2016年08月08日
アニメと町おこし・仕事あれこれ
・ガルパンのプロデューサーが大洗の町興しとアニメとの関係について「アニメにはまちおこしの力なんてない」という大胆だけれど実感のこもった長いインタビューを受けていて、またしても「地方活性化」について大変刺激を受けた。ガルパンによる大洗の宣伝効果は昨今ではダントツで高い物だと思われているが、経済効果という話がないと思ったら、最初の時点で「経済効果とアニメは完全に切り離しましょう、行政もノータッチで」という事でロケの許可を地元商工会と取ったため、経済効果を計測してないのだそうだ。なんでそうやったかと言うと、経済効果を盾に地元の協力を取り付けるとへんな事になる、アニメも作りにくくなるし見返りも設けなければいけない、特に行政絡みのトップダウンはダメという経験や見識があったのだそうだ。ここらへんはまさに今の「トップダウンの地方活性化策」の悪い点を認識しておられた慧眼に感服する。「アニメの効果は限定的で、しかもコア層が限られているので、効果があってもすぐ消える。アニメも地元もお互いよっかからないようにしよう」というのが印象的だった。まあ、そこまで突き放すと地元としては「別にアニメの舞台にしてもらわなくても」って感じになると思うのだが、大洗の場合もとから観光地としてのホスピタリティーが高かったので、ガルパンをいい意味で利用してもらったと言う所らしい。それは一方的な話ではなくて、ガルパンのイベントに無償で協力するなど地元の同意もあっての話だが、お互いがイーブンの立場というのを守ったというのが大きい模様。大人だなぁ。
もう一つプロデューサーが良く述べていた点として、「ガルパンはファン層の年齢がアニメとしては高く社会的常識をわきまえていたのが大きい」という指摘。聖地巡礼やイベント事ではよくマナーの悪さが問題になる。昨今だとポケモンGOでの歩きスマホ・深夜徘徊やゴミのポイ捨てなどが社会現象のようにネガキャンされているし、実際そういう場面も見た。決して全員ではないと思うし、若い人がマナーが悪いとも断言できないけれど、ガルパンファンは結果論的に見てもマナーが良かったので地元との軋轢がなく、逆に商売っ気がない地元のグッズに理解を示してくれていると(経済力があるというのもあるだろうが)。こういう大人の趣味としてアニメが支持された結果の大洗・ガルパンであり、「アニメとタイアップして大々的に宣伝して客呼んでグッズ売って儲けたれ!」というコンサル企画がいかに浅薄かと述べている。あ、浅薄と船舶かけて艦コレのカフェの批判をしている訳ではありませにょ?あれ酷いよな・・・あれだけ大きなコンテンツなのに、アニメの私物化以降急速に萎んでいるよ。
改めて要点をまとめると、安易なコンサル頼みの分かりやすい構図に乗るな、という事だと思う。いや、もっと重要な事が「ガルパンと大洗」に関してはあると思うけれど、一般化するという意味だと「自分で考えてうごけ」という事になると思うの。例えば行政を使わないとダメな種類のアニメもあるかも知れないし、やっぱりバカの一つ覚えみたいな経済モデルが当たる可能性もあると思う。次々とロケが来るなら、一発屋的なぼったくりで瞬間的に受ける事を考えるかも知れない。アニメだって実年齢向けの作品は少数、というかガルパンいうほど高齢者向けか?って気もする。そこらへんはプロデューサーからの「こうあって欲しいアニメファン像」の提示だったかも知れない。
ただ、映画ロケ応援による経済効果、というのはほんと少ないと私は感じる。うちの地元は割と映画ロケの応援をしていて、近年でも「山岳物」「恋愛物」「学生青春物」などが作られたが、それによる聖地巡りも少ないし、舞台になったお店でも話になったのは1年こっきりだった。コンテンツの消費スピードが上がっており、ガルパンのように映画もやって話題が再び戻るような幸運な例外は無い。じゃあやらないでいいのか?と言われると微妙なんだけど、正直「巨大な製作会社がノルマのように作っている作品」は飽きられるのも早いように感じる。知る人ぞ知る程度のアニメのちょっとしたカットになった所が未だに聖地扱いされているのを見ると、当然ながら「コンテンツ側の姿勢」が大きく問われると思う。
さて、それでもアニメで地元を売りたい場合なんだが、一つ感じるのは地元サイドに受け入れられる人材を常備しておく必要があると感じた。ロケに関しても資料集めに何度も通うには首都圏から近距離にある必要があるという理由だけで大洗が選ばれた経緯があり、「アニメ制作スタッフ経験者が一人地元にいる」ってだけで大幅に敷居が下がるだろうし、話も通しやすくなる。もちろん、その人材が地元にも広い人脈を持つ必要があるし、なかなかコストメリットは出ないかも知れないが。あと「経済効果」というのは本当にあれやらない方がいいんだなと感じた。地域再生の失敗学であれの算出方法が紹介されていたが、いかにいい加減で実態がなく、コンサルの説明や行政の怠慢の道具になっているか分かるからだ。それは「地域再生が所得向上であるべき」という事と一見矛盾するが、実際には全くリンクしてないんだから、ヘタに気にした方が負けみたい。
・ミニキャブのクラリオンのスピーカーだが、エージングが進んだら、とても気持ちよく鳴り響くようになった。最初の頃のカッチリとした感じじゃなくて、少し柔らかい感じで、とっても抜けがいいサウンドを奏でてくれる。FMのクラシック番組(ショパンの曲集だった、もしかして最近亡くなられた中村紘子さんの演奏か特集だったのかも知れない。地元のFMなので番組表に詳しく書いてなかった)とかで、ピアノの音がバッサバッサと出てくる。まだデッドニングもしてないのに大した物だし、このユニットはとても良いのが分かった。見た目は何も変わらないし、素材的にもそんなエイジングの影響を受けるとは思えなかったのだが、これはアタリだ。
・空調服の配線が断線した。今回のはUSBタイプの方で、片方のファンのみ止まるので故障箇所も特定出来るのだが、それにしても相変わらずこの手の商品の耐久性の無さには呆れる。どうして人が装着して使う物に、電子工作用のケースに固定して使う物と同じサイズの配線を使うのか。壊れてくれといわんばか・・・そういう事か。
さて、今はいい時代になってUSBコネクターの自作用はいくらでも手に入るので、電源側コードを作る事は問題ない。むしろファン側コネクターがこれまた非分解かつ特殊サイズなので困るが、こっちは逆にファンに固定してあっても全く困らないので、ファン分解してコード直結にしてやろうかとも考えている。ここはちょっと特殊な事情でコネクターを使って設計されていたが結局無駄だったからだ。
どういう事かと言うと、空調服はファンを服の外側から差し込んで内側にリングを入れて固定している。まぁ、このリングはちょい問題なのだが、ともかくコネクターが必要なのは「外側から差し込む」という事に起因していると思う。しかし、実際は布地は変形するので、リングで固定してない状態だとファンは内側にも外側にも外れる。もちろん外側の方が楽なのだが、内側から絶対抜き差し出来ない訳でもない。
まあメーカーとしてはリングをコードにあらかじめ入れて置かないと挿せないし、接点増やした分はコストをお客に請求できるからどうでもいいんだろうけど、顧客としては壊れやすく脱落しやすいコネクターなんか無い方がマシ。特にコピー品に関してはモーターもあまり信頼性がないので、コードがダメなら諦めるぐらいでいいんじゃないかな。
・夜間作業はすごい楽だが、やっぱり人間のバイオリズムというかサイクルからすると非人道的で、そう長期間このサイクルでの生活は体調を壊しそう。体調と言えば保冷剤による局部血液冷却もやってみたが、冷えるほど冷やすとちょっと凍傷というか危ない感じになるし、タオルに包むと冷えている感じがしない。それに上手く体に密着させておくのが難しいのだが、一つ便利な方法を見つけた。それは薄手の靴下(私は軍足)に保冷剤入れて首の背中側に挟むやり方で、靴下の摩擦が高いのかほとんどずり落ちないし、冷たさの度合いもなかなか良い。快適って程でもないが、脇の下に挟むよりは楽な感じがする。もちろん、靴下包みは脇の下に入れる場合も有効だけど。ただ、この手の方法は思っているほど体温は下げてくれない気もする。確かに血流の温度は奪ってくれるが、それ以上に「体感的に神経系が温度を感じている場所」を冷やしているという要素が多いかも。
あと、靴下包みにすると、二つを結ぶとちょうど首の左右を挟んで冷やせるのが良かった。首の真後ろ自体は背骨なのでそこまで冷えないし。ただ、空調服の不調で空気が絞られると首から抜ける風が減ってしまう。好調な時は首がさらに冷えて気持ちいいんだが難しいもんだ。
・ミラーフィルムの効果の続き、今日も予想気温は36度とか言っていたが、現状は33度止まりで、風があるため外は比較的過ごしやすい。が、家の中の温度は気温だけではなく日射の影響がかなりあるので簡単に判断できない。それにしてもミラーフィルム貼ってからの温度低下は目を見張る物があり、午後一時ですら27度にしかなってない。ほぼほぼエアコンレスで省エネ運転のエアコンの温度と似たり寄ったりを維持している。昨晩から早朝は冷えたので冷気を取り込んで室温が24度ぐらいまで下がっていたのもあるけれど、それにしてもすごいなぁと。
で、改めて熱について考えて見たのだが、冬の断熱と夏の遮熱は条件がかなり違う事に気がついた。冬の場合、室温18度で外気温が日没後は0度付近からマイナス5度ぐらいまで下がる。時間にして夕方5時から朝10時ぐらいの17時間ぐらいだろうか?その時は当然だがうちのようなボロ屋は室温も10度以下にはなる訳だが、この時の室内と室外の温度差は18度~23度にもなる。壁や換気、窓などから熱がどんどん逃げる訳だ。
一方夏場は昼間10時~15時の温度は30~35度にもなるが、室温は27度らへんでも温度差はわずか3~8度と、冬場より全然熱負荷は少ない。もちろん18度あたりを目指すとなると温度差12~17度と結構きつくはなるが、それでも冬よりは楽な訳だ。逆に言うと、たった3~8度の温度差で冷気が抜けちゃうか、熱が侵入してくるとしたら、よほど断熱が足りないか、断熱では遮れない種類の熱の入り方という事になる。うちは冬場でもある程度は保温が効くので前者ではありえないから、必然的に後者、そう「赤外線など熱線による熱侵入」が一番大きかっただけなのだ。
さて、もちろんこれまでも葦簀なんかで熱対策はしてきたし、昨年は自動車で使っているミラーのマスクも使ってたりしたが、ここまで効果が無かった。で、熱の入り方についてミラーフィルムを貼った後で感じた事なのだが、「直射日光はもちろん暑いが、そうじゃない熱線が相当量ある」。軒下や時間的に直射日光が当たらない場合でも、ミラーフィルムのありなしで全然違うのだ。特に赤外線の放射は方向性が無いので、周囲に物があれば赤外線で炙っているような物だから、ミラーによる遮熱効果がすごい出る。
もう一つ、一階の台所が今年はやけに涼しいと思ったら、昨年扉を自作して断熱材詰めたのが影響していた。その外は倉庫だったのだが、倉庫は相変わらず暑い(屋根は白く塗ったので多少マシになっているけど)。そこからの熱が以前はアルミ扉で室内にダダモレだったのだが、断熱扉にしたので全然気がつかないようになっていた。
・仕事はやっと朝出荷して昼間収穫出来た。ただ、ブドウがしなび気味なので、もう少し早い時間に収穫したい。またシャインマスカットの苗は早い枝だと隣りの棚下線まで枝が伸びてきていた。ここから左右に伸ばせれば来年そのまま使える。また、暴れている枝が多いので結局一文字的な枝もそこから取る事にした。一つやっていて思いついたのだが、「一文字枝が強くなるのは幹に近いから」である。棚上で分岐する枝より下から取るからだ。しかし、実は棚上の分岐はより「下」から取る事が大粒種だと普通に行われている。今回はないが、それこそ1mあたりから分岐している木はザラにある。
という事は、棚上枝はより下で分岐させて出しておいて、棚下一文字はその上の分岐から取れば多少は負け枝を解消出来るのではないか?という事を思いついてやっている。というか結果的にそういう分岐の箇所が出ただけだが。一方挿し木した台木の生育はとても悪いままだった。袋に入れた時に養分がない層を大分天地返ししちゃったのと、袋に入れて戻した時に土を戻さなかったので水分が上手く取り入れられなかったのと、除草に手が回らなかったのがいけないのだろうと思う。雑草はトラクターのお陰で比較的少ない状態が維持されていた。
選果スペースはラティスの日よけにキャスターを付け、ガイドも付けて簡易扉にし、サンシェードで日光を遮れるようにした。ほんと朝日が横に入るのは作業しづらいし熱が辛い。また天井にアルミ蒸着マットしいて日光を遮っていたが、ここも延長した屋根全部を覆った方が良さそう。部分的に明るいのが逆にまぶしいし、日陰はかなり熱的に楽になった。と言ってもブドウを日中外に置いておく事に抵抗はあるがな。理想はやっぱり冷蔵庫補完だ。選果はデラで儲ける気はないのでパック作りをすごい簡略化して楽になった。以前は410gギリを狙って組み合わせに四苦八苦していたが、500g~550gにしたって房数が同じなんだから別にどうでもいいんだと分かった。そうしたら箱詰め時間は1/4ぐらいに短縮された。量があっても検品したら結構色違いで等級落とされるのがシャクだけど、まあ高い内に量出した方が、丁寧にゆっくり出すより経営上重要だし。
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Posted at
2016/08/09 02:33:20
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