2013年06月20日
炭が自然に帰らない訳
・ニコニコのニュースで割と人気になっているが、少し疑問なエントリー、「炭が自然にかえらない訳」について、馬鹿発見機は使ってないのでこっちでチラ裏してみる。あそこの解説だと「炭は元素まで分解されているからそれ以上分解されない、よって残る」という説明だったが、それはかなり簡略化したある側面だけの見方であり、実際はそうではないのではないか?と思う。まず元素まで分解しているから云々はあんまりまともに取り合う話しではないと思うが、じゃあ割と低い分子レベルまで分解されている窒素とかが分解されないかと言うとそんな事はない。例として石(ケイ素)が出ていたが、石ってそんなケイ素ケイ素しているのばっかりでもないだろう。それに、例えば鉄なんかは人工的に純度が高められた物だが、自然界ではちゃんと錆びて腐る。そりゃ鉄を捨てていかれたら、相対的に分解はしづらいけど。いわゆる、自然に分子が分解しやすい尺度はイオン化のしやすさとか紫外線での崩壊性などの要素で、炭素は電子軌道最外殻(LとかKとかPとか)がオクテットで電子的に安定した結合を取るので自然分解はしづらい、というのが正しい。たとえばここが大きくかけているアルカリ金属なんか元素でありゃー、すぐに派手な反応を引き起こしてイオン化して安定しようとする。
・で、多くの物質は自然界では安定した状態になって存在していると考えられる。炭はまあ人工物ではあるんだけど、書いたように安定した状態になっている。それらの物質が人間の視点で見て分解されたり消えたりしたように見えるのは、かなりの部分が生態系、つまり微生物などの活動により取り込まれて消化され別の物に変わる反応のせいである。例えば夏草は300坪で軽く2トンとか4トンという単位になるが、冬には綺麗さっぱり消えている。水分が8割としても400キロから800キロの窒素・炭素・ケイ素などの化合物が消えているのは、それらが微生物の分解過程で気化したり水溶性になって浸透したりしているためだ。実際、畑での有機物の損耗は毎年500kgぐらいと見積もられており、温度があがると微生物の活動が活発になり激しくなる。コンポストを思い浮かべてもらえれば手っ取り早い。
・じゃあ炭が残るのはどうなのか?実は炭は生分解性が低い。炭素は有機体生物の構成要素の一つだから必須なのだが、生物の構成割合から言うと炭素と窒素の割合は決まっており、現状窒素の方がはるかに少ないので、炭素がガリガリと消耗する状態にはない。多分だが、炭素を細かくして、高濃度の窒素と混ぜれば、結構分解してくれると思います。もっとも、温度が上がりすぎるかも知れないけど。それに植物は炭素は二酸化炭素を糖なりデンプンにして吸収しており、動物はそれを受け取っているので、炭をバリバリ食べるって事はしないから、直接吸収分は少ないと考えられる。これは最初に挙げたイオン化傾向の違いとも多分関係していて、安定結合状態の炭素を微生物が分解するのは割に合わないのではないかと思う。ただ、炭素は親水性で毒性も低く、炭のように多孔質になっていればなおさら微生物の住み処として適しているので、炭が無菌状態という事ではない。
・焼き畑はどうなの?というつぶやきもあったのだが、焼き畑は炭ではなく灰レベルまで分解してしまっている。灰にするとカリウムや微量元素は多く、表土が酸性に傾きやすい高緯度地帯の酸度補正になるし肥料にもなる。ただ窒素分は少ない。これに合うのは芋類なので、キャッサバとかが作られていると理解している。ただ、数年使うと地力が消耗するので、例えば30年周期で3年使って10ブロック回ってくる、みたいな使い方をすれば、持続可能だと言える。これが10年で回っちゃって荒廃しているのが問題で、高緯度地帯は降雨が多くて表土が流亡しやすく、そうすると森林再生も行われず悪循環になる。最近深刻なのはインドネシアで、あの国唐突に破綻すると思うな、人口多いし。次ぎブラジルか。
・炭の処理としては、まあ捨てるのが悪いかと言うと微妙なんだけど、美観上だめならば持って帰る事になるだろうか。私はわざわざ炭にして撒いているぐらいなのでもったいないなーと思うんだけれど、灰になるまで燃やすのも良い手だろうし、燃えるゴミとして出してもいい。注意すべきは炭はかなり内部に火だねを持ち続けるので、大きい塊を紙類なんかと一緒にしてトランクに入れといたら車炎上とかになりかねないので、金属の容器に密閉して運搬するとか粉砕するとか注意すべきだろうか。
・ そんだけ強い炭素なら、車のボディーとしての寿命は半永久的かと言うと、炭素繊維は多分そうだけどバインダー樹脂の寿命がせいぜい30年ぐらい、まあ実際は安全マージン削りつつ50年ぐらいでダメになるのではないだろうか?面白い事に、軽量化を重視しているバイクではカーボンフレームというのはまだ登場していない。自転車や車ではあるし、カウルでも実用化されているのだが、何故だろうか?軽金属でも充分軽いからか、接合部分が難しいからか、強度設計や靱性に難があるからか。ホイールではカーボンはありますけどね。
・バイク、全然乗れてない。今日は講習会で青年部の一人がGL400に乗ってきて、こんなバイクがまだ実用になっている事に日本製品のすばらしさを見た気がする。GLってヘッドが多少斜めになってクロスフローしてるのな、合理的だわ。バイクに乗ってない理由だが、多忙もそうだが、少しでも不具合があれば乗りたくないというのがある。今はリアブレーキとキャブセッティングね。昔はバイクは乗れば乗るほど上手くなると思っていた。練習量が大事だと。しかし最近はバイクに関しては質より量だと思っている。質とはつまり良い状態のバイクに乗るという最低限の事である。ま、これでバイク乗りがまた一人見つかったので、青年部でツーリングでも出来たらいいと計画してみる。ビーナスライン→清里→山梨でワイナリーや観光農園巡りをして日帰りなんてどうだろう?思いつくだけでTZR250,GL400,ゼファー750,NS250R,スーパーセブンとVT250F(私)ぐらいは集まるし、他にも青年部以外のライダーがいるかも知れない。カブで来られると困るけど。
・例えばレーサーの人達なんか、すごい上手いけれど、単純に乗っている時間ならベテランライダーの方が長いだろう。それは乗り方や若さ、トレーニング意識の違いなどがあり、要は質が高いキャリアが速さに結びついているのである(もちろん、素質の高い人が残っているってのもあるだろうけど)。まあ、良い状態でも上手くならないバイクってのもあるとは思うけど、その逆はまず無い。
・今日はデラ二度目処理を終了させた。枝とかひでえ有様だけど、とりあえずジベついてれば後でなんとでもなるさッ!大粒種講習会で今後の管理も聞いたが、やっぱりベテランの園でも新梢の棚下線はあまり持たせられない・・・というか持たせてない。1スパンに7房とかで、これじゃ後々芽座が足りなくなる(基本12)気もすんだけど、うちみたいに15以上持たせると新梢の重さでひっくり返る(転ぶ)から、少ない方がいいのは確か。でも、どうせ減るとか考えると最初は15ぐらい欲しくなるんだよね。管理としては、大粒種のジベ二回目が7~10日後という事で、うちは12日にやっているのですでにOKと言えばOK。週間天気予報だと23日が晴れるから、そこらへんを目安にと言われたが、引っ張りすぎると肥大は良いがブルームが落ちるのだそうだ。ただ、荒摘粒をしてないので、明日明後日荒摘粒でもいいかなー、消毒もそれだと10日もつはずだし。このジベの二回目の適期だが、デラでもそうだが、房と相談出来るようになってきた。以前は日にちを機械的に追いかけていたのだが、園によって生育が違うので、引きつけた方がいい場合、そうでない場合がある。もちろん揃ってないという問題もあるけど、一回目のジベ処理である程度は揃ってきているはず。目安は粒の横サイズが9㎜だそうだ。あとは消毒との兼ね合いだな。この時期が一番消毒が頻繁で大変だ。デラも二回目ジベはかなり引きつけており、24日~29日に一回目やったから、今年の間隔は22~27日である。それでも調子がよい園の20日目よりはるかに小さい房に処理している。もう一つ、今年まだ作るなら覚えておくべき点だが、デラが病気になる原因は房の皮の傷であり、その原因は虫だろうと思っていたが、今年のように誘引してないと棚線とこすれて痛んでいるのも目立つ。まあ棚上である以上ゼロには出来ないのだが、やっぱりデラは難しいわ。
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2013/06/20 21:54:51
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