2014年12月19日
暗渠の本
・農文協の「農家にできる暗渠排水」てな本を借りてきたのだが、基本は水田で、応用として転換畑(大豆とか小麦)がちょっと出てくるだけで、果樹はわずか半ページだった。200ページの中そんだけかい!って感じだが、それでも面白い事書いてあった。普通の暗渠は平地で水を抜く設計だが、傾斜地が多い果樹だとそもそも排水はいらないであろうと。しかし土壌改良材を入れるとそこが水たまりになって分解が悪くなるから、山側の崖の下に横に暗渠を掘れと。そして、傾斜の下に向かって補助暗渠なり土壌改良なりを行え、本暗渠は別に水を抜くような凝った配管はいらない、ただの石を入れるだけでもいい、みたいな感じだった。ただ、そうすると傾斜の下側は当然本管より高くなければならないわけで、本管の深さがえらい深くなってしまうんだけどね・・・誰だよコレ書いたの。他にも図や実験データーは豊富だが、ともかく見づらく農家が自分でやる時にこれ参考にならんだろって気がした。大体、傾斜地だから水が出ないと思っている時点でなんというかだが。
・土壌診断も届いたのだが、圃場名が間違っているのがあって少し困った。予定作物がプリセットの物しかないらしく、混ざっちゃってる。幸い、どっちも同じような数値をはじき出したので間違えててもかまわいのだが、今度から混同されないように補助記号振っとく必要があるな・・・と思ったら、完全に数字が一緒。つまり一つのサンプルを無くして同じデーターを作物名前だけかえて2枚寄越した。おいおいおいおい、農協さんよぉ。結果だが、全般的に燐酸多目、苦土が標準でカルシウムが過剰、カリは普通って感じだった。よく燐酸は鶏ふんのやりすぎと言われるのだが、PHが低いと鉄やアルミと結びついて利用されない傾向があるから、あんまりアテにはならない。他は大抵の所はPHが高く、ECは低くCECは標準って数字が出た。でもカリや燐酸が多いので、窒素の残存量は低いであろうというのがお見立て。
個別園から。巨峰園は水田転換園で圃場整備前のザル田という事もあり基質土壌がシルト系の砂っぽい所である。なので腐食も3,3%と低くCECも低め、要はお腹がすきやすい土壌という事が分かる。PHが7.2と中性付近なのも日本の土壌としてはやや珍しいというか、この地区は全体的にPH高い気がする。それがブドウにいいのかも。カリも少ないので硫酸カリで酸度補正とカリ補充がキーかな?苦土も若干少ないので、光合成のために入れた方が良いかもしれないし、もっと草生栽培や堆肥で腐食の増加を図る必要がありそう。
雨よけデラ園は見た目すごいゴージャスだったのに、数字で見ると痩せている土地だった。ほとんど全ての数字が標準の値で、燐酸のみ妙に多いくカンストである。巨峰園は燐酸が多いと言っても標準が40の所140ぐらいだから3,4倍程度なんだけど、ここは450と11倍もある。おかしいい。カリも若干過剰なのでマグネシウムに吸収生涯が懸念される。堆肥を沢山入れたと聞いているが、CECは適性なのにECが低い。腐食は4.4と元から畑土だった効果が感じられるから、もう少し肥料を入れればバランスは取れる。でも昨年もかなり枝が伸びて苦労した土地なので、果たして分析結果通りにやっていいものやら。むしろ巨峰園の感じからすると、多少痩せている方が良い感じなんだが。
今年全滅したデラ園は私が一番長くやってる園で腐植も多く入れてきたのだが、山土だからか3,8とやっぱり5%に届かなかった。ここもECが低く養分が足らんと言う結果が出ている。まあまあバランスが取れていて、一応苦土をもう少し入れるかと言う程度。燐酸だけはやっぱり多い。
最後に山羊園、ここは今はパープル育苗中だが開いている土地で、一番最初に借りた土地である。腐植はやっと5%を超えて雑草多かった効果が出ている、あんま嬉しくないが。全滅デラ園と同じ山土なのにたいした物だ。お陰でCEC,ECも高い数字があり、PHが唯一5を切って極端にPHが低い。苦土が少なくカリ過剰でカルシウム的にも中和されてるのか?って気もするが。同じような土地だと思っていたのに全然違ったのは驚き。
・ニュースでアキアカネなどトンボの減少とある農薬の相関関係が指摘されていた。それはフィプロニルという神経阻害系農薬で水田の稲の苗の殺虫に使われている(商品面はプリンスって名前がどっかについているシリーズ)。確かに以前はアキアカネって道路に車のタイヤの跡が分かるぐらい大発生していたのに、最近見ないなぁ。こいつとイミダクロプリドというネオニコチノイド系の一つが原因物質じゃないかと言われている。イミダクロプリドの方は果樹で使うアドマイヤーの成分で、こっちはミツバチに影響があるのではないかと言われている。どっちも遅効性でジワジワと効くと言われている。フィプロニル以前はカルタップという食害に作用する速効性の農薬が使われていたのだそうだが、面白い事に最近果樹でカルタップはパダンSGという農薬になって許可された。食入する蛾の幼虫に対する農薬としてなのだが、今年からの防除暦だとアドマイアーは特別散布(その病害虫の発生が懸念される場合に選択的に散布する枠)になって、パダンSGが標準になった。農協の説明としては特別散布と通常散布両方がアドマイアーだと抵抗性誘導の危険があるからと言う話だったが、パダンSGの方が環境にローインパクトという判断があったのかも知れない。ただし、パダンSGは結構高い。アドマイアーは相当高いが、濃度が1万分の1と低濃度で効くのでなんとかなった。パダンSGは1500倍と並の濃度なので、300リットルだと200g=1500円ぐらいである。アドマイヤーは300リットルだと30gなので400円とかそんなんだと思う。環境のためにはパダンSGってのは分かるんだけどさ・・・ちなみに、どっちも指定劇物だったかな?
パダンSGの使用上の注意としては、入られないようにしっかり付着させる必要があり、幹など入られる部分だけ選択的に散布してきた。回数も割とある。ただ果実に付けるような使い方はしてこなかったし、そこらへんどうなるのか(安全性は我々には計り知れないが、果粉要脱とかそっち)が不確定要素かも。短梢だと多少の食入は怖くないので、スポット散布の方がいいんだが、他のと混ぜての散布だとそうはいかないか。
・仕事は午前中に農協青年部が管理している小学校のブドウ園の剪定と講習会で、11時すぎまで残ってやってたら天気が悪くなって山羊の世話したら強い雨が降ったので仕事無し。昼寝したら、時雨(艦娘)がケーキ屋で10段ぐらいの巨大なケーキ(結婚ケーキじゃないが)を買うのを手伝う夢を見た。おまえ、よくこんなの食うな。
・高所作業車の「古いセルシオ」、オークションでウォッチしてたら25万開始の55万即決ぐらいで、ずっと35万ぐらいで最低落札価格割りで最出品されていたが、やっと落ちた。45万だった。高いナー、やっぱり人気なんだなー。
・ヴィラデストからまた案内が来た。結構買ったからか、前の見学でなんか残したっけ?一度レストランで食事したいが、飲むためには電車で2時間タクシー10分、交通費だけで4000円はかかる。またワインだけ買うかな。
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Posted at
2014/12/21 11:45:09
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