2016年08月20日
久々に草刈り・今年も良い仕上がり
・仕事は出荷・収穫、昼間は相変わらず殺人的な暑さ。気温の数字を見ると昨年は8月の第1週なんて35度以上、中には37度の日すらあったのだが、お盆過ぎから天気が悪くて毎日30度行かない日ばかりであった。今年はコンスタントに32~34度って感じだ。ブドウはどんどん糖度が上がっていて、今日も巨峰とピオーネを試食したが、どちらもかなり美味しかった。粒の伸びも非常に良い。天気が悪い割に今年はちゃんと粒が伸びているのは早期に摘蕾したからだろうか?歯ごたえもあって最高だ。
さて、雑草対策が全然出来てないので、物置いてる畑からあちこちの園の周囲で立ち上がっているツル植物に除草剤、前使ったのは雨降られたけれどちゃんと効いているみたいで良かった。今年あちこち退治したので、逆に墓場から侵入してくる雑草が非常に目立つ。またパープル園はあれだけ中耕除草したにも関わらず相変わらず大きな草が多くて死にそう。
デラ園でも幼木の周囲の雑草が長すぎるという事で歩行モアで退治、鳥に突かれた傘が出てくるので心が痛い。ピオーネ園は割と簡単に草が刈れたが、孫生りがまた大きくなっていて少しとった。巨峰園も最低限歩けるだけ刈って、とりあえず消毒と孫生り処理をしてから本格的な草刈をしたい。明日は台風で雨が降るらしいのだが、収穫休みなので除草にあてたい。というか、今日除草したので出荷準備が全くできてない。夜中頑張って明日は午後はお休みかな。シャイン園はちょっとベトっぽい所があったので、ずっと前のボルドーの残液でとりあえず処理。ボルドーは薬液調合してからも別に性能は下がったりしない(分解されない、例えばICボルドーなんかのプレミックスも同じ)のだけれど、中身が沈殿して濃度が下がるのが問題。暗くなるまで作業して疲れた。
・明日は朝一で出荷してから、出来れば爺さん・巨峰園・パープル園・ピオーネのボルドー消毒やりたい。ただ、雨は9時から12時の間に振りそうだし、風が出てたらドリフトが問題でしたくない。一応そろそろボルドーという程度の話なので、無理なら延期する。
・筋トレは暑さでサボりがちになりながらも少しずつやってる。体重はあれからほとんど増減無しで、良かったのか悪かったのかという感じだが、体脂肪率もほとんど変化なかった。でも筋肉は確実に衰えていて、同じウェイトでも簡単に上がらなくなってる。腰だけは注意しながら少しずつリハビリ。でも、まだ筋肉を動かしている感覚が掴みづらく、ゆえに腰にも無駄にダメージがはいってしまう感じもする。特に落下でダメージを受けたのは腰椎より上の胸椎に近い場所なので、無理させてると胸椎側が痛くなるし、そこかばいすぎると普通に腰椎の痛みになる。
少し気をつけているのは、ネガティブワークはゆっくり、ポジティブワークは極力速くという事。たとえばスクワットだと「持ち上げる」という事に意識がいきがちだが、登山なんかすれば分かるように辛いのはむしろ下りである。「力を入れながら伸ばす」という事は筋肉に一番ダメージを与え、それだけ超回復しやすい。しかし、人間はダメージを受けたい訳ではないので、ネガティブワークのブレーキを関節や靱帯なんかに任せてしまえる。スクワットで言うと、踏ん張ってしゃがまなくても、力を抜けばしゃがむ訳で、余程重くて潰れない限りはボトムエンドで自然に止まる。アームカールなんかもネガティブワークで止めなくても、脱力してだらりと下げれば腕が下に行って止まる。むしろ、そうやってボトムエンドまで加速度的に落下させると、靱帯などの反発で次の動きの始まりになるので楽だったりする。でも、それは筋トレにならんのだ。
・親のボケが進行していて、最近は会話が成立しなくなったり、突然自分が間違ってるのにこの家は自分達が建てたから文句言うなとか言い出す。まあ、後者はわからんでもないけど、だったら就職の邪魔しなきゃよかったのだし、逆に家捨てる資金もらえば後々絡まれるしって所で嫌じゃ。先日あったのは、親族にブドウの贈答を送る際に伝票書いてて、「Aさんの電話番号、お前のメモとうちが前から使っている住所と違うんだけど、お前間違ってないか!」って言われて見たら、住所どころか別人の伝票見て電話番号が違うとか言ってた。
そういえばブドウの作業場所探しでも、知り合いが探してくれたらしいのだが、連れ合いが亡くなった婆さんの作業スペースが空いてると思って話しをしたら、「爺さんが時々使うから」とか言ってたらしい。それが事実なら平成の怪談話なのだが、当然ながらそんな訳はなくて痴呆症らしい。場所は割といいけど、息子さんも遠くに住んでるみたいで、ちょっと借りるのは無理っぽい。
・新品種ブドウ試食、今回はハニービーナス。ハニービーナスは農水省作出でオリンピアの血が入っているが白ブドウである。特徴はこの時期に出回っているんだから相当な早生という事なんだろうが、食べてみてガッカリした。不味かった訳ではない、むしろ早生でこの感じにしてはかなり食味はいい。特に果肉に適度な噛み応えがあって、欧州系のパリパリとも米国系のモニュモニュとも違う、近い所だとネオマスかなぁ。じゃあなんでガッカリかと言うと無核化してなかったのだ。
ポートランドやナイアガラみたいな純米国種じゃないのに無核化してないなんて生産者の怠慢かと言うとそうではなく、調べたらハニービーナスは作出時にはまだ無核化技術が充分に検討されてなかったというか、巨峰の無核が普及したのはこの後という感じがする。有核巨峰の着色の悪さや花震い対策としてハニービーナスを作った感じで、悪く言うとものすごい種が入りやすい特性があり、その後出来た巨峰の無核化技術が役に立たなかったし、巨峰は無核化技術で花震い問題をクリアしてしまったので、ハニービーナスはハシゴを外された状態だったのだろう。
ただ、2005年頃にストマイを使う新しい無核化技術と、フルメットの普及による栽培方法の変化で、ちゃんと無核化出来るようになってきている。ちょっとタイミングはシビアだが、それでも無核化しないハニービーナスは商品性が大きく劣ると敢えて言う。食感が前述の通りだと、果皮のすぐ裏の甘い果汁はそれほど無く、ナイアのように「飲む」という食べ方は適さない。かと言って噛めば種があるので、有核ハニービーナスは品種の魅力を大いに損ねるような感じだ。作りたいかと言われると、これは古い品種だし無核化技術が他と類似性が少なく、デラと時期的にバッティングするので基本無いかな。デラは固定客いるから外せないし、日持ちは良くないそうなので、売り方に困る(から直売所で安く買える訳だ)。
書いてて思ったが、栽培技術の向上で昔の品種に光があたる可能性はまだまだあるのかも知れない。ほんと何度も言われる事なんだけど、「ナイアガラを無核にしたら売れる」とかある。
・ブドウ関係で気になると言えば冷蔵。うちの冷蔵庫では無理だし、プレハブ冷蔵庫を導入する場所もお金もないが、調べたらレンタル冷蔵庫というのがあるらしい。もちろん冷蔵庫を持って来てくれる訳ではなくて、冷蔵倉庫にスペースを借りられるみたい。例えばカゴ車一台一月6000円とかそんな感じ。仮に9月半ばに収穫したパープルを2ヶ月置いておくと12000円ほどかかる(他に出庫と入庫に課金するケースもあるので一例)が、カゴ車なら保存容器入れても多分50kgぐらいは詰めるだろう。その時に価格がキロ800円だったとして、クリスマス・正月シーズンにキロ1000円にして200円の差額×50=1万・・・あんまメリットねーか、ロスも確実に出るし。ただ、将来的な保存テストのために、一度冷蔵保存を長期でやってみるのはいい経験になるかも知れない。パープルの保存ケースはあんまりないし(シャインは沢山ある)。
・ブドウの検査のブレが酷い。同じ木から収穫した葡萄が、方や秀1秀2、かたや○秀とか良とかつけられると出荷する気をなくす。てか良くらったのなんて一年でも一度二度、分かっていて出した場合だ。昨年は「これは良だろ」と思って出した着色不良も良にはなんなかったのに。今年は物がいいから厳しく見ているのは分かるけど、ブレはほんと公正さを疑うよ。実際、それでキレて農協メインから市場に直で持っていく人もいたし。今日のは比較的まともなはずなので、これで悪かったら市場出荷にしたいわ、ほんと。と思って先ほど見てきたら今度はほぼ秀1になってた(自分が○秀で出した奴も上にあがってた)・・・嬉しい、嬉しいんだけどさぁ。
・ところで、改めて思うんだけど、出荷能力を大きく引き上げたら何が起こるだろうか?まず適期に集中して出荷出来る。美味しい時に収穫出来るし、価格が高い時とか災害が予想される時にもダメージを減らせる。お客さんから要望が多い時にも対応出来る。木への負担も減るし、実は出荷能力の向上というのは非常に大きな経営課題だったのだと感じる。今年もパープルにお客さんがついて非常に期待されているのだが、すでに出荷余力があるなら出せる状態である。
個人的な出荷の問題は人間がともかくこの時期辛い。栽培管理ともかぶるし、ともかく体力がすっごい下がっているのが分かる。
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Posted at
2016/08/21 21:54:47
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