2015年10月21日
TPPと関税
・もうね、自民党やそれを傀儡にしている官僚はほんと嫌になるわ。阿部という個人は資質的に見てもここまで大きな事をやれない看板だから攻撃しようとはもう思わないけど(阿部さんの個人的な問題とは別だから、手法的には批判もあるけど)、俺はもう日本にこんな売国的な行為を喜んで行っている人達がいる事が信じがたい。
さて、関税撤廃が自由貿易促進で国益に敵うという話があるのだが、あんまり人が触れない問題に「関税って税収じゃないの?」という事がある。今、TPPでは関税は障壁(ガード)としての側面ばかり述べられていて、実際これが税金として使われているという事は聞かない。これだけ輸出入していれば、それなりの税額になるだろうと思って調べたら、多少の上下はあるが、おおよそ税収の2%という数字が出た。最新の統計だと26年度の税収は54億円だったので、大体1兆円ぐらいが関税の収入である。1兆円がどのぐらいかと言うと、消費税が1%で大体2兆円になっているので、0.5%は関税になる。
単純に貿易で見れば相手国も関税を下げるので輸出入のバランスはある程度取れる、というか取れなければ本来は貿易を制限するのが本来の国のシステムだ。しかし、その利益を得るのは輸出業者、あるいは輸入業者であり、国内産業はメリットは受けない。というか、国民は単純に税金が0,5%減る穴埋めに余分に税金を払わなければいけなくなる。ま、企業様や上級国民様はもう何を言っても無駄なので特に何も言わない。問題は大多数の有権者だ。
「生活物価が下がるんだかいいんじゃないか?」という声があちこちで聞こえる。あと「農家は補助金を大量につぎ込まれているんだから不公平だ」という声もな。まず生活物価問題についてだが、短期的に見れば「下がる」だろうよ、TPPの成果として国が逆ざやを払っても物品価格を下げるはずだ、短期的にはな。たとえば小麦なんかは政府が調達しているので、小売りが日清だろうが日精だろうが元は政府売り渡しだ(ついでに国産小麦も政府価格が調整されている)。最終的に消費者物価も下がるだろうが、本当に輸入業者が免税になった輸入材量を正直にその分安くするだろうか?まずしないのがこれまでの経験則だ。何しろ競争相手がいないんだし、いっくら高くたって生活必需品に金は惜しめない。例としてLNGを挙げよう。これは免税でもなんでもないが、日本の調達価格が狂ったように高いので火力発電コストが高く付き、結果電気料金が原発以前より高くなったのは経験しているだろう。これは電力会社が燃料調達コスト増を全部消費者に押しつけられるサーチャージを認めさせたからなんだが、要は自分達の腹が痛くなければ別に努力なんかしないでいいと思っているからだ。
「それでも生活費は下がる」と思っている人がいるだろうが、今度は一番うろんな年金生活者、お前らは遺伝子組み換え農産物食べても寿命に影響はないだろうが(別にGMそんな危険じゃないだろうし)、年金は物価スライドを受けているので受給額は必ず下がる。むしろそこらへん狙っているんじゃないかとも思うが、これで社会保障費も下げられるので、政府としてはどっちに転んでもおいしい。大体インフレターゲットでやっていきている国が、なんでデフレ政策になる関税撤廃なんてやってるのか、本末転倒である。インフレ時に自由貿易で物価を下げるのなら分かるが、未だインフレ目標未達成なのに。
「農家があぐらかいて補助金を受け取っているのがけしからん、競争社会の厳しさをお前らも味わえ」という書き込みも最近見るようになった。出所は推測つくが言わないけど、それを再生産している頭が軽い人達も多いので実際の金額を書いておこう。大雑把な数字だが、アメリカの農家が受けている主要農産物の収入への補助は5割だそうだ。生産コストが販売コストを上回っているので、補助金をガブガブつぎ込まないといけなくなっている。え?全然主要産業じゃないじゃん!具体的な予算額はアメリカは年間10兆円以上で生産額は17兆円、日本は予算3兆円で生産額7兆円だそうです。これだけ見るとアメリカの補助金依存率は1.7、日本は2.3になるので、日本のが農業予算を取っているように見えますが、農産物収入への補助で見ればアメリカ50%で日本は(ならすと)15%だそうです。ちなみに、私が農産物で補助金を直接受け取っている物はなんにもありません。米農家さんはそこそこ受けているみたいだけどね。
作るほど赤字で税金を浪費するアメリカの農産物をどうして輸出とか言うのかと言うと、こりゃもう過剰生産分を輸出する事で農産物価格を上げたいからなんでしょうね。アメリカ政府にしてみれば、あっちこそ本当に農家は金食い虫ですが、もう競争競争アンド競争でアメリカの農家ってのはもう人口の2%だったか担い手が存在しません。まあ不法労働者とか使って労働力は確保出来るんだろうけど、これ以上叩くとマジで誰も農業やらなくなって国土荒廃しちゃう。かと言って農産物価格を上げるという国内政策はアメリカにはない(日本は減反政策時には米の価格を高くして政府が買ってました、ああいう事です)。農産物価格を上げるには国際市場でどこかに高く売りつける必要があったのではないかと思います。でも、政府が再生産価格を維持する金はらって作ってる奴なんか、他の国なんか誰も受け取りませんよそりゃ。自由貿易の大前提として不正なダンピングとかは論外でしょ?でもアメリカは悪びれもせずダンピング農産物を押しつけようとしている訳です、アホかと。つまりですね、「政府の補助金を不公平に受けている農家憎し」ってのは、お前それアメリカで言えんの?って事ですよ。まあ日本国内に限ってブラック企業で何の補助金もうけず底辺生活している政権支持者の方々には同情しますけどね。
・Low-Eがらみで調べたり測定して色々分かった事。まず一番知りたかった事に「反射率と遮蔽係数」がありました。住宅用の既製品のLow-Eガラスには反射率の表示がありません。ただ、製品になった時にどれだけ熱を遮れるかが書いてあって、おおよそですが半分は反射しているんだな、という事が分かりました。単板が100だとするとペアが45%、Low-Eが25%前後になります。なるほどーと思いながらミラーフィルムを見ていたら、可視光透過率35%のフィルムがまさに同じような遮蔽係数になっている事が分かりました。ま、実際明るさなど見てLow-Eガラスは35%かそれ以上でしょう。それじゃあうちの15%タイプの遮蔽係数はと思って見ると、おおよそ28%でした。単板ガラスで28%になるのは大変魅力的です。まあペアガラスの28%と単板+フィルムの28%はまた違うだろうとは思いますけどね。
このフィルム、私は1m×50cmで100円という不思議な安い製品を今年は多く使いました。0.5平米で100円というのは異常に安く、ダイソーでさえ200円商品です。しかし季節商品でもう入手出来ません。よく見るミラリードのカーフィルムも1m×2mの特大サイズが2400円なので、相場としては1200円/平米が底値って感じですね。ネットでも小売りはそれが精一杯で逆に高いのは無駄に高いです。30mぐらいまとめ買いすると700円ぐらいに下がるのもあるので、それを使うのも手かも知れませんが、30mはなかなか使い切らないし、磨りガラスには使えないという弱点があります。玄関や風呂場などは磨りガラスなのであとは二階の3面がおおよそ1.3×6=7.8平米。他にはツインカーボにさらにミラーフィルムを貼る手もありますが、ポリカ板で見た限り樹脂は収縮が激しくて追随しない所が剥がれる恐れはあります。水貼りするタイプなら結構強固にくっつくので平気かも知れませんが。あれが玄関で1.8×2で3.6でしょうか。ただ、室外型につけるフィルムは遮蔽係数がそれほど生きないかも知れません。
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2015/10/21 23:24:28
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