの葡萄は潅水が制度的に禁じられているという点。以前からヨーロッパワインの話しでは排水の話しは出るのに潅水の話しが出ないのが不思議だったが、基本的にヨーロッパは潅水しないでも平気な程度の降水量で(一応年の限度が600ぐらいらしい)、ニューワールドはそれより少ないそうな。だからニューワールドで潅水は必須だが、オールドワールドが禁止なのは技術制約になっているそうで。その対策として、暗渠排水で木が深く根を張るように仕向ける事が、結果として降水量に左右されづらい葡萄作りの原動力になっているとの事。チリなんかだと日本の水田みたいに農地を水浸しにして潅水したりもするそうで、品質的にはありえないようなやり方だろうが、そういう違いもある。
  あと、ワインの熟成に関しても、この人はかなり長い熟成を好むようだが、一方で世界のワインの95%はすぐに飲まれているとも。つまり、熟成タイプを作っても買う層は限られている訳だ。例えば日本でもフルボディーを買って何年も寝かしておけるセラーを持っている人なんて1000人に1人いるかいないかだろう(私はセラーが必須とは思わないが)。するとブーケよりアロマ、先天的に好まれるワインがますます評価される訳だ。
  葡萄の味で面白いと思ったのは、リンゴ酸が呼吸により乳酸になる事で、酸味が落ちると同時に糖が増えるという部分。確かに今年の葡萄は温度が高くてそのプロセスが急で、酸が抜けたらもう過熟って感じになりやすい。もう一つはリースリング系のおいしさの秘密に迫る部分だろうが、アルコール発酵はガラクトース(しょ糖)とフルクトース(果糖)があると、先にガラクトースから分解するので、発酵段階によってはフルクトースの味が強くなるそうな。一方ジュースリザーブによって後からジュースを足す方法だと、再びガラクトースが増えるので味わいが変わってくるそうな。ジュースリザーブはドイツのリースリングではよくある方法らしいが、なるほど。

 ・ワインは今日は実験でカベルネソーベニヨンを延々とデカンタしてどのぐらい味が抜けるか調べてみた。というかグラスに入れてちょびちょび舐めてたんだけど、一度あけたボトルなので最初はすぐに美味しく飲めた。で、5時間ぐらい放置してたら、味が酢みたいになっていてびっくりした。こんな簡単に駄目になるんだなと。実は日本の有名なワイナリーのワインもガチガチに硬くて同じように放置した事があるのだけれど、こっちは季節も違うだろうが、全く変わらなかった。含んでいるエキスの濃さみたいなのが違うのだろうか。一方白ワインはデカンタは普通しない(というか知るかぎりしない)。しかしユライツィッヒのアウスレーゼがこれ結構硬くてリースリングの中だと好きではなかったのだけれど、開栓してから何日かしたら飲みやすくなってきていた。明かに二次発酵っぽかったんだけど、私は好きな味になってた。不思議だ(でも果実の香りは飛んじゃったけど)。ドイツワインはテロワールもクリュ制度もないが、代わりに糖度だけで分けたQmPが選択を難しくしているというのは私も感じた。正直、村名の生産者不明のアウスレーゼより有名畑の名家醸造のカビネットの方がおいしいんだけど、じゃあドイツワイン飲むのに生産者を知らなきゃいけないのかよ!とも思う。
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Posted at 2012/08/31 22:02:31

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