2013年03月08日
公務員天国とメガソーラー
・先日はワイン品種の穂木を植原葡萄園に送って苗をつくってもらう。先ほど連絡が来て、とりあえず継げるそうで一安心。結構弱い芽が多かったから、辛そうだったんだよね。あと普通の苗も届いた。何故かカベルネソーベニヨンの台木がグロアールだった。選択出来なかったので、種苗店が注文でそういう接ぎ木を作って残っていたという事なんだろうけど。
・台木というのは葡萄根アブラムシ、フィロキセラ耐性がある硬い根っこを持つラブルスカ系の葡萄を使う。ラブルスカでも野生ので、いわゆるデラやナイヤは台木にはしない。この原種は3つ、リパリアかルペストリスかベルランディエリで、ルペストリスとベルランディエリの交配のテレキ5BBが日本だとデファクトスタンダード。グロアールってのはルペストリス・グロアール・ド・モンペリエってルペストリスの原種の事である。最近見直されているが、原種だから改良など受けてない訳で、それほどメジャーな台木ではない。乾燥にも弱いし、誰が作ったんだか・・・
・そして青年就農給付金の中間面接に出てきた。今回は市役所と改良普及センターで、改良普及センターの人とばかりしゃべっていた。というのは改良普及センターだけ農地に来たってのもあるが、そもそも市役所は聞く事が何にも分からないので黙っていたし、ある程度聞く内容は絞られていたのだろうと思う。で、肝心の内容は「予定より売り上げが低いが大丈夫か」って話題がほとんどだった。あとは規模拡大の話しで、これは後で述べるがある事案がまた再燃しているのだ。
売り上げが予定より少ないのは私もうすうすは感じていたが、じゃあそれが酷い問題だと思っているかと言うと全然思ってなかったので、結構意外な事聞くナー程度の感じ。というのは、農家だって売り上げ目標に近い物は持つわけだが、その前に葡萄の樹と相談して、こんぐらいならOKという手応えを得てやっている。だから、品質が改善されていればとりあえず成功であり、その意味で私の昨年の収穫は自分の中ではそこそこ満足している。それが金にならん原因としては、全体的な豊作で市場価格が低かった事や、収量がまだ一般的な園ほど取れてないという事に起因する。で、収量が少ないのは、収穫時のロスが多いケースと最初から少ないケースがあり、前者は病気の発生など失敗なんだが、最初から少ないケースは失敗とは言い切れない。葡萄がそもそも良い房を付けそうもないからそれを落としたら少なくなってしまった訳だから、その年に管理の不行き届きがあった訳じゃない。それまでの蓄積が問題であり、それを知るにはその前の年、前の前の年の影響が出てくる。単年度作物だとそういう言い訳は通じないんだけどね。
・あとは地元の葡萄農家さんの手伝い。この人は私よりスキルはあるのだが、地元の農業関係の公共事業もやっているので、自分の園の手が回らないって事でお手伝い。この人だって公共事業をやりたくやっている訳じゃなくて、まあ持ちつ持たれつ、地域のために泣いてやっているので、私も自分の園が終わっている訳ではないがお手伝いに行く訳。ま、色々話せて近況を知るにはいい機会だし、参考にもなるしね。この園の自然樹形なので直接参考にならない部分も多かったけど。
・さて、上で書いたある問題、それはメガソーラー計画である。以前メガソーラー計画が起きて、実際は誘致に失敗したので、農地の問題はとりあえず解消したと書いたが、別の場所でまたメガソーラーの計画が進行していると聞いた。その時は農業委員会の話しだと、農地転用は許さないから、耕作地をつぶしてのメガソーラーなど無いという返事だった(というか、農水省に問い合わせたらそういう指導が市になされたらしい)。ところが、今度同じ担当の課長が出てきたら、「6ヶ月前はそうだったんですけどねー、個別の案件は他の人には話せないですから、許可は県が下ろしているからそこに聞け」みたいな事を、濡れた犬で見るような目で言われた。役人ってのは自分の言葉をすぐに反故にして、なんの反省もないんだなーと痛感した。今度役人と話す時はボイスレコーダー必須だな。
で、県に聞いたが、一般論でしか言えない、案件があるかも言えない、ただ農業振興地に指定されていれば(白地、青地とかなんとか)簡単に転用許可は出さないって話しだった。「じゃあ、荒廃農地になったらどうなの?」と聞いたら、別の部署がやっているから分からないとの事。私が心配しているのは、この転用許可は農地法で守られていて基準も最近変わったという事はない。ただ、荒廃農地対策で農地から林地に転換するという事は最近国の方針で良く行われているらしい。
で、そういう転換をしてしまえば、農業振興地だろうが転換が可能になってしまう訳で、実際ブローカーやディベロッパーの手口は農地をまず耕作させないようにしてから転用しているようなのだ。そして、転換の許認可は農業委員がやっているので、泥棒自ら縄をなえと言っているような物で全く信用出来ない。大体、そういう話しがあるから周辺農家としては転用の圧力がかかると嫌なのでプロジェクトを知りたいと言うのに、該当しなきゃ知らせないってのは全く道理が通らない。犯罪行為でも裏でやってるんか?そうでなくても、個人情報保護法とか役人は手前らが都合のいいようにしか使わないしな。
・一方で税金の徴収に関しては補助金の関係で厳しく申請をさせられる。取る方ばっかり熱心で、その熱心さで公共事業や役人の勤務態度を見ないで、この国はもうとるべき方向を間違えたとしか思えない。いや、放置すれば腐る方向にそのまま進んだ感じだ。こんな事を続ければ、どんどん役人ばっかり増えてギリシャのように役人天国になってから、国の財政が火の車になって破綻するんじゃないか?ってもう実質破綻したようなモンだけどな。それに、今定年前後の役人はでもしか先生みたいな「安いけど安定」で役員を選んだようなのだからやる気なんかないし、現在増えているのも同じような層だ。ただ民間が下がりすぎて、それよりマシって感じなだけで。
・結構気になるのは、先日も農業の行政機関に行ったら、そこだと女の子も若い人も一杯いるのね。彼らは農業系の学校を卒業したスペシャリストで、大本は農業で仕事をしたいと思っていたと思うの。そういう熱意があった人が、就職先として役所関係を選ぶと、どんどんその場所の悪い空気にさらされて熱意が冷め、安定のために保身するようになる。私の同窓の女の子でも東大の院まで進んで北海道の方で林野庁だかそういうのやっていた人がいるけれど、SNSの日記はどんどんネガティブな方向に行って、最近は音信不通である。という事で「熱意がある若者よ、役人にだけはなるな(あと政治屋もな)!」もっとも、役人てプライベートだといい人が多いんだよね・・・
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Posted at
2013/03/08 13:58:33
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