2015年04月19日
トラクターの尾輪の修理
・探していた1ポンドハンマーが突然帰って来た。まあ元が私のじゃないので偉く言えないけど、こういう事あると自前で持ちたくなるね、倉庫と工具。さて、ハンマーで殴ってもびくともしないので、念の為反対側から殴ってみたらゆっくり抜けて来た。二列ベアリングのセンターに入っていたスペーサーは「スナップリング」だった模様。なんか耳が腐ってもげてて分からなかった。外れたと言っても、最終的にはアウターレースが割れて外れたので、割ったと言うのが近いかな。
さて、外したベアリングの計測だと、使っていたのは6004ZZ、ごくごく普通のベアリングで対応スナップリングもオイルシールもすぐ見つける事が出来たが、キャップはヘビーデューディー仕様のは見つからなかった。まあ、再利用出来ない訳じゃないし、こっち側からの泥水の浸入はなかったからいいか。問題はオイルシール側である。外径42㎜はいいとして、内径はガバガバだから分からない。そして驚くべき事に、シャフト側も綺麗に磨き削られていて分からなくなっていた。残っている部分から察すると24㎜なんだが、規格上そのサイズはなかったので、25㎜だっったのかも知れない。厚さは10㎜だ。
さて、修理案としては、ベアリングをLLUにしてオイルシールは25㎜で組む事だが、どのみちオイルシールは仕事してないので使い回してもスペーサー以上の仕事はしてくれてないとは思う。それより問題は、なんでこうなったのか?である。原因と結果がどっちが先なのか分からないのだ。オイルシールはダブルリップの良い製品だったし他の部分に穴はない。しかし、シャフト側がひどく摩耗してシール性能がなく、結果ベアリングが錆びてガタが出た、と考えるのが一つ。もう一つはベアリングにガタが出たからこんなひどくシールがダメになっていたのであり、摩耗は結果であるという考え方。どっちでも同じように感じるが、対策上違いはある。摩耗が原因だとしたら、シールを砂塵環境下で使う事自体が間違いって事になる。摩耗が結果なら、シール頑張ればもっと使えるのか?とも考えてしまう。それによってもう片方の修理案もかわってきそうな、どのみちもうダメになっているような。シールだってそれ任せではなく、一応シャフト周辺にカバーがあるので、シバウラにしては真面目な設計だ。
さて、普通の工業製品、バイクだとそこどうなってるのか?覚えているので思い出して見た。まずベアリングとオイルシールの組み合わせ、つまりホイール側は同じ事が多い。しかし、オイルシールが接触するシール部分は段差付きのシャフトではなく、スペーサーのパイプをシャフトに通している事が多い。このスペーサーをオイルシールの摩擦で削っている事もあるけれど、今回ほどガタガタになっている事は普通ない。ただ、スペーサーが一緒に回っているのかと言うと、普通はシャフト締め込む時にインナーレース側と共締めになるので、一緒に回っているんじゃないかな。位置が高いので汚れが入りづらく、まして水没させて使う訳でもないので、トラクターの尾輪が苛酷なだけなのかも。
・共立のモーター動噴修理した。こっちは割と精密機材で苦労した。故障箇所はプランジャーの付け根、エンジンで言えばスモールエンドとピストンピンの間にガタが出て圧力、送水量が無くなる問題。分解してパーツまで拾ってきてあったが、面倒で修理してなかった。暖かい雨の日だったので、思い切ってこっちも修理(てか、もう使う時期です)。ばらしてはあったけど、逆にパーツ見てもどれがどこだったっけ?状態。まあ、数が少ないので、色々やってたら思い出せた。問題のピンは太い物に打ち替え、スモールエンドにはブッシュを入れて詰める作戦。ピンが6.9㎜、スモールエンドは8㎜近く楕円に伸びてたので、7㎜のピンを入れて9㎜に拡大した穴に内径7のテフロンコートブッシュを入れた。大変だったのは、ドリルセットだとやっぱり7㎜って書いてあっても、あく穴は6.9㎜だったり安定しなかった事、久々にボール盤出したのだけれど、結局ガリゴリと雑な穴の拡大とかやってしまった。あと、ボール盤、ベルトプーリーの表記位置が逆で、最初太い奴を超高速で回してしまって一瞬でかじりついた。遅い分にはまあ作業が遅いで済むが・・・それでもピンが結構きつい感じだったので、ピン自体をナイロンディスクらへんで磨いて細らせた。ほんと雑だが、以前のがとんでもない状態で回ってたから平気だろうと。またピンは圧入になったので、回り止め加工しないですんだ。
次にベアリングの打ち替えで、外す方は問題なかったのだが、入れる時にかなり苦労した。というのは、この機械、クランクとかコンロッドとか、あちこちを真鍮で作ってあって、とても柔らかい。それだけなら嬉しいんだが、製造時か外した時か、ともかく圧力で全体に歪みが出やすくて、ベアリングがなかなか入っていかない。頑張って叩いてたらシールドプレート曲げちゃって動きが渋くなるとか最悪ですがな。
他のパーツもフェルトディスクとかいろんな物で磨いてグリスアップして組み直しです。最初「こんな形状、どうやって入るんだ?と思っていたのですが、全バラになってればさほど苦労せずに組み直しは出来ました。まあ、モーターシャフトに入れるのは苦労しましたけどね。キーブランク、よくあんなのに入ったわ。
テストしてみると絶好調で、異音もなくスムースに作動します。空気でも圧が掛かるぐらい。せっかくばらしたので、他の気になっていた所もなおしました。一つめは圧力調整ボルトで、これは受け取った時から目一杯締め込んだ状態固定で、別にそれで変化はありませんでした。圧は3キロぐらいですね。上の不具合が潜在的に存在して能力が低かった事もあるでしょうが、直ったら圧を下げないとならないかも知れません。って事で分解しました。他のもそうですが、圧力のリリーフ弁を押しつける力で圧力を調整している訳ですが、これがネジを緩めても固着していてリリーフ弁が開いてませんでした。内部の一番上にあるインナーパーツのかじりつきで、何度も修正してちゃんと動くようにしました。もっとも、リリーフバルブは座面の部分がかなりえぐれているので、そんなに変わらないかも知れません。アルミなので弱いんですな(さらにそれを高圧で押さえつけてあるからなおさら)。
もう一つは圧力計で、これはポップアップ式の物を採用していますが、これが20kgあたりで固着してます。分解出来ないと思っていたのですが、ネジ山があったのでひねったら外れました。構造はシンプルなバネの反力で計るタイプで、作動不良の原因は薬液と接する部分の腐食でした。そこが太って引っかかるので、どんどん表示が上に行っていたようです。修正してそこそこ軽く動くようになったのですが、くみつけてテストすると、すぐに10kgがゼロ点になってしまいます。色々触った結果、スプリング自体がずっと押されていてへたってしまっていたようなので、ボルトでプリロードかけてゼロ点には落ちるようにしました。という事は10kgはまた信用ならないのですが、どのみち圧力計は私はほっとんど見ません、
それは散布圧にルーズな訳ではなくて、一応気にはするのですが、ホース引っ張ってると、一番重要な先端圧が読みたい。ポンプの圧は参考値程度ですし、手散布の場合慣れてくれば反動や霧の細かさで「大まか」な圧力は分かります。ポンプ側をちょっと上げておいて、手元のコックで微調整するので、こまめにポンプで圧力調整する事はありません。
今回の修理で一番の収穫はですね・・・あのポンプ、グリスアップ出来ない設計ダメじゃん!って書いたんですが、ポンプの裏側にちゃんとグリスさせる穴があいてました。ニップルとかではなく、ほんとタダの「穴」です。一年に一度ぐらいは給脂したいですね。また、裏側に赤文字で「平成14年4月吉日」と書いてありました、建物か!私には平成14年に新品で入れたようには見えないんですけどねぇ、中古でもらった記念なんかなぁ?」
・機械整備でハンマー降り続けてたら上半身の筋力がついてムキムキしました。最初、ハンマー安定しなくて怖かったもんな。他に挿し木の管理と最後の作成に入りましたが、2日ぐらい水に入れておいても末端部が乾いてたら全然中には水が入ってませんでした。という事で、給水させるなら一度切らないとダメですね。
・明日、明後日も雨などの予報なので、倉庫片付けとか機材準備する予定です。
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Posted at
2015/04/19 19:16:38
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